西山朋佳女流王将に中七海女流三段が挑戦する霧島酒造杯第48期女流王将戦三番勝負は、挑戦者先勝で迎えた第2局が10月13日(火)に東京・将棋会館で行われました。対局の結果、得意の三間飛車を駆使して戦った西山女流王将が103手で勝利。タイトルの行方は最終局に委ねられました。
実戦的な急戦策
クイーン白玲(通算5期)獲得に伴い棋士編入資格を得たばかりの西山女流王将。石川県で行われたその防衛戦から中2日で今度は0勝1敗とあとのない女流王将防衛戦に臨みます。先手番で迎えたこの日はレパートリーのひとつであるノーマル三間飛車を採用。対して居飛車党の中女流三段は腰掛け銀から6筋の歩をこじ開ける得意の急戦策を披露しました。
居飛車の右銀が中央にドリブルして難解な中盤戦が続きます。先にリードしたのは西山女流王将で、飛車のコビンを開けておいてから攻防の自陣角で攻めたのが実戦的な打開策でした。後手の飛車がさばけず抑え込まれた本譜の展開を思うと、中女流三段としては受け一方の「土下座の歩」を打たずに地味ながら金寄りの手筋で応じる手がまさったようです。
終わってみれば快勝
西山女流王将の指し手に勢いが出てきます。へき地に追い込んだ飛車と馬は相手にせず、逆に後手から突いてきた端歩を逆用したのが落ち着いた指し回し。敵玉そばに作ったと金が絶大な働きを見せているためこちらは飛車一枚を取られても1筋攻めだけで十分お釣りが返ってくる形です。すでに先手優勢で以降はその冷静な寄せを見るばかりとなりました。
終局時刻は15時53分(持ち時間各3時間)、最後は自玉の詰みを認めた中女流三段が投了。終局図で後手玉は長手数ながら一本道の詰み手順に入っています。快勝といえる内容でスコアを1勝1敗のタイに戻した西山女流王将は「最終局は悔いのない将棋を指したい」と意気込みを語りました。注目の第3局は10月21日(水)に東京・将棋会館で行われます。
水留啓(将棋情報局)
