南1局3本場、9巡目に、

仲林はこのイーシャンテンとなっていた。

アナタなら何を切りますか?

本日取り上げる選手は、

U-NEXT Pirates・仲林圭。

“龍を継ぐもの”という二つ名は、師匠でもある日本プロ麻雀連盟所属の吉田光太の「龍」「ドラゴン」というキャッチフレーズが由来だ。

そして、この二つ名を使い続けているのは、「仲林が有名になったときに、もう一度吉田光太というプロに脚光を浴びてほしいから」という仲林の願いがこもっているからだそうだ。

このエピソードからも、仲林が人とのつながりを大切にする、「義理堅い」人間であることが伝わってくる。

あらゆるものが加速度的に変わっていく令和の世の中だからこそ、「義理」や「人情」というずっと大事にされてきたものが、より大切になってくるように感じる。

せっかく、古き良き単語が並んでいるので、今回は仲林の好プレーを「職人芸」と形容して、ピックアップしたい。

仲林は、寸分の狂いもなく正確な打牌を続けていく、まさに「職人のような」麻雀を打つ。

ただ、淡々と正着が続いていくので、ファインプレーに派手さがついてこないときも往々にしてある。

しかし、その意図を紐解いていくと、「しっかり味のする」打牌ばかりなのだ。

10月30日(金)麻雀ch 1試合目、南1局3本場での仲林の選択を見ていこう。

まずは、2巡目、

ここから仲林は打9筒とする。

“ピンズの一通があるのでは?”

と思った方もいらっしゃるかもしれないが、その場合にはピンズで3メンツを作ることとなる。

となると、ソウズのリャンメンは崩さない想定になるので、44萬赤55索のところは「どちらか片方しか要らない」ことになってしまう。

赤5索を打ちたくないのはもちろんだが、4萬をはじめとして「マンズの真ん中」を全て使えない状態にしてしまうのは攻守ともに不安定だ。

ならば、9筒を切っても7筒は瞬間的にロスなく使えるので、ピンズで2ブロック、マンズで1ブロック、ソウズで2ブロックと考えて、一通を見切った選択だ。

オタ風の北は安全牌候補。

役牌の白は重なったときに仕掛けルートが生まれるので、こちらも安全牌として将来的に使うことも考慮しつつ、残しているのだろう。

続いて4巡目には、

7索を引いて、白をリリース。字牌を1枚だけ持つ構えをとった。

ソウズをこう持っておくと、6索を引いたときに、

赤556778索

となるので、一盃口の目を残しながら、もう一度リャンメンとしてソウズを待つことが出来る。

6巡目。仲林はここで、

字牌を0枚にして、数牌で目一杯の構えをとった!

パっと見、危なっかしく思えるかもしれないが、

青で囲ったのが、「仲林も持っている」牌だ。

つまりは、全員に対しての安全牌が手にある状態だからこそ、仲林はここで中を手放したわけだ。

ただ字牌を切っただけに見えるこの場面でも、仲林のセンサーが卓の情報をしっかりと感知しているのが分かる。

そして、場の情報は、「誰に何が通っているか」として使えるだけでなく、

冒頭でも見た、愚形ターツ選択でも活用できる。

7索を切ったときに残した6萬が活きて、マンズメンツが完成してのイーシャンテンとなった。

さて、68筒か、24萬か、カンチャンのどちらを嫌うか考えたい。

仲林は、

8筒を打って、カンチャンはマンズを残した!

仲林が見ていたのは、

この赤丸で囲った、マンズの下(数字の小さい方。上と下がごちゃごちゃになる人は、「マンションなど建物の階数」として覚えるのがオススメ)の牌がたくさん出ている情報だ。

三人ともが、序盤の段階でマンズの下目を切り出している。

手に周りが持たれていることが少ない、と考えれば、残りのマンズ下ブロックは「山にいる」と読むことが出来るわけだ。

また、1萬や2萬がたくさん場に出ているため、物理的に3萬をメンツとして使いにくい点も、仲林が残すことの後押しとなる。

他家が3萬を掴んだときに「使い切れないから勝負」という形で、回りきれないから打つ選択肢が生まれやすい。

枚数としては、

7筒が4枚残り。

対して、3萬は下家の逢川が切っていてあと3枚。

1枚の差があるわけだが、これほどまでに場況として差があると、マンズ残しが有利となる。

マンズ部分には一盃口変化などのメリットもあるが、ここはメインの理由に「場況の良さ」を据えて、仲林は選択したのであろう。

これが、

ドンピシャ!

マンズのカンチャンを引き入れてのリーチだ!

仲林のリーチ宣言牌6筒を、

逢川がチー。

南を打って、ピンズの多面待ちテンパイで応戦してくる。

ちなみにピンズの形は、4筒をアンコで抜くと、アタマがない手と考えられるので、

444+2345筒

となるので、2-5筒のノベタン待ち。

また、4筒を2枚取り出して雀頭として使うと、

44+23445筒

になるため、これはリャンメン待ち3-6筒。

合わせて、2356筒待ちだ。

さらに、

「リーチ」

親の東城からも追っかけが入った!

「ツモ」

アガったのは、

仲林だ!

リーチツモピンフ赤裏の2000-4000!

もちろん、手順が違えば仕掛けの有無など展開が変わった可能性はある。

それでもこの局に、タッチの差で先んじてゴール出来たのは、仲林が正確無比な手順を積み上げたからと言えよう。

このアガリが効いて、仲林はトップを獲得。

これで個人3連勝。

波に乗る仲林圭の手順から、

今後も目が離せない。

(C)Mリーグ (C)AbemaTV,Inc.