ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第28回は「#クリームソーダ」。

  • 喫茶パオーンのクリームソーダはどれも鮮やか!

シュワッとしたソーダと甘くなめらかなアイスクリームの組み合わせがおいしいクリームソーダ。日本では明治時代後期に登場して以来、喫茶店やファミレスの定番ドリンクとして今なお愛され続けている。

クリームソーダといえば、グリーンが鮮やかなメロンソーダ、バニラのアイスクリーム、ワンポイントでのせられたさくらんぼ、というのが一般的なイメージ。ところが、最近ではカフェや喫茶店で色とりどりのソーダや個性的なトッピングを合わせたクリームソーダが登場し、SNSで写真が多数投稿されている。Instagramでは「#クリームソーダ」のハッシュタグをつけた投稿は約29万件。また、「#クリームソーダ部」をつけた投稿も約1.3万件に上り(いずれも2020年6月中旬時点)、根強いファンの多さがうかがえる。

特に、新型コロナウイルス対策による外出自粛で“おうち時間”が増えたことにより、自宅で手作りしたクリームソーダの写真をアップする人も増加。フルーツをたっぷり入れたり、リキュールを加えてカクテル風にしたりと、手作りならではの自由なアレンジを楽しんでいるようだ。

淡いグリーンが新鮮! 無印良品「Cafe&Meal MUJI メロンソーダ」

手作りクリームソーダの投稿で特に目立っていたのが、無印良品の「Cafe&Meal MUJI メロンソーダ」を使ったもの。カフェ業態の「Cafe&Meal MUJI」で提供されていたメロンソーダを今年3月に商品化したところ、発売早々SNSで話題になった。その特徴は、ソーダの色が鮮やかなグリーンではなく彩度を抑えた淡いグリーンであること。SNSの投稿を見ると、「パステルグリーンに癒される」「淡い緑で涼しげ」など見た目に対するコメントが多く、「普通のメロンソーダより優しい味」と味についても好評だ。

  • SNSで反響を呼んだ無印良品「Cafe&Meal MUJI メロンソーダ」(330ml/290円税込)

特徴的な色味について、「一般的なメロンソーダは明るく発色の良い緑色ですが、無印良品では合成着色料を使わず、クチナシとベニバナの色素で自然なやさしい色合いを出し、昔懐かしい色合いを再現しました」(良品計画 食品部 飲料担当 関根千晶さん)とのこと。

SNSでの反響は予想外だったそうだが、バズったことが商品の売上にも影響しているという。「ステイホーム中にアイスをのせた画像をアップしてくださったことで『おうちカフェ』にぴったりの商品としての認知がさらに高まり、店舗再開後には『話題のメロンソーダ』として好調に推移しています」(関根さん)といい、SNSの投稿を見ても「噂の無印のメロンソーダ、やっと買えた! 」というコメントが多く、タイムラインやネットの記事などで見た写真で興味を持ち、購入を決める人も少なくないようだ。

爽やかな水色が際立つ看板メニュー 喫茶ニカイ「ニカイのクリームソーダ」

SNSに投稿されているクリームソーダの特徴として、ブルー系のソーダが一つのトレンドとしてある。白いアイスクリームとの対比も美しく、まるで空や海の景色を切り取ってグラスの中に注いだような幻想的な見た目になる。東京・谷中にある「喫茶ニカイ」の看板メニュー「ニカイのクリームソーダ」も、鮮やかな水色が特徴だ。同店では数種類のフロート(アイスがのったドリンク)を提供しているが、その中でも「ニカイのクリームソーダ」は断トツで人気があるという。

  • 喫茶ニカイの「ニカイのクリームソーダ」(写真左・650円)、「ニカイのクリームソーダゼリー」(写真右・400円)

「開店を決めた時から喫茶店にクリームソーダは必須と考えていました。看板にも使っているお店のテーマカラー“水色”で美味しいクリームソーダを作れないものかと試行錯誤し完成しました」(喫茶ニカイ代表 櫻井崇雄さん)とのこと。ラムネ味の爽やかなブルーのソーダに、フランス産のさっぱりとしたヨーグルト味のアイス、ブルーベリーのソースを添え、「見た目だけではなく味もとても美味しいと言われます」(櫻井さん)と好評のようだ。ソースがソーダに溶けると紫~水色のグラデーションになり、見た目の美しさもさらにアップする。

instagramで「#喫茶ニカイ」のハッシュタグを見てみると、かなりの割合でクリームソーダの写真が投稿されており、特に「ヨーグルトのアイスがすごくおいしい! 」とアイスの味が絶賛されている。クリームソーダの人気に応えて、今年6月からは新たに「ニカイのクリームソーダゼリー」の販売も開始。ソーダ部分がラムネ味のゼリーになったメニューだが、まるでクリームソーダをぎゅっとミニサイズにしたような愛らしい見た目で、こちらも話題になりそうだ。

※「ニカイのクリームソーダ」はテイクアウト可能。価格は店内料金と同じ。

どれにしようか迷っちゃう?  喫茶パオーンの「クリームソーダ」

東京・千歳船橋にある「喫茶パオーン」は、愛知県西尾市にある味噌屋今井醸造が運営する昭和レトロな雰囲気が漂う喫茶店。味噌を使った料理や、サンドウィッチやプリンなど喫茶店ならではのメニューが揃うなか、ドリンクはカラフルなクリームソーダが人気だ。

  • 喫茶パオーンの「クリームソーダ(クッキーあり)」(各660円、クッキーなし580円)

同店のクリームソーダは赤(いちご)、青(ブルーハワイ)、緑(メロン)の3つから選べる。背の高いグラスに色鮮やかなソーダ、ミルクアイス、さくらんぼがのっており、プラス80円で店のアイコンである象の形をしたクッキーをのせることができる。アイスの上に乗った象は玉乗りをしているようでとてもユニーク。SNSへの投稿写真を見てもクッキーをプラスしている人が多く、「象のクッキーがかわいい」というコメントが目立った。

3色用意したのは「色が選べた方がお客様が喜んでくれるのではないかと思ったから」(喫茶パオーン代表 金澤千夏さん)とのことで、特に青いクリームソーダが人気なのだそう。「『かわいい』と写真を撮る方も多いです」(金澤さん)といい、SNSの投稿写真には友人やカップルで訪れて色違いのクリームソーダを並べている写真、店内のレトロなソファやステンドグラスの窓を背景に写っている写真などがある。店を訪れた人はクリームソーダと一緒に空間そのものを楽しんでいるようだ。

“クリームソーダ=子どもが飲むもの”というイメージで、大人になってからはなかなか飲む機会がなかったという人もいるかもしれない。ところが今やクリームソーダは、レトロな雰囲気はそのままに、思わず写真に収めたくなるような“映える”ドリンクとして、若者を中心に認知されている。たまには童心に返って、喫茶店やおうち時間で楽しんでみては。

※価格は特記がない限り税抜。