自転車に椅子やキャンプ道具を乗せて、ぶらっと出かける「サイクルチェアリング」。ライターのパリッコさんとスズキナオさんが始めた、アウトドア用の椅子を持って公園や水辺などの好きな場所でひとときリラックスする「チェアリング」に、自転車をプラスした楽しみ方とのこと。

イラストレーター・たじまなおとさんも、サイクルチェアリングを楽しむひとり。全5回のこの連載では、たじまさんがハマったサイクルチェアリングの遊び方を伺います。

第4回は、サイクルチェアリングの楽しみのひとつ、野外で飲むコーヒーについてご紹介します。


コーヒーでまったり……

自転車に乗ってその辺の河原に行き、アウトドアチェアを広げて腰を落ち着けたら、次にやってみたい事と言えば、やはり豆をその場で挽いてシングルバーナーでお湯を沸かし、熱~い珈琲を入れてまったり過ごすことではないでしょうか?

しかし、キャンプ場ではないので勝手に火を使うわけにもいかず、昨今はバーベキュー広場などもコロナ禍で火気禁止となり、せっかく買った憧れのシングルバーナーとアウトドアケトルもなかなか出番がありません……。屋外で水からお湯を沸かして淹れたコーヒーはさぞかし美味しそうですが、そこは仕方なく妥協して水筒にお湯を入れて持っていくことに。家にあった500mlの水筒でカップラーメンと珈琲一杯分がちょうど出来るくらいの量です。

珈琲を美味しく入れるためには注ぎ口が細いドリップポットも必要なのですが、持っていくにはどうしてもかさばります。そこでマグやケトルに装着すると細く注ぐ事ができるアイテムをいろいろ探してみたのですが、結局水筒が一番細く注げることを発見! シリコンホースを加工して注ぎ口にしてみたり、ワイヤーで出来た着脱可能な注ぎ口を取り寄せたりしたのですが、全て無駄に終わりました。

折りたたみドリッパーもいくつか買って試してみました。まずはユニフレームの「コーヒーバネット」。普通の円錐型のペーパーフィルターを使えてとても軽量なのですが、軽すぎて外だと風で飛びそうになるのと、フィルターが下に飛び出すのでコーヒーに浸かってしまうのが難点。

  • ユニフレームの「コーヒーバネット」

次にキッカーランドの「コラプシブルコーヒードリッパー」という、折りたたみ式ドリッパー。こちらは何より見た目がめちゃくちゃかっこいい! 少し重たくて安定感があるのですが、フィルターが持ち運びに適さない立体型のカリタのウェーブフィルターでないと上手くフィットしないという欠点が。フィルターをマグの中などに収納すれば持ち運べるのですが、携帯性は失われてしまいます。

  • キッカーランドの「コラプシブルコーヒードリッパー」

どちらも一長一短なので気分によって使い分けています。

コーヒーミルは定番のポーレックス。ハンドルが取り外せてコンパクトに収納できて見た目もかわいい。家では電動ミルで一瞬ですが、これがなかなか骨が折れます。それも外で珈琲を入れる儀式の一部と思えば楽しいのですが。

豆はあまり違いがわかってないので特にこだわりはないです。外で飲むと、自分の淹れた下手くそなコーヒーでも当社比200%で美味しい気がします。でも、たまには特別に高い豆もいいかもしれません。今回の原稿のやる気を出すためにちょっと高い豆を買ってきました。

最後にマグカップですが、未だしっくりするものがなくダイソーで買ったアウトドアマグをとりあえず使っています。飲み口が薄くて火傷しそうになるので、持ち運びに適した割れないコーヒーが美味しく飲めるマグを目下探し中です。

いろいろ書きましたが今はもう暑くてあまりホットコーヒーという季節でもないので、最近はコンビニで買ったアイスコーヒーを氷ごと保冷マグに移して持って行っています。早く寒くなってホットコーヒーが美味しい季節になって欲しいものです。

もうちょっとレベルが上がったら、「キャンプ場へ行ってバーナーでお湯を沸かして珈琲を入れる」に挑戦したいと思います。

●注意事項
・サイクルチェアリングは一人もしくは同居している家族と行い、出来るだけひと気のない場所と時間を選んで密を避けて下さい。
・コーヒーを入れる場合、火気禁止の場所では火は使わずお湯を持っていきましょう。現在コロナ禍でバーベキュー広場なども火気禁止の場合が多いです。
・私有地で行うのはやめましょう。河川は一般的に共有地ですが迷惑にならない範囲で行ってください。
・ゴミは必ず持ち帰りましょう!