高校生がチームで挑むビジネスアイデアコンテスト「マイナビキャリア甲子園」。8月30日、その新たな大会となる「マイナビキャリア甲子園START」(第1回マイナビキャリア甲子園START IN TOKAI presented by Niterra 日本特殊陶業)が名古屋市のJRゲートタワーカンファレンスで開催された。

マイナビが主催する全国高校生ビジネスアイデアコンテスト「マイナビキャリア甲子園」から生まれ、地域の企業や課題に焦点を当てた本大会。会場に集ったファイナリスト6チームがプレゼンを行い、愛知県立岡崎工科高等学校の4人組チームが初代優勝の座に輝いた。

今年から新たに始まった「マイナビキャリア甲子園START」

「マイナビキャリア甲子園」は、全国の高校生がチームを組み、企業が出題するテーマに挑むビジネスアイデアコンテスト型の探究学習プログラム。今年で13年目を迎え、第12回大会には全国3,151チーム・1万1,668名が参加し、これまで延べ7万人を超える高校生たちが挑戦してきた。

今年から新たに始まった「マイナビキャリア甲子園START」では、高校生が地元の未来について考え、地域の課題解決につながるビジネスアイデアを提案する。

初年度となる今年は東海エリアと九州エリアの2地域での開催となり、「マイナビキャリア甲子園START」東海大会は「地元企業のこれまでの取り組みを参考に、地域課題を解決するビジネスモデルを考えよ!」というテーマが設定された。

東海大会では日本特殊陶業、エヌ・エス・コミュニケーションズ、やる気スイッチグループの3社が高校生たちの挑戦をサポート。地域企業が抱える課題や取り組みを学ぶ、マイナビの探究学習プログラム「Locus(ローカス)」を元にした教材で、本大会にエントリーした高校生たちは課題解決のヒントを学びながら地元への理解を深めてきたという。

審査員は、日本特殊陶業 上席執行役員 ビジネスオペレーション本部長の山口智弘氏、中央大学 客員研究員/トイトイ合同会社 代表の永島寛之氏、TBSホールディングス エデュテインメント事業センター 学びネクスト事業部長の古川愛氏、マイナビ 執行役員 経営企画本部 本部長の森一磨氏の4名。

冒頭、マイナビ 取締役副社長の渋沢喜一郎氏は、「私自身8年間、名古屋で仕事をしてきましたが、東海には世界に繋がる技術を持った企業がたくさんあります。一方で、人口減少や若者の県外流出といった、他の地方と共通した課題もあります。だからこそ地域で育った皆さんの目線で未来のことを考えていただくことは、非常に意味があると思っています」と挨拶した。

また、日本特殊陶業の山口氏は「当社は愛知県名古屋市で創業し、今年で90周年を迎えます。世界シェアNo.1の『NGKスパークプラグ』をはじめ、自動車部品や半導体部品などを手がける総合セラミックスメーカーです」と紹介。

「世界的な電気自動車の台頭を受けて、社内でも日々新しいビジネスを検討する会議が開かれています。今日は皆さんが一生懸命考えたビジネスプランを聞くことをとても楽しみにしてきました」と、エールを送った。

審査員が語る「実際に現場へ足を運ぶ大切さ」

見事、東海大会の決勝に進出したのは、愛知県立豊橋商業高等学校、愛知県立岡崎工科高等学校、愛知県立豊明高等学校の生徒で構成された6チーム。

各チームの持ち時間はプレゼン10分、質疑応答5分の計15分で、プレゼンと質疑応答の内容を踏まえ、各審査員が一次評価として7つの評価項目をそれぞれ10点満点(合計70点満点)で採点する。

全チームのプレゼン終了後、審査員は別室で二次評価=総合印象評価を協議。一次評価に加えて二次評価では0~20点を付与し、最終的に360点満点で準優勝と優勝のチームを決定する。

愛知県立豊明高等学校のチーム「LINK」は、学校の枠を超えて、中学生と地域移行後の部活動をマッチングする新しい部活動プラットフォームを提案。一次評価202点、二次評価55点の合計257点で見事、準優勝を勝ち取った。

同チームは豊明市の中学生55名に「部活動に入らない理由」を聞いたアンケートを行ったところ、「学校にその活動がないから」という理由が最多に。2026年9月から、休日の部活動を民間事業者への委託によって地域展開する予定であること、既存の部活動は継続されるものの、活動内容自体は変わらないことを、豊明市の担当者に直接ヒアリングしたという。

同じ豊明市内でも通う学校によって部活動の選択肢に大きな差があることもデータで提示しながら、「仲間を集め、指導者を探し、活動そのものをつくる」サービスを設計した。

一次評価215点、二次評価75点(合計290点)を獲得し、初代優勝の栄冠に輝いたのは、愛知県立岡崎工科高等学校の「ジョーじぃs」。

同校ではキャリア教育の一環で2年次の夏休み期間にインターンシップを実施しており、その訪問先で同チームのメンバーは毎日大量の化粧品容器を廃棄せざるを得ない企業の課題を知ったという。

そこでアップサイクルのアイデアを出し合い、廃棄容器を使った「人工いくらをつくる原理を応用したオブジェ作り」を考案。具体的なビジネスプランとして小学校向けの「科学オブジェ制作キット」を販売し、探究学習と結びつける構想を発表した。

海外からの短期留学生や中学生、保護者向けに体験会も実施し、実現可能性の検証などを行ったところ、評判も上々だったという。1年目に岡崎市内の小学校の10%への導入を目指し、段階的に拡大。5年目以降は県外への展開も想定した事業計画を練った。

結果発表を前に行われた審査員講評で、TBSホールディングスの古川氏は、「テレビ番組の制作も最初に自分の課題や問いを立てて取材することが多いのですが、皆さんの生活実感から生まれたアイデアばかりで、どのチームも非常に良い感性を持っているなと感じました。その上で資料を読むだけではなく、実際に現場へ足を運び、自分の目で見てきた経験のあるチームは、やっぱり非常に強かったという印象もあります」とコメント。

結果発表後に紹介された受賞理由では、ビジネス性に改善の余地があるとの指摘があった一方、全国展開の可能性や、デモを交えたプレゼンが評価されたことが明かされた。

副賞として準優勝チームには図書カード5万円分、優勝チームには旅行券20万円分が贈られた。大会の様子は後日、CBCテレビで特別番組として放送される予定だ。