俳優のリンリンが、TBS系日曜劇場『VIVANT』(毎週日曜21:00~)で演じる敵役、シュウ・ハオラン(周浩然)の役作りや、堺雅人、松坂桃李との共演秘話を明かした。

主人公・乃木憂助(堺雅人)らが所属する「別班」の前に立ちはだかる民間情報組織「シンシー」。その責任者・ハン・リンシン(宮下今日子)の部下として、黒須駿(松坂桃李)らの拉致や拷問に関わるシュウを演じるリンリンは、撮影までの約2週間で体重を約6キロ増やし、スキンヘッドにして眉毛までなくす大胆な役作りに挑んだという。

  • 『VIVANT』シュウ・ハオラン役のリンリン

    『VIVANT』シュウ・ハオラン役のリンリン

眉毛もなくして悪役に変身

普段は会社員として働きながら、中国でも俳優として活動しているリンリン。『VIVANT』第1シーズンは、一視聴者として楽しんでいた。

第1話を見た時は、壮大なスケールに驚いたそうで、「日本のテレビドラマがもう一度大きなことをやり始めたぞ」という“復活の狼煙”のようなものを感じたという。

そんな作品への出演が決まったきっかけは、仕事で仙台に滞在していた時に受けた連絡だった。

「海外で1~2か月撮影する可能性がある」と聞かされたものの、作品名もキャストも明かされていなかった。それでも「これは絶対『VIVANT』だろう」と予感したという。

オーディションを経て出演が決まったリンリンが演じるのは、“中国の別班”ともいえる組織「シンシー」のメンバー・シュウ。

「僕の中では、野心的な上級管理職というイメージです。部下をまとめながら組織のために忠実に動いている。でも、もしかしたらハンのポジションも狙っているかもしれない」と人物像を説明する。

さらに、「シンシーにはシンシーなりの目的や正義がある」と考え、「安っぽい単純な悪にはしたくなかったんです」と役作りの意図を明かした。

その上で、「別班を応援している方にはしっかり『ムカつく』と感じてもらえる人物になればいいな」と、敵役としての役割も意識した。

外見も徹底して作り込んだ。

「衣装がほとんど軍服なので、ある程度体に厚みがないと様にならないかなと。出演が決まってから撮影に入るまで時間が2週間くらいしかなかったので、ラーメンなどの炭水化物をとにかく食べまくって、体重を約6キロ増やしました(笑)。顔もパンパンでしたね」

さらに、オーディション時には長かった髪をスキンヘッドにできないかと相談され、快諾。眉毛もなくし、シュウの強烈なビジュアルが完成した。

堺雅人との共演に感激 松坂桃李には撮影初日にファン告白

現場で共演した堺については、地元が同じ宮崎県という縁もあり、特別な思いがあった。

「堺さんとは地元が宮崎で一緒なんです。そんなレジェンドとまさか共演できるとは思っていなかったので、本当に泣きそうでした!」

撮影現場では堺のほうから話しかけてくれたといい、「僕が何か提案するとすぐに応えてくださったり、質問すれば気さくにアドバイスもくださる。何を投げても平気で返ってくるというか、本当に余裕があって、懐が深い方でした」と感謝。

ただし、カメラが回れば敵同士。「堺さんへのリスペクトはいったん断ち切って、好敵手として真正面から対峙することを意識していました」と語り、「乃木がカカロット(孫悟空)なら、俺はベジータ(いずれも『ドラゴンボール』のキャラクター)だ」くらいの気持ちで挑んだという。

また、ハン役の宮下については、役柄とは対照的に、カメラが回っていない時は柔らかく、ほんわかした印象だったと振り返る。

そして、松坂とはクランクインの日が同じで、最初に撮影したのが黒須を拉致するシーンだった。

「松坂さんはもともと大好きな俳優さんだったので、待ち時間に二人になった時、思わず『ファンだったんです~!』って告白してしまって(笑)」

直後には「初日に何を言っているんだ、俺は」と我に返ったそうで、「しかも相手からしたら、得体の知れない“眉なしスキンヘッド”ですからね(笑)」と笑う。

そんな憧れの松坂との撮影では、黒須の髪を鷲づかみにするなど、敵役として容赦ない行動を取らなければならなかった。

拷問シーンで提案が採用 ようやく感じた現場での信頼

日本の連続ドラマで大きな役を演じる経験がほとんどなかったリンリンにとって、『VIVANT』の撮影現場は驚きの連続だった。

「本当に皆さんNGをほとんど出さないんです。長回しのシーンでも、なかなか止まらない。それに、一つのシーンでもカメラ位置を何度も変えて、ものすごく丁寧に撮っていく」

当初はそれが日本のドラマの一般的な撮影方法なのかと思っていたが、後に共演者から「『VIVANT』は特殊だよ」と教えられたそうだ。

海外ロケでは、ホテルから何時間もかけて撮影場所へ移動することもあった。それでも、映像に徹底してこだわる現場に参加できたことを喜んでいる。

一方、実力派俳優が集まる撮影現場に、序盤は芝居以外の部分でも緊張していたという。

そんな中、黒須を拷問する場面で、リンリンはある提案をした。

「刺したあとなんだから、手には血がついているはず。最後に黒須の顔へべったりつけてもいいですか?」

このアイデアが採用されたことが、転機になった。

「そこから少しずつ『信頼してもらえたのかな』と感じられるようになりました」

オーディションで抜てきされた自身に対し、周囲も不安を抱いていたかもしれないと振り返りながら、「そこでようやく『撮影現場に入れた』という感覚がありました」と語った。

それ以降は余計なことを考えず、芝居に集中できるようになったという。

18日放送の第21話を前に、リンリンは視聴者へ「周はまだ終わっていませんからね。『絶対逃がさねえぞ(笑)』!」とメッセージ。

乃木たちの前に立ちはだかるシュウの存在感は、まだまだ薄れそうにない。

【編集部MEMO】
リンリンは、会社員として働く傍ら、中国でも俳優として活動。TBS系日曜劇場『VIVANT』第2シーズンにオーディションを経て出演し、民間情報組織「シンシー」のメンバー・シュウ・ハオラン(周浩然)を演じる。宮崎県にゆかりがあり、同郷の堺雅人との共演を喜んだ。今作では約6キロの増量やスキンヘッドへの変身など、大胆な役作りに挑んでいる。

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