師走に入り、年末にむけてあわただしい日々を送っている人が多いのではないでしょうか。街中でも、年末の挨拶を交わしている会社員の方々を見かけるようになりました。「年末までにやっておかなければならないこと」は人それぞれです。掃除や書類等の整理、年賀状の作成など、「やらないといけないな~」と思いつつ、後回しにしてしまうことが多いと思います。しかし、ふるさと納税を利用する場合においては「期限」がありますので、後回しせずに寄付した金額や手続き方法など確認しておきましょう。

  • 会社員がふるさと納税を利用する際の注意点

今回は、会社員がふるさと納税を利用する際の注意点をお伝えいたします。 なお、ふるさと納税については、過去のコラムでテーマに分けて記載していますので、ご参考になさってください。

第68回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (1) ふるさと納税とはなにか
第69回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (2) ワンストップ特例制度とはなにか
第70回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (3) ふるさと納税できる上限額について
第71回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税"(4) 実際に控除額を計算してみよう
第72回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税"(5) ふるさと納税の手続き方法
第73回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税"(6) ふるさと納税の手続き方法【2】
第74回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (7) 実際に頂いた返礼品のご紹介
第75回:改めて1から学ぶ"ふるさと納税" (8) まとめ

【注意点1】6団体以上の自治体にふるさと納税した場合は、必ず確定申告

会社員が5団体以内の自治体に対して寄付を行った場合は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用して、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けることができます。ふるさと納税を行った自治体に対して、ワンストップ特例申請書の提出をするだけで、翌年度分の住民税が減額されます。

なお、住宅を購入して住宅ローン控除を初めて受ける場合(住宅ローン控除1年目)など確定申告の必要がある年は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用することができないのでご注意ください。またワンストップ特例の申請は、寄付をした翌年1月10日まで(必着)に寄付先の自治体へ書類を提出する必要がありますので忘れないようにお気をつけください。

【注意点2】医療費控除を受ける場合は、必ず確定申告

会社員が医療費控除を受ける場合、確定申告が必要です。住宅ローン控除の場合と異なり、2年目以降に医療費控除を適用する場合であっても、確定申告が必要です。したがって、「医療費控除+ふるさと納税の寄付金控除」を受けるためには、確定申告をしなければなりません。

なお、医療費控除については、下記のコラムをご参照ください。

第27回:医療費控除とは
第32回:医療費控除の特例を知っていますか?

【注意点3】医療費が多額になると、ふるさと納税上限額が減少する

医療費控除とふるさと納税の寄付金控除は重複して控除を受けることができますが、実際に支払った医療費の額が多額になると、ふるさと納税できる額が減ります。今年の医療費が昨年の医療費よりも多額であるにもかかわらず、ふるさと納税をした額が昨年と変わらない場合、ふるさと納税の自己負担額が2,000円を超えてしまうこともありますのでご注意ください。

具体例を見てみましょう。

<独身の会社員で給与収入が400万円の場合>

(1) 1年間の医療費が10万円以内(医療費控除適用なし)
自己負担額2,000円を除いた全額が所得税および住民税から控除される、ふるさと納税上限額
約42,000円

(2) 1年間の医療費が20万円(医療費控除適用あり)
自己負担額2,000円を除いた全額が所得税および住民税から控除される、ふるさと納税上限額
約39,000円

(3) 1年間の医療費が50万円
自己負担額2,000円を除いた全額が所得税および住民税から控除される、ふるさと納税上限額
約32,000円

(4) 1年間の医療費が100万円
自己負担額2,000円を除いた全額が所得税および住民税から控除される、ふるさと納税上限額
約20,000円

※社会保険料は給与収入の15%とする。
※医療費控除は、医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)ではなく、通常の医療費控除の適用を受けることとする。

上記の具体例を踏まえて、昨年が(1)支払った医療費が10万円以内、今年は(4)支払った医療費が100万円である場合、昨年のふるさと納税上限額と同じく今年も42,000円寄付すると、自己負担額は2,000円ではなく、約22,000円(42,000円-20,000円)となります。

年末にむけてかけこみでふるさと納税を利用しようとしている会社員の方々もいらっしゃるでしょう。上記に記載した注意点【1】~【3】に気をつけながら、適切に寄付金控除の手続きを行ってください。