新鮮な魚介に海鮮丼、ご当地土産……ここまではよくある港町の観光市場らしい。ところが、宮城県気仙沼市の「海の市」には、マイナス20℃の「氷の水族館」や、日本唯一という「シャークミュージアム」まである。
市場や飲食店に加え、気仙沼ならではの展示施設までそろう気仙沼「海の市」は、思わず足を延ばしたくなるスポットだ。食べて、買って、見て楽しめる、その魅力を巡ってみた。
メカジキ、マンボウなど「気仙沼ならでは」の食材がたくさん
気仙沼「海の市」は気仙沼市魚市場に隣接しており、真っ赤な外壁と、気仙沼湾の波間のような屋根デザインが目印だ。広々した施設内には気仙沼漁港から直送された魚介類を中心に、生鮮・加工食品のショップが並ぶ。とりわけ『阿部長商店』『濱喜』などでは、水揚げされたばかりの産直魚介を氷とともに大きなケースでディスプレイしており、まさに漁師町という力強さだ。
サクや冷凍の形で店舗に並ぶ食材のなかには、おいしいと評判のメカジキのハーモニカ(背びれの付け根にある希少部位)をはじめ、マンボウやショッコ(ブリの幼魚)、まぐろの卵や心臓など、他地域では滅多にお目にかかれない食材も多い。これらを魚市場そのままの感覚で選んで購入できるほか、全国発送にも対応している。
※希少部位のため、仕入れ状況により取扱商品が予告なく変更となる場合あり
フカヒレやホヤなど気仙沼産食材を使った加工食品も豊富。自宅で食べる以外に、贈答品に向いたものもそろっているので、気仙沼観光の思い出を持ち帰る際に便利だ。気仙沼市の観光PRキャラクター「海の子ホヤぼーや」を扱ったキャラクターショップもあり、何と『海の子神社』の鳥居まであるので、ファンならぜひとも参拝しておこう。
新鮮な魚介を使った「回転寿司」も人気
気仙沼「海の市」の2階部分にある『気仙沼いちば寿司』ではカツオ、メカジキ、サメなど、地元漁師自慢の新鮮素材を回転寿司として提供。気仙沼の誇る新鮮な海の幸を、メニューによっては1皿あたり300円未満で手軽に味わえる。
飲食店は1階にもあり、三陸産・気仙沼特産の魚介類を使った魚屋直営レストラン『リアスキッチン』、遠洋かつお・まぐろ漁の業者組合が営む『北かつまぐろ屋』なども人気だ。午後になると大勢の客で順番待ちとなる。
そうした中で『リアスキッチンDELI』では、「ふかひれ海鮮まん」「シャークナゲット」など、気仙沼の食材をファストフードとしてテイクアウト可能。隣接のフードコート部分で食べられるので、他店に行列ができている時にはありがたい存在だ。
市の漁業に関する「サメ」と「氷」のミュージアム
気仙沼「海の市」の魅力は飲食や小売だけではない。気仙沼の自然環境と漁業に関わる展示施設が2つもあり、ランチやショッピングと組み合わせれば半日楽しめるのだ。
一つ目は、気仙沼の漁業と関わりが深い「サメ」を紹介する、日本唯一のサメ専門博物館『シャークミュージアム』だ。サメ漁やサメの利活用、サメの生態やサメトリビアを幅広く展示・紹介し、中にはウバザメ(体長8m)の実物大模型、メガロドン(現在は絶滅した巨大サメ)の歯、ホホジロザメの模型などもあって大迫力である。
沖縄県の人気観光スポット『沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館』とも協力関係にあり、同博物館とのコラボで2024年にリニューアルされた展示も見られるほか、共同イベントも定期的に行っている。自然科学系のミュージアムが好きな人であれば、きっとハマるはずだ。
二つ目の『氷の水族館』では、水揚げした魚介の鮮度を保つため必要な「氷」をピックアップ。気仙沼の製氷技術を使い、マイナス20℃の室内の至るところに氷漬けの魚たちを展示している。しかもプロジェクションマッピングにより、氷の中で止まっているはずの魚たちが室内を泳ぎ回るのだ。
氷壁の向こう側に入って「人間の氷漬け」のような写真を撮れるフォトスポットもあるが、入口では防寒着の無料貸出もあり、実際にマイナス20℃で氷漬けにされる心配はないので安心してほしい。両方とも面積はコンパクトながら、見応えは十分。ぜひチェックしておこう。
気仙沼の文化・観光を知りたい時に便利
気仙沼「海の市」は施設内だけでなく、気仙沼市内を観光する際の拠点としても便利だ。2階にある『気仙沼市観光サービスセンター』では市内の観光情報を発信するほか、電動自転車を含むレンタサイクルも利用可能。その上の3階にはレンタルオフィスもあるなど、気仙沼の街づくりや産業振興に深く関わっている。
また、施設内の吹き抜け部分には、2011年3月の東日本大震災による津波浸水深が残されている。担当者のお話では、施設の2階膝上まで津波が達したものの、当時の従業員や来場客は隣接する魚市場の屋上に避難して難を逃れたという。そこから様々な苦労を重ねて2014年に再開業し、後には東京2020オリンピックで聖火リレーの到着地ともなった。
気仙沼「海の市」は気仙沼漁港が再起し、今に至る地域文化・歴史の中心軸にもなっているようだ。
気仙沼「海の市」:宮城県気仙沼市魚市場前7-13/最寄駅:JR気仙沼線BRT「南気仙沼」駅から徒歩11分/10~4月 8:00〜17:00、5~9月 8:00〜17:30/1~6月不定休、7~12月無休(※詳細は施設HP内カレンダーを参照)/駐車場:普通車100台(他、魚市場駐車場も駐車可)、大型バス8台無料駐車可



















