自分の書いたメールが相手に正しく伝わるか。これについて多くの人が不安を抱えています。2023年6月に一般社団法人日本ビジネスメール協会が発表した「ビジネスメール実態調査2023」の結果でも、仕事上のメールにおける不安の第一位は「正しく伝わるか」でした。対面や電話によるコミュニケーションと違い、メールはその場では相手の反応が分かりません。用件やメールを送った目的が正しく伝わらなければ、相手から望むアクションが得られなかったり、時には誤解されたりしてしまうことも。メールで誤解なく伝わるために大切なポイント。それは、相手がメールの要点をつかみやすいことです。

次の二つのメールを比べてみましょう。どちらのメールが要点をつかみやすいでしょうか。

【1】

2024年版カタログ制作の次回打ち合わせについてご連絡いたします。日時は8月25日(金)の11時~12時で、貴社へ伺います。内容としては、表紙のデザインについてご確認いただきたく、弊社より3パターンのデザイン案をご提案させていただきます。よろしくお願いいたします。

【2】

2024年版カタログ制作の次回打ち合わせについて、ご連絡いたします。
・日時: 8月25日(金)11時~12時
・場所: 貴社
・内容: 表紙デザインの確認
(弊社より3パターンのデザインをご提案します) よろしくお願いいたします。

【2】の方が要点をつかみやすいことは、言うまでもありませんよね。なぜ要点をつかみやすいのか。鍵となるのは、情報が箇条書きで整理されていることです。

見やすさが理解度を向上させる

日時や場所、打ち合わせ内容のように、相手に伝えたい項目が複数ある場合は、箇条書きで情報を整理することが効果的です。各項目の先頭に「■」「●」「・」などの記号を使用することで、注目してほしい点はより明確に。【1】のメールと比較して、【2】はスッキリと見やすくなっていることが分かります。この「見やすさ」が重要なポイント。【2】のメールは文字通りパッと見ただけで内容が理解できることが分かります。一方、【1】のメールで内容を理解するためには、文章を一文字ずつ目で追っていく必要があります。つまり、熟読しないと理解できないメールになってしまっているのです。

丁寧に書こうとする意識が強くなるほど、どうしても長い文章になりがち。文字数が多くメール自体が長くなってしまうのはもちろん、言葉の言い回しに悩んだり、敬語の正確性にとらわれてしまったりすれば、メールを書く時間さえも長くなります。箇条書きにすれば入力作業も軽減され、メールの作成スピードも上がることにつながります。入力作業の軽減が相手への配慮に欠けてしまうのではないかと懸念が生じるかもしれませんが、むしろ正反対。文字数が減り、パッと見て理解できるようになれば、それだけ相手の負担も軽くなるのです。

箇条書きが精神的な負担を軽減

仕事を進める中で疑問や不明な点が生じれば、相手に質問や確認をしなければならないこともあります。その疑問や不明点が複数に及んでしまい、相手に聞きづらかったり、思うように回答がそろわず何度もやりとりが繰り返されてしまったりした経験はありませんか。こうしたケースでも、箇条書きは互いの負担を軽減してくれます。

例えば、交際費の内容について営業担当に確認をするとしましょう。その際、「相手は誰ですか」「会の目的は何ですか」「事前の申請はしていましたか」などと質問文が続けば、必要事項を確認しているだけなのに質問攻めにしているようで気が引けますよね。特に他意のない質問だったとしても、営業担当にしてみれば詰問されているかのような感覚に陥るかもしれません。でも、次のように要点をまとめてみるとどうでしょう。

以下の4点についてお知らせください。
・相手の企業名
・参加者
・目的
・事前申請の有無

箇条書きで整理することによって質問文は一つになり、ネガティブな感情も抑えられます。確認事項が一目で分かるため、回答のヌケモレが発生する可能性も低いはず。何度もやりとりが繰り返される負担もなくなることでしょう。

要点のつかみやすさが適切な判断を呼ぶ

仕事上では、質問や確認の他、時には調整や交渉が必要な場面も訪れます。難しい局面やデリケートな内容になるほど言葉選びも慎重になるもの。しかしながら理解しづらい文章は、相手の誤解を生み、意図しない解釈をされてしまうリスクを高めます。丁寧さに固執しすぎれば時に慇懃無礼とも感じられ、調整や交渉が難航することにもなりかねません。

要点がつかみやすく、用件やメールを送った目的が容易に理解できること。相手の負担を軽減するメールこそが相手の適切な判断を呼び込み、円滑なコミュニケーションへとつながるのです。