結婚を意識するようになると、気になり始めるのがお金の問題です。まとまった金額が必要になりそうで、漠然とした不安を覚える人も多いかもしれません。
そこでこの記事では、結婚資金の目安から、貯蓄するための支出の見直し、無理なく続けられる貯蓄・投資の方法までを、わかりやすく解説します。また、結婚を決めたカップルの「結婚費用のための貯金総額」もあわせて紹介しますので、これから資金を貯め始める人もぜひ参考にしてください。
結婚資金はどのくらい必要? 平均額と内訳は
結婚には、挙式や新生活などさまざまな場面でお金がかかります。まず、「ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏」のデータをもとに、その内訳を「婚約・結納」「結婚式」「新婚旅行」「新生活」の4つに分けて見ていきましょう(金額は全国推計値・実施者のうち、金額回答者の平均)。
婚約や結納にかかる費用
まずは、婚約や結納に関する費用についてです。本調査によると、婚約指輪にかかった金額は、平均39万円となっています。また、食事を含めた結納式の費用は平均43万9,000円、食事を含めた両家の顔合わせの費用は平均8万3,000円、婚約指輪など婚約記念品の返礼品の費用は平均14万円です。
ここでは、結納と顔合わせのいずれも行ったと仮定し、婚約指輪やその返礼品も含めて計算すると、総額は約105万円にもなります。ただし、両家の顔合わせのみを行った人の割合は85.9%にのぼり、結納のみ、あるいは顔合わせと両方を行うケースは少数派といえます。
結婚式にかかる費用
結婚関連の費用のなかでも、もっとも大きな比重を占めるのが結婚式です。挙式・披露宴・ウェディングパーティーの総額は、平均343万9,000円にのぼります。挙式料が平均40万円、料理と飲み物の総額が平均106万7,000円、新婦の衣裳総額が平均50万9,000円などとなっており、招待するゲストの人数によってもかかる金額は大きく変わります。
なお、結婚式ではゲストからご祝儀を受け取れます。同調査では、ご祝儀制を取り入れた場合のご祝儀の総額は平均205万6,000円となっており、先ほどの結婚式費用の半分以上をここから補える計算です。さらに、親や親族から資金援助を受けられるケースもあります。
新婚旅行にかかる費用
新婚旅行については、お土産代を除く2人分の旅行費用の平均が61万6,000円、お土産代の平均が8万1,000円で、合計すると約70万円ほどになります。ただし、旅行先や日数、時期によって金額は大きく変わります。新婚旅行を考えている場合は、あらかじめ余裕をもって行き先や時期などを計画しておくと安心です。
新生活にかかる費用
新生活を始めるための費用については、リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」を参考に見ていきましょう。本調査によると、結婚内祝いの費用は平均23万9,000円、インテリア・家具の購入費用は平均26万7,000円、家電製品の購入費用は平均35万9,000円、生命保険・損害保険の保険料は平均9万6,000円でした(実施者のうち、金額回答者の平均)。総額では、約96万円がかかる計算です。
このほか、新居への引っ越し費用も含めると、新生活のスタートに必要なお金はさらに大きくなる可能性があります。
結婚までにいくら貯めている?
ここまで紹介してきた費用をすべて合計すると、結婚にかかる費用の総額は約615万円となります。では実際に、結婚を決めたカップルはどのくらい貯蓄しているものなのでしょうか。前出の「ゼクシィ結婚トレンド調査2024 首都圏」によると、「結婚費用のための夫婦の貯金総額(結婚費用として貯金をしていた人)」の平均は325万8,000円でした。
結婚費用の総額約615万円と比べると少なく感じるかもしれませんが、先ほどもあったとおり、ご祝儀などから費用を補てんできるケースもあります。
また、結婚費用の約615万円は、あくまでこれまで紹介した費用がすべてかかったと仮定した場合の金額です。実際には、挙式のスタイルや新婚旅行の有無などによって総額は大きく変わります。まずは全体像をつかんだうえで、自分たちの自己負担がどのくらいになりそうかを考えていきましょう。
貯蓄を成功させる支出の見直し方
では、結婚に向けて貯蓄を増やすためには、何から始めればいいのでしょうか。まず取り組みたいのが、日々の支出の見直しです。支出は意識すれば今日からでもコントロールでき、特に固定費は、一度見直せば節約効果がずっと続きます。ここでは、無理なく貯蓄体質になるための支出の見直し方を紹介します。
まずは家計の現状を把握する
見直しの第一歩は、お金の流れを「見える化」することです。何にいくら使っているかがわからないままでは、削るべき支出も見えてきません。
まずは1カ月分の支出を書き出し、費目ごとに分類してみましょう。その際、毎月ほぼ一定の支出がある「固定費」と、月によって金額が増減する「変動費」に分けて整理すると、この後の見直しがスムーズになります。手作業が面倒なら、レシート撮影や口座連携に対応した家計簿アプリを使ってみるとよいでしょう。
完璧に記録しようとすると続きませんので、ざっくりと支出の大まかな流れをつかむことを優先しましょう。
効果が大きい「固定費」から見直す
支出を削るときは、毎月自動的に出ていく固定費から手をつけるのが鉄則です。一度見直せば、その節約効果がこの先もずっと続いていきます。
・通信費: 格安SIMへ乗り換えるだけで月々数千円抑えられることも
・保険料: 保障内容が重複していないか、不要な特約が付帯していないか確認
・サブスク: 使っていないのに料金だけ支払い続けている場合は解約
・家賃: 更新のタイミングなどで家計に見合っているか見直しを
食費や娯楽費といった変動費の節約は、ガマンが続かず反動が出やすいもの。まずは、一度の見直しで節約できる固定費から取り組んでみましょう。
無理なく貯蓄を増やす方法
支出を見直して土台が整ったら、次は貯蓄を効率よく積み上げるフェーズです。ポイントは、「仕組み」で貯めること。そして、余裕資金を「増やす」視点を持つことです。ここからは、無理なく貯蓄を育てていく方法を紹介します。
「自動で先取り貯蓄」の仕組みをつくる
支出を見直せても、「余ったら貯金しよう」という考えでは、なかなかお金は貯まりません。そこで、給料が入ったら先に貯蓄分を別口座へ移す「先取り貯蓄」で確実に貯めましょう。はじめに取り分けてしまえば、意志の力に頼らなくても毎月お金が貯まり、貯蓄を気にしながら生活する必要もありません。
これをさらに確実にするなら、自動で貯まる仕組みを取り入れるのがおすすめです。手動での振り替えは、忙しさや気のゆるみでつい後回しになりがちだからです。代表的なのが、銀行の「自動積立定期預金」。毎月決められた日に、指定した額を普通預金から積立用の口座へ自動で移してくれます。
また、勤務先に財形貯蓄制度があれば、給与天引きで貯められるため、はじめから「なかったお金」として扱え、より貯めやすくなります。
目標額から逆算して積み立てる
やみくもに貯めようとしても、貯蓄のモチベーションはなかなか長続きしません。まずは「いつまでに、何のために、いくら貯めるか」というゴールを決めることが大切です。
たとえば、「3年後の結婚までに200万円」と決めれば、必要な月々の積立額が逆算で見えてきます。この場合、単純計算で1カ月あたり約5万5,000円の積立が必要です。金額が大きすぎて難しいと感じたら、目標額を調整したり、期間を延ばしたりして、無理のないペースに整えましょう。
パートナーと一緒に貯めていく
結婚資金は、基本的に2人で貯めるお金です。片方だけが頑張ると不公平感が生まれやすいため、目標の設定から普段の貯蓄まで、パートナーと足並みをそろえて進めることが大切です。
そのためには、貯蓄を始める前に2人でよく話し合いをしておきましょう。挙式・披露宴をどうするか、新婚旅行や新生活にどれだけお金をかけたいかは、人によって考え方が異なります。お互いの希望を出し合って「何にいくらかけるか」のイメージを合せておけば、途中で方針がぶれる心配もありません。
貯め方としておすすめなのは、決めた目標額を2人で分担し、それぞれが自分の口座で貯めていく方法です。毎月の金額を決め、ときどき進み具合を共有すれば、負担が一方に偏ることなく、それぞれのペースで無理なく続けられます。
こうしてお金の価値観をすり合わせておくことは、結婚後の家計を2人で切り盛りしていくうえでも、きっと役立つはずです。
貯めたお金を「増やす」視点を持つ
お金を貯める仕組みが整ったら、一部を投資に回して「増やす」ことも検討してみましょう。上昇傾向にあるとはいえ、預貯金の金利はまだ低い水準にとどまっており、銀行に寝かせておくだけではお金はなかなか増えないからです。
ただし、注意したいのは投資の位置づけです。数年後に使う予定の結婚資金は、値動きのある投資ではなく、預貯金で確実に準備するのが基本です。投資に回すのは、当面使う予定のない余裕資金だけにとどめ、結婚後の将来に向けた資産づくりと考えましょう。
そのうえでその方法としてまず検討したいのが、「NISA(少額投資非課税制度)」です。NISAは、投資で得た利益に通常かかる約20%の税金が非課税になる、個人投資家向けの税制優遇制度です。通常の口座の場合、10万円の利益が出たとしても約2万円が税金として引かれますが、NISA口座ならその利益をまるごと受け取れます。
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、コツコツ積み立てたい人に向くのが、つみたて投資枠です。金融庁が定めた基準を満たす、長期の積立に適した投資信託が対象で、毎月一定額を自動で買い付けていきます。
NISAは少額から始められ、2024年からは非課税で保有できる期間に期限がなくなったため、長い時間をかけて資産を育てるのに向いています。ただし、投資は元本が保証されず、短期的に値下がりすることもあります。あくまで余裕資金の範囲で、無理なく始めることが大切です。
家計の現状把握から始めよう
結婚には一般的に、数百万円単位の大きなお金がかかります。支出を見直して着実に資金を貯め、その先の結婚生活まで見据え、お金と向き合っていきましょう。こうして培った家計管理の力は、結婚後のさまざまな場面で選択肢を広げてくれるはずです。まずは家計の現状を知ることから始めて、2人の未来に向けた一歩を踏み出してみてください。
