またしても“大泉洋劇場”が幕を開けた――10月10日にスタートする日本テレビ系ドラマ『俺たちの箱根駅伝』(毎週土曜21:00~)の第1話完成披露試写会が14日、箱根駅伝のスタート・ゴール地点である東京・大手町の読売新聞東京本社内・よみうり大手町りホール行われ、大泉洋、伊藤沙莉、山下智久、高橋克典、竹中直人、小林虎之介、奥智哉、水沢林太郎、菅生新樹、荒木飛羽、庄司浩平、林裕太が上映前に登壇した。
今月2日に行われた日テレ秋ドラマ3作品の合同制作発表でも、終始笑わせ続けた大泉。この日も共演者のあいさつに次々と割って入り、“理想の上司”の座をめぐって山下へのライバル心を燃やし、若手キャストと口ゲンカを繰り広げた末、最後は箱根駅伝の魅力を一気に語り尽くす圧巻の一人語りを見せた。
山下智久「大泉さんがめっちゃかっこいい」
池井戸潤氏の同名小説を原作に、箱根駅伝に挑む学生ランナーたちと、それを中継するテレビマンたちの戦いを描く今作。大泉は大日テレビの箱根駅伝チーフプロデューサー・徳重亮、山下は明誠学院大学陸上競技部の新監督・甲斐真人を演じる。
大泉は冒頭、「ついに『俺たちの箱根駅伝』を皆さんにいち早く見ていただける日が来た」と喜び、ランナー役のキャストが前年から長期間トレーニングを積んできたことに触れながら、「どのパートも真剣に箱根駅伝というものを皆さんに伝えたく、その面白さを伝えたく、一生懸命頑張らせていただきました」と作品をアピールした。
その直後、早くも“大泉劇場”が始まる。
山下は「第1話、大泉さんがめっちゃかっこいいです」と絶賛。撮影では大泉とそれほど接点がなかったものの、宣伝活動をともにする中で「めっちゃファンになっちゃって」と明かす。
すると、大泉はすかさず「スタッフによると、第1話は本当に(自分が)かっこいいそうです。第2話はもう甲斐に負けますということなんですけど、1話だって甲斐がかっこよかったですよ。主演がこういうことでいいのか」と不満げ。今作の放送を通じて“理想の上司”ランキング1位を本気で狙う男にとって、山下演じる甲斐の存在は、どうにも気になるようだ。
池井戸潤氏の「理想の上司」に伊藤沙莉が笑う
イベントでは、原作者の池井戸氏からメッセージも寄せられた。主人公・徳重について、原作執筆時から大泉の顔が思い浮かんでいたといい、「理想の上司として主人公・徳重を原作以上に演じていただき感謝しかありません」と称賛した。
ところが、大泉は感激するより先に隣の伊藤を注意。「“理想の上司”っていうワードが出たところで、隣で伊藤沙莉が笑ってるんですよ」と追及する。
伊藤が「池井戸さんもいじり始めちゃって(笑)」と笑うと、「いじってるって言うな!」と大泉。めげない伊藤は「目指してますもんね」と重ね、大泉は「目指してるって言うな。結果としてそうなれば……目指してますけど、そういうのって言っちゃダメなんですよ」と、公言することへの危機感をあらわにした。
山下は焼肉&ウインドブレーカー、大泉はパーカー
学生ランナー役のキャストたちとの交流の話になると、再び山下との“上司力対決”が勃発する。
山下は、撮影中に減量していたランナー陣を、撮影終了後に焼肉へ連れて行ったという。役柄上、撮影中はあえて学生役のキャストたちと距離を置いていたそうで、「終わってからみんなで、楽しい時間を過ごさせていただきました」と振り返る。
さらに、ランナー役たちに山下からおそろいのウインドブレーカーをプレゼントしてもらったという話まで飛び出した。
これに対し大泉も、寒さの厳しい芦ノ湖での撮影時、キャスト・スタッフにパーカーをプレゼントしたと主張。しかし、その後の撮影には誰もが不要だったようで、「ついにそのパーカーを現場で見ることはなかった」と、ぼやいた。
“理想の上司”対決で明らかに劣勢の大泉は、ランナー役たちに向かって「君たちさ、何かっつったら学生連合の絆を意識してさ、“テレビ局チームにはあったんですか?”みたいに言うじゃない。山Pは焼肉連れてってくれたとか、そういうこと言うとさ、俺が(伊藤と山田を)連れてってないって話になるから」と対抗心をむき出しに。
そこへ伊藤から「お寿司連れてってください」と、1人4万円ほどするという高級寿司の話まで持ち出されると、「どこの世界で1人4万の寿司にお前ら連れて行けんだよ!」とついに爆発。もはや“理想の上司”の面影は薄くなっていた。
最後は圧巻の“大泉洋一人語り”
こうしているうちに第1話の上映時間が迫ってきたことから、司会の蛯原哲アナから「最後にその思いのままに、皆さんを代表して挨拶を」と振られた大泉は「こんなバラバラな状態で、第1話見てもらうんですか!?」と心配に。
それでも拍手に押されて立ち上がるが、「素晴らしい仲間と撮影した日々は本当に昨日のように思い出されます。我々は一つのチームです……」と言ったところで耐えられなくなり、「お前たちがいけないんだからな!」と、論争の原因をランナー役たちに押し付ける。
続けて、「まあ彼らもなんかそれなりに走ってますよ。まあ見ててください。我々もそれなりにテレビ中継しますから。いいじゃないですか。まあね、面白いドラマになるといいなと思ってます」といじけて投げやりになるが、「こんな挨拶がしたいんじゃない!」と思い直し、声のトーンが一気に変わった。
「もう本当に素晴らしいドラマでございます。私がランナーの皆さんと熱く絡んだことはございませんでしたけども、撮影中のお話はずっと聞いていました。撮影ですし、本当の駅伝のランナーの皆さんほど速く走る必要はないのでという話だったそうですが、結局彼らは練習していくにつれどんどんスピードが上がってしまって、“じゃあこれぐらいのスピードで”って言われたレベルだと逆に走れなくなってしまったそうで、最終的には本当のランナーと同じスピード、もしくはもっと速いぐらいで彼らは走るようになったそうでございます。厳しい食事制限をしながら撮影を頑張ってきたから、甘いお菓子とかがあっも食べられなかったそうです。
池井戸先生が作ってくれた原作をさらに面白くしようと、我々も頑張ってドラマ化しております。もしかしたら箱根駅伝についてそこまでまだよく知られていない人もいるかもしれない。実際、私も今年の1月2日・3日の本選を間近に見せてもらうまで、どうしてこんなにも大学生の駅伝が人気なのか、正直知らなかった。でも、いろんな説明を受けて、いろんなドラマがあるということを知ってみた時に、こんなに面白いのかと。一人の人間が10km走る分には、大体1万mの記録というのはそんなに大きくは変わらないそうなんです。だけど、箱根駅伝は1区間20kmあるわけですね。人間20kmという距離は、今までのタイムと同じようにはならない。だから箱根駅伝は面白いそうです。必ず記録が良かったやつが勝つわけじゃなくて、そこにはメンタルだったり、その日の調子だったり、そういうものでどうしても走れなくなってしまったりして、ドラマが生まれてしまう。多少風邪気味だったり、調子悪くても10kmだったら走れるそうです。でも20kmだとそうはいかない。だから、ここまでずっと頑張ってきたのに、最後の最後で調子を崩して走れなかったり、記録が伸びなかったり、そういうドラマが箱根駅伝には生まれていくわけです。
この我々のドラマにも、そういうドラマがたくさん出てきます。後半の箱根駅伝の本選についても、そこを見てるだけでも楽しい。(学生ランナー役が演じる)学生連合というのはオープン参加ですから、記録がつかないわけですよね。その中でどうやって自分たちのモチベーションを上げていくかというの非常に難しい問題がある。一度は負けて悔しい思いをした彼らがどんどんどんどん強くなっていく。 そういう物語です。
間違いなく日本人が大好きで楽しめる作品だと思います。そしてその中継をするにはどれだけ大変なことがあるのかというのが、僕たちの大日テレビというパートの物語が出てきます。そこにも池井戸先生ならではのサラリーマンの戦いが描かれているわけでございます。本当にどこを取っても面白い作品だと思います。駅伝のレースも面白いですし、サラリーマンたちの戦いも面白い。それぞれ一人一人にドラマのある作品でございます」
先ほどまでバラバラになっていたキャストたちの心を、4分にわたる熱弁で再び一つにした大泉。しかし、真面目な空気感に我慢できなくなってしまったのか――
「どうしても私は人前に出ると、面白くなってしまいますけども、どうか私を嫌いになっても、『俺たちの箱根駅伝』は嫌いにならないでください!」と、前田敦子の名スピーチのパロディで締めくくり、笑いと熱弁を縦横無尽に行き来した“大泉洋劇場”は幕を下ろした。
















