LASSICが運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」は、リモートワーク経験のあるワーキングパーソン1,005名を対象に「地方移住と地方でのリモートワークに関する調査」を実施した。本調査は、2026年2月25日〜27日、20歳から65歳のテレワーク/リモートワーク経験者男女を対象にインターネット調査にて行われた。

地方移住実現条件の筆頭は「フルリモートで働ける仕事」が38.5%で最多

  • 将来、現在の居住地より地方への引っ越しを考える際の条件

    将来、現在の居住地より地方への引っ越しを考える際の条件

将来、現在の居住地より地方への引っ越しを考える際の条件を尋ねたところ、全体では「フルリモートで働ける仕事」が38.5%で最も多かった。以下、「地方でも都心と同等の給与」(28.2%)、「週1-2日程度の出社で済む仕事」(26.7%)、「交通アクセスが良いこと(新幹線停車駅など)」(26.6%)と続く。1位と2位の間には10.3ポイントの差がある一方、2位から4位の3項目は26〜28%の範囲に収まり、僅差となった。「どんな条件でも地方移住は考えない」は18.2%であった。

出社形態で分かれる実現条件、フル出社者は「給与」が1位

  • 地方移住の実現条件を出社形態別

    地方移住の実現条件を出社形態別

地方移住の実現条件を出社形態別にみると、1位の項目が分かれた。フルリモート勤務者では「フルリモートで働ける仕事」が55.4%で1位となり、2位の「地方でも都心と同等の給与」(21.1%)を34.3ポイント上回った。ハイブリッド勤務者でも「フルリモートで働ける仕事」が39.5%で1位となっている。

一方、フル出社者では「地方でも都心と同等の給与」31.5%が1位となった。以下、「フルリモートで働ける仕事」(30.5%)、「交通アクセスが良いこと」(28.1%)と続き、項目間の差が小さい結果となった。「フルリモートで働ける仕事」の選択率は、フルリモート勤務55.4%に対しフル出社30.5%であり、24.9ポイントの差がみられた。

年代が上がるほど「移住は考えない」が増加、20代と60代で18.7ポイント差

  • 地方移住の実現条件(年代差)

    地方移住の実現条件(年代差)

年代別にみると、「どんな条件でも地方移住は考えない」の選択率は、年代が上がるにつれて増加した。20代(8.7%)、30代(15.6%)、40代(15.7%)に対し、50代(25.7%)、60代(27.4%)となり、20代と60代で18.7ポイントの差が生じた。 一方「フルリモートで働ける仕事」の選択率は全年代で33〜41%の範囲に収まり、最大差は7.7ポイントにとどまった。「地方でも都心と同等の給与」は40代(32.5%)が最も高く、20代(21.2%)との差は11.3ポイントとなった。

「地方×リモート」の魅力は「都心の仕事ができること」

  • 「地方×リモートワーク」に対する意識

    「地方×リモートワーク」に対する意識

「地方×リモートワーク」に対する意識を尋ねたところ、「地方に住みながら都心の仕事ができるのは魅力的だ」が33.0%で最多となった。次いで「生活コストが下がり、経済的にゆとりが持てそう」(31.3%)、「自然が多い環境で働けるのは理想的だ」(20.5%)と続く。上位2項目が3位と10ポイント以上の差をつけて突出しており、上位3位はいずれもポジティブな項目であった。

「地方×リモート」への不安は出社形態で異なり、フル出社者は関係構築を懸念

  • 】「地方×リモートワーク」への不安3項目(出社形態別)

    】「地方×リモートワーク」への不安3項目(出社形態別)

不安項目をみると、出社形態によって最多となる項目が異なった。フルリモート勤務者は「キャリアアップが難しそう」(5.4%)、「同僚との関係構築が難しい」(9.0%)、「通信環境が不安」(13.3%)のすべてで全出社形態中の最低値となり、不安項目の選択率が最も低い。 ハイブリッド勤務者は「キャリアアップが難しそう」が17.6%で最多となり、フル出社者は「同僚との関係構築が難しい」が19.2%で最多となった。通信環境への不安は各群とも12〜14%の範囲に収まり、差が最も小さい。

男女別では「経済的ゆとり」への意識に10.7ポイントの差

  • 地方移住の実現条件(男女別)

    地方移住の実現条件(男女別)

男女別では、「フルリモートで働ける仕事」は女性(40.6%)が男性(36.6%)を4.0ポイント上回った。男女差が最も大きかった項目は「どんな条件でも地方移住は考えない」で、女性(20.9%)が男性(15.7%)を5.2ポイント上回る結果となった。

  • 「地方×リモートワーク」への意識(男女別・全13選択肢)

    「地方×リモートワーク」への意識(男女別・全13選択肢)

また「地方×リモートワーク」の意識において、男女差が10ポイントを超えたのは「生活コストが下がり、経済的にゆとりが持てそう」で、男性(36.4%)が女性(25.7%)を10.7ポイント上回った。一方で女性は「都心の利便性を手放したくない」(17.4%)や「通信環境が不安」(15.1%)といった項目で男性を上回った。

属性を超えて共通する条件は「フルリモートで働ける仕事」

今回の調査の結果、出社形態や年代によって実現条件や移住意欲に差がみられたが、「フルリモートで働ける仕事」は属性を問わず幅広く選ばれた。全出社形態で上位3位以内に入り、全年代で33%以上の選択率を保っている。移住意欲や求める条件に違いはあっても、場所を選ばない働き方の確保が地方移住を実現するための共通の鍵となっていることが浮き彫りになった。