もしも、あの名店が普段とは異なる料理を手がけたら——。そんな発想から生まれた、アメリカン・エキスプレス(アメックス)カード会員向けの新しいダイニングイベント「メゾン・ド・もしも ~奇跡の食卓~」。10月15日に開催されたシリーズ第1弾に参加してきた。
「席の提供」から「特別な体験の創出」へ
同社はいま決済機能にとどまらず、ダイニングやトラベル、エンターテインメントなど幅広い領域で「カード会員だからこそ得られる価値」を提供する「メンバーシップモデル」を掲げている。ダイニングでも、予約困難店の席の確保に加え、料理人や名店とともに、通常の営業では出会えない料理や演出を生み出す会員限定イベントを展開してきた。
「メゾン・ド・もしも」は、それらの取り組みを体現する新企画。企画を手がけるのは、放送作家の小山薫堂氏。人気店を貸し切るだけでなく、料理とその背景にあるストーリーまで企画するのだという。
「とんかつ乃ぐち」×「下鴨茶寮」
シリーズ第1弾となる今回の組み合わせは、大阪・関西万博で話題を呼んだ「とんかつ 乃ぐち」と、170年以上の歴史を持つ茶懐石・京料理の老舗料亭「下鴨茶寮」。テーマは「もしも、『とんかつ 乃ぐち』が、とんかつを世界に羽ばたく日本料理に仕立てたら」だ。こちらのイベントには、アメックスの「プラチナ・カード」「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード」会員35組70名が参加した。
「とんかつ 乃ぐち」は、「とんかつという食文化を世界に発信したい」「日本のB級グルメで終わるのではなく世界に通じる料理なんだ」という思いから自身の店をたたみ、大阪・関西万博に出店。たちまち予約がほとんどとれないほどの人気に。万博後は大阪で会員制の店舗「OSAKA TONKATSU CLUB」を営んでいる。「その野口さんのとんかつを世界に羽ばたかせるにはどうすればいいのか、下鴨茶寮の懐石料理と一緒にコラボレーションしてコースをつくろう、ということで、今回の企画に至っています」と小山氏。
こういったお話を企画者や料理人から直接聞けるというのもイベントの醍醐味だ。
「『とんかつ懐石』というのは評論家の方でも今まで聞いたことがないとのことで、おそらくなかったんです。とんかつの歴史上初めてそういうものをさせていただいております」(野口氏)。
「懐石の中にとんかつが入るということはほぼ聞いたことも見たこともないという新たな挑戦でしたし、野口さんのとんかつを世界に羽ばたかせるという意味では、僕も何かお手伝いできることがあればなと思ってご一緒させていただきました」(本山氏)。
はじめに「京丹波ぽーくシャトーブリアンカツ」とともに登場したのは、下鴨茶寮 総料理長の本山直隆氏がそれを食べたインスピレーションからつくったというお椀「松茸の沢煮椀」。
カツをひと口食べて残りをお椀につけていただくと口の中で"未来的な"味わいに。
「日本料理なので、やっぱり出汁はポイントになるのかなと思います。とんかつの豚や脂の旨味は出汁に絶対合うというインスピレーションがすぐに生まれました。豚汁とかってそういう旨味の要素がいっぱいあるので。今回はすまし仕立てですけど、上品な豚汁のようなイメージでつくってみました」(本山氏)。
本来はご飯物を添えるものが定石だが、代わりに下鴨茶寮の看板商品である「下鴨昆布」を使った「京丹波ぽーくカツサンド」が並ぶ。
とんかつが主役、でも油物ばかりだとはまったく感じさせない、趣向を凝らした料理が続く。
メインに迎えたのは、大阪・関西万博で小山氏がプロデュースしたパビリオン「EARTH MART」に着想を得た一品「EARTH MARとんかつ」。
EARTH MARTの黒い壁に茅葺きの屋根という特徴的なビジュアルをイメージしたという。日本を代表する食材を世界に発信しようという取り組みをぎゅっと詰め込んでいる。カツ丼として楽しんだ後は、下鴨昆布や薬味をのせてお茶漬けにしていただく。
そしてデザートまでもがカツ! 「柿フライアイス添え」で懐石は締めくくられた。
それぞれの料理にペアリングのドリンクも。
一夜限りではもったいない、なんともユニークで贅沢な一夜。参加者からも「新しい日本料理をいただいている気がする」といった感激の声があがったとか。同社では今回を第1弾とし、今後もさまざまなシェフやレストランとの共創を通じて、カード会員ならではの食体験を届けていく予定とのこと。次はどんな「もしも」が実現するのか楽しみだ。
取材協力:アメリカン・エキスプレス
















