「第12回マイナビキャリア甲子園」Breakthrough部門で優勝した高校生チーム「ノーサイド」のメンバーらが4月27日、ミツカン東京支店を訪問した。
決勝大会で提案した納豆スナック「サクまめ」をテーマに、プレゼンテーションの再演や経営陣・開発担当者との意見交換を行ったほか、アイデアをもとにした試作品を試食するなど、「サクまめ」構想の具体化に向けて建設的な議論が交わされた。
チーム「ノーサイド」がプレゼンを再演
ミツカン代表チーム「ノーサイド」はRugby School Japanと早稲田高等学校に通う生徒らで構成された3人組。「第12回マイナビキャリア甲子園」ではBreakthrough部門で優勝と視聴者賞のダブル受賞を果たした。
この日はまず、ノーサイドが決勝大会で披露したプレゼンテーションをミツカン役員の前で再演。「ミツカンのMissionである“やがて、いのちに変わるもの。”の視点から、若年層に共感される食体験を起点とした未来のミツカンビジネスを創造せよ」というテーマに対し、ノーサイドは納豆をスナック化した新製品「サクまめ」を提案した。
背景には、現代の高校生が抱える「新型栄養失調」という社会課題がある。ノーサイドが実施した調査によれば、高校生は塾の前後などの「魔のスキマ時間」に高糖質・高脂質なお菓子を食べやすい傾向があり、カロリーは足りているものの、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足しているという実態がある。
この解決策としてノーサイドは、高い栄養価を持つ納豆に着目。ねばねば食感を排し、お菓子感覚で食べられるスナックとして再定義したのが「サクまめ」だ。ミツカン独自の臭わない納豆菌「N64菌」や、タレを粉末化する技術を活用し、納豆をいつでもどこでも食べられるようにするというアイデアである。
全国の高校生のわずか5%が「サクまめ」を習慣的に食べるだけで、年間35億円の売上が見込めるとノーサイドは試算。また、将来的には海外市場へ展開し、各国の好みに合わせたローカライズを行うといったビジョンも語られた。
ノーサイドのプレゼンを受けたミツカン CEOの槇亮次氏は、35億円という試算について「もっといく可能性がある」と高評価。「サクサクした食感は日本だけでなく、アジアでも好まれると思いますし、非常にいいアイデアだと思いました」と絶賛した。
内務組織長の杉本達哉氏も、「ミツカンを世界に広げていくフックとしてすごくいい商品、ビジネスモデルじゃないか」と称賛。COOの佐藤武氏は「部下の報告を聞くとき以上に真剣にメモを取った」と笑いを交えつつ、「新型栄養失調というキーワードは、消費者が『買わなきゃ』と思う動機になるし、非常に面白いと思いました」と感想を口にした。
役員らのコメントを受け、ノーサイドの小泉さんは、「『サクまめ』はまだ販売されていませんが、本当に愛着のある製品です。今後もさらにいい製品にしていきたいと思いますので、今後もよろしくお願いします」と謝意を口にした。
安田さんも「プレゼンさせていただく機会を与えていただきありがとうございます。『サクまめ』がコンビニで買える日がきたら嬉しいなと思ってます」と製品化をアピールし、倉片さんは「サクまめ」の味をさらにブラッシュアップすべく、「食品のプロであるミツカンの社員さんたちに『どのような味が好みか』というアンケートを取っていただけたら、もっと力になるかと思います」と訴えた。
ミツカン開発チームが「サクまめ」プロトタイプを披露
経営陣との懇親会後は、ノーサイドのメンバーらに嬉しいサプライズが。なんと、ミツカンの納豆開発チームが「サクまめ」のアイデアをもとに、4種類ものプロトタイプ(試作品)を制作していたのである。「ノーサイドの提案に応えるため、ミツカンの技術チームを総動員して作ってきました」と開発担当者らは笑顔を浮かべた。
用意された「サクまめ」の試作品は、ノーサイドの提案を忠実に再現したフリーズドライ納豆のほか、ひよこ豆を納豆菌と麹菌でダブル発酵させた「ひよこ豆Ver.」、黄えんどう豆のパフと納豆を混ぜたクランチタイプの「パフVer.」、さらにクッキー生地に練り込んだ「クッキーVer.」など、何種類にもわたった。
実際に試食したノーサイドのメンバーたちは、「めっちゃ美味しい」「自分たちが家で作ってみたものとは完成度が全く違う」「ひよこ豆は自然な甘みがあって、これなら誰でも食べやすい」と感動の気持ちを表現。「一番製造コストがかかったのはどれですか?」「納豆のネバネバを用いて吸着させてるんですか?」など、興味津々な様子で質問を投げかけた。
ノーサイドとミツカン開発チームは、「サクまめ」の味付けについても意見を交換。チーズ胡椒味やわさび味、トマト味、そして味ぽん味も用意され、メンバーたちは自ら「サクまめ」とパウダーをシャカシャカと混ぜ合わせた。「チーズとトマトを合わせるとピザっぽくなりそう」と新たな組み合わせを発見し、「わさび味は大人も好きになると思う」とターゲット層の広がりを実感していた。
「サクまめ」はまだ構想段階だが、商品としての輪郭は着実に見え始めている。高校生の発想と企業の技術が掛け合わさることで、このアイデアがどのように形になっていくのか。今後の展開にも注目したい。














