「子育てにお金ってどれくらいかかるの? 」「東京暮らしと地方暮らしとでは、子育てにかかるお金に違いがあるの? 」「教育資金づくりってどんなふうにするの? 」「教育費が足りない場合どうしたらいいの? 」など、子育て真っ最中の方、またはこれから子育てする方には、こんな疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。

前回につづき、今回も「子育てとお金」をテーマに有益な情報をご紹介していきます。「出産にかかるお金」「教育費の目安」「教育資金づくりの方法」「教育費を地域別で比較」など、さまざまな角度から、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が「子育てとお金」についてお伝えしていきます。

教育資金の援助をしてもらえる場合

以前のコラム(第82回)では、「教育資金を貯める5つの方法」をご紹介しました。今回は、その5つ目の方法「贈与」についてお話します。

例えば、教育資金を祖父母から孫へ援助してもらえる場合、一度に多額の援助をすると、贈与税が課税される場合があります。しかし、教育資金の贈与であれば一定額まで非課税になる制度があります。税金面での教育資金援助の方法や制度についてお伝えいたします。

税金面での教育資金援助の主な方法

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対して課税されますが、夫婦や、親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるための財産をもらうのであれば、通常は、課税されることはありません。

したがって、親が負担している教育費(学費や教材費、文具費)は、必要であれば、課税されません。

下記(表A)は、祖父母などから教育資金援助を受ける場合の主な方法です。

(表A)祖父母からの教育資金援助の主な方法

  • (表A)祖父母からの教育資金援助の主な方法 ※筆者作成※

    (表A)祖父母からの教育資金援助の主な方法 ※筆者作成※

【1】必要な都度贈与

祖父母などが、学校の授業料や学習塾の月謝などの費用を必要な都度支払ってあげる場合は、通常必要と認められるもの(社会通念上、常識的な範囲)であれば、贈与税は課税されません。

なお、教育費の名目で祖父母が孫に現金をあげた場合でも、孫がそれを貯め込んだり、株式や不動産などの購入資金に充てたりしている場合には贈与税が課税されます。したがって、使い道がはっきりするように、学校や塾への支払いは直接祖父母が行い、必ず領収書などを発行してもらって保管しておくとよいでしょう。

【2】暦年課税

暦年課税とは、贈与税の課税方式のひとつで、暦年(その年の1月1日から12月31日まで)を単位として、1年間に贈与された財産の合計額に応じて課税される方式のことです。ただし、贈与された財産の金額が年間110万円までの部分については、贈与税は課税されません。つまり、毎年の贈与が110万円以下であれば、原則として、贈与税が課税されることもなく、贈与税の申告も不要ということです。

暦年課税は使用用途に制限がないので、教育費に限らず自由に使えますが、非課税上限金額は年間110万円です。例えば、税務署から「実際は、1年間で1,000万円の贈与を受けたのに、税金を逃れるために、1年間に100万円の贈与を10年に亘って受けたと嘘をついているのではないか」と疑われないために、贈与する人と贈与される人との間で毎年贈与契約書を交わしたり、銀行振込の記録などを残したりして、年間110万円以下での贈与が行われた記録を保管しておくと安心でしょう。

【3】教育資金の一括贈与

祖父母などから教育資金を一括で贈与してもらった場合、1,500万円までであれば贈与税が課税されない制度があります。「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」とも呼ばれています。

この制度は、祖父母から直接孫に教育資金を渡すのではなく、金融機関の教育資金口座を経由して資金援助することになります。また、使用用途として、学校等以外の費用(学習塾や水泳教室、ピアノの習い事など)を支払う場合、非課税限度額は1,500万円ではなく500万円となります。

こちらの制度のあらましについては、国税庁のホームページでパンフレットをダウンロードすることができます。ご参考になさってください。

参照 : 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

上の世代から、教育資金の援助をしてもらうことは、将来の教育に関する金銭面での不安が取り除かれ、親としても助かるでしょう。だからこそ、税金面でのトラブルがないように、学校等に支払った根拠資料を保管したり、贈与契約書を作成したりして、適切に贈与を行いましょう。

なお、贈与してくれた人にその都度感謝を伝えることをくれぐれも忘れないようにしましょう。