「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。

お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。

近年、「地方移住」という言葉を耳にする機会が増えました。豊かな自然に囲まれた暮らしや、ゆったりとした時間の流れに憧れを抱く人も多いのではないでしょうか。しかし、メディアなどで紹介される移住実例の多くは、ファミリー層や夫婦でのケースが目立ちます。そのため、「移住はある程度まとまった家族単位でするもの」「独身の自分にはハードルが高いのではないか」と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、決してそんなことはありません。近年、一人で外食や旅行、趣味の時間を楽しむ「ソロ活」という言葉が定着したように、生き方や楽しみ方の選択肢は多様化しています。それと同様に、独身者がフットワーク軽く、自由に、そして柔軟に心地よい暮らしを求めて地方移住を検討することは、いまやごく自然な選択肢の1つとなっているのです。

そんな「一人移住」を志す方を、金銭的な面からバックアップしてくれる制度があるのをご存知でしょうか。それが、地方公共団体が主体となって実施している「地方創生移住支援事業(移住支援金)」です。

地方創生移住支援事業(移住支援金)とは?

この制度は、東京圏から地方へ移住し、就業や起業などの一定の要件を満たした方を対象に支援金が支給される仕組みです。一般的に家族世帯での移住に手厚いイメージがありますが、実は単身者向けの支援も用意されています。一定の要件を満たした単身者が地方移住する場合、最大60万円(※自治体によって支援額や独自の条件は異なります)を移住支援金として受け取ることができるのです。単身での引っ越しや新生活の立ち上げにかかる初期費用を考えると、この存在は大きな安心材料となるでしょう。

ただし、「移住支援金」はすべての自治体が一律で実施しているわけではありません。そのため、地方移住先として気になっている地域がある場合は、まずその自治体で「移住支援金」の支給が実施されているかどうかを確認することをおすすめします。

ここで、実際に単身者向けの移住支援金事業を実施している自治体の具体例をいくつかご紹介します。

まずは、讃岐うどんの名店が多いだけでなく、美しい瀬戸内海とアートの島々へのアクセスも良い香川県丸亀市

次に、「四国中央市」という名前が示す通り四国のほぼ中央に位置しており、「日本一の紙のまち」として栄え、豊かな自然と産業が調和する愛媛県四国中央市

そして、全国屈指の温泉地として名高く、大地から立ちのぼる情緒豊かな湯けむりが街を包み込む大分県別府市

こうした魅力的な自治体が数多くありますが、いざ「一人で移住しよう」と決意したとき、やはり「現地での生活に馴染めるだろうか」「治安や生活環境は大丈夫か」といった不安はつきものです。そこで実践していただきたいのが、移住希望先の行政窓口や移住相談センターへの相談です。

単身での移住を検討している旨を窓口で伝えると、一人暮らしだからこそ事前に確認しておかなければならない具体的なポイントを丁寧に教えてもらえます。例えば、夜間の周辺環境や住居の安全面(セキュリティ)、日々の自炊に欠かせない食材調達の利便性、そして車社会である地方において最重要課題となる交通手段(公共交通機関の有無や自家用車の必要性)など、単身者の目線に立ったリアルな周辺情報を得ることができます。

さらに、行政窓口を頼るメリットは情報収集だけにとどまりません。実は「一人」での行動だからこそ、現地の人々やコミュニティと早く溶け込めるという大きなメリットがあるのです。

家族連れの場合、どうしても家族内での会話やコミュニティで完結してしまいがちですが、単身者であれば、地域のイベントや行きつけの飲食店、コワーキングスペースなどを通じて、現地の方々とダイレクトに繋がりやすくなります。行政の担当者を通じて、すでに現地で暮らしている先輩移住者を紹介してもらえるケースも少なくありません。

お金の支援制度を賢く活用し、地域の窓口を頼りながら、あなただけの理想の「ソロ移住」への第一歩を踏み出してみませんか。そこにはきっと、想像以上に自由で温かい、新しい出会いと暮らしが待っているはずです。