渋谷ABEMAS。

初年度の2018-19シーズンから5年連続ファイナル進出。

そして、

2022-23シーズンに初優勝。

「常勝軍団」とも呼ばれ、その安定感と強さはMリーグファンの知るところとなっている。

メンバーが一度も入れ替わったことがないのは、TEAM雷電と渋谷ABEMASだけだ。

そのABEMASが、今季はレギュレーションに引っかかってしまう恐れがある。

2025-26は7位でレギュラーシーズンを終え、セミファイナルへの進出が叶わなかったABEMAS。

今シーズンで6位以内に入らないと、選手を最低一人、入れ替えなければいけなくなるのだ。

絶対に負けられない今季。

ABEMASは開幕から順調にポイントを積み重ねてきたが、

10/16(金)麻雀ch 1戦目、歴史に残る「最長27局」の試合で、

他家の猛連荘に巻き込まれてしまった日向は-14800点の4着に沈む。

深々としたいつもの礼が、物悲しく映った。

この日1戦目が終わった段階で、

ABEMASのプラスは2桁となった。

巻き返したいところだが、2戦目に登場した松本も、

南3局2本場を迎えた段階で、苦しい位置にいた。

しかも、

手牌まで難しいときた。

松本は、

6萬を打った。

もうすぐ中盤を迎えるため、素直に、

マンズリャンメン+ピンズリャンカン+ソウズリャンカン

のイーシャンテンにとった形だ。ドラだけでなく、七対子や一盃口も残すことが出来る。

なんとかまとまってほしい手だが、

「リーチ」

なんと、醍醐から突然、リーチがかかる。

松本は、

手番で時間を使った。

なんせ、

(黄色の牌はツモ切りを示す。)

安全牌が1枚もないのだ。

松本は、

打8索とした。

ドラの4索が出ていかないように構えるとともに、2枚ある8索を切って、埒が明かなくなったらもう一度8索を打とうという考えだろう。

6索が2枚、7索が1枚見えているので、8索は無筋の中ではマシな部類だ。

この8索は無事通過。

次に持ってきたのは、

8萬だった。

これも、

醍醐には通っていない。

現物は、先ほど通した8索がある。

松本は、

8萬を押した!

大前提として、自分の手は愚形含みのリャンシャンテンだ。喜んでプッシュしたい手ではない。

ただ、ここでオリて次局へと進んだとしても、松本は「親番でオーラスを迎える」のがポイントだ。

下石とは今のところ同点である。

しかし、オーラスで松本が親かぶりをすると、松本は4着となってしまう。

要は、このままの点数状況ではどのみち厳しいので、手が微妙でもギリギリまでリスクをとる選択をしたのだろう。

また、2着目の醍醐がリーチしてくる以上、好形リーチの可能性が高くはあるのだが、醍醐は早々に9萬を打っているので、8萬はシャンポンなどの愚形にはまず当たらない面もある。

このあと、

6筒を引いて、ワンチャンスとなった7萬を打っていく松本。

次の手番でも、

7萬を続け切り。

そして、

醍醐が少し前にツモ切った2筒を合わせて、イーシャンテンにまで漕ぎ着ける。

しかし、次巡、松本が持ってきたのは、

さらなる無筋の5萬だった。

時間を使って、考えを整理した松本は、

5萬を押した!

再び立体図を見てみよう。

巡目こそ深くなったが、無筋は多く残っている。

マンズが2本、ピンズが3本、ソウズが4本。

濃淡の差はあるにせよ、無筋1本あたりの放銃率はそれほど高くない。

そして、先にも述べたように、ここでオリたときにはオーラスを苦しい点数状況で迎えることとなる。

この持ち点でのオーラスだと、トップ目の本田も、2着目の醍醐も「早く局を終わらせたい」気持ちが一致する。

すなわち、その場合、松本がのんびり連荘をさせてもらえる可能性は低い。

だからこそ、ここで、

松本吉弘は覚悟を決めて、勝負に出たのだ。

5萬を打っておけば、

ピンズが伸びたときに、

2萬、3萬を打っていく選択肢も生まれる!

先ほど述べたように、醍醐のリーチの好形率は高い。

そして、最終手番で、

松本はテンパイ!

醍醐の待ちは1-4萬であった。

待ちの5索は山になかったが、

下石の手から赤5索が放たれた!

「ロン」

「5200。」

タンヤオドラ赤のアガリが決まった!

手だけを見るとオリたくなる牌の並びをしていたが、状況を踏まえながらリスクを許容して攻め、アガリを決めた、松本の見事な打ち回しが光る局であった。

南4局は、

下石のリーチに、大トップ目の本田がリーチ一発の2600を放銃してゲームセット。

もちろん、前局の松本のアガリがなければ、各者の方針は変わった可能性はある。

しかし、もし下石と松本が同点のままオーラスを迎えていたら、このアガリで下石が3着、松本が4着となっていたようにも思う。

歯を食いしばって、苦しいところから手を作った松本の粘りで、ABEMASは連敗の危機を逃れた。

チームポイントとしても、

プラス域に留まれたのは本当に大きい。

ついこの間始まった2026-2027Mリーグも、レギュラーシーズンの約4分の1を経過した。

早いものだ。

レギュラーシーズンが終わるころには、

「よかったー!」

と、

この4人で笑い合う姿が見たい。

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