大阪府教育庁の「府立学校産学官共創教育モデル事業」を推進する「OSAKA共創LAB」が始動した。大阪・関西万博を契機に誕生した本プロジェクトでは、府内の高校生約90名が学校の枠を超えて集まり、AIや未来のまち、医療といった6つのテーマのもと、企業や大学と関わりながら、3年間の活動を通じて、未来社会をより豊かにする製品やサービスなどの社会実装を目指す。

なお、「OSAKA共創LAB」は大阪府が実施するもので、運営については、マイナビ、デジタル・ナレッジ、ファイアープレイスで構成する共同企業体が受託・担当する。

今回は、8月4日に「大阪公立大学 I-site なんば」(大阪市浪速区)にて開催されたキックオフイベントの模様をレポートする。

撮影した写真をもとに、自分の「気になる」を深掘り

会場に到着すると、受付には長い列ができ、すでに熱気に包まれていた。受付でくじを引き、ランダムでグループ分け。初対面同士、すぐに打ち解けて会話をしているグループもあれば、緊張の面持ちで静かに開幕を待っているグループもあった。

オープニングでは、担当者が「今後どういったテーマに取り組んでいきたいのか、言語化してほしい」と呼びかけた。2027年2月の成果発表に向けた挑戦の第一歩として、キックオフイベントにふさわしいゴールだ。

ワークに入る前には、アイスブレイクの時間が設けられた。趣味や「海外旅行に行くなら?」などの質問に対し、4つの選択肢の場所に移動する「4つ角クエスチョン」を実施。

同じ選択肢を選んだ参加者の中で、さらに3~4人の小グループに分かれ、それぞれ自己紹介や選択肢を選んだ理由、今日楽しみなことを順に話すと、会場は一気に盛り上がり、緊張していた学生たちの表情も自然と和らいでいった。

最初に行われたワークは「興味・関心ワーク」。学生自身が事前に撮影した写真をもとに、自分の「気になる」を深掘りしていく。花や風景、スイーツ、愛猫、雑貨など、さまざまな写真がずらりと並んだ。

写真を撮影した理由を掘り下げながら、普段感じている課題について説明する学生がいる一方で、他人の考えを聞いて「なるほど」と気づきを得た様子の学生も。

意見交換することで関心が深まったり、新たな興味が広がったりしているのが印象的だった。そして、今の自分が最も関心を持っていることと、その理由を整理し、基調講演に移った。

基調講演では、社会実装を支援している企業の社員が登壇。「『あったらいいのに』を解決しようとすることから生まれる価値は必ずあり、社会は動かせる。アンテナを高く張って、いろいろな疑問を持ち、周りの人たちを巻き込んでほしい」と、メッセージを送った。

高校生が「つくりたい」未来社会は、希望に満ちていた

最後に行われた「テーマ検討ワーク」では、この日のゴールとして設定された「私は○○を通して、△△な社会を実現したい」について各自が考えることに。

まずはグループで発表し、その後は「OSAKA共創LAB」が掲げる「【1】未来の暮らしをもっと楽しく、もっと便利にする“新しいモノ”をつくる」「【2】人が集まり、つながり、また来たくなる“未来のまち”をつくる」「【3】地域の魅力を未来へつなぎ、新しい価値に変えていく仕組みをつくる」「【4】AIとともに、これまでにないワクワクする未来の暮らしをつくる」「【5】誰もが安心して、自分らしく生きられる未来の医療をつくる」「【6】人やモノの流れが変わる、新しい社会のしくみをつくる」の6つのテーマに分かれ、共有し合った。

「小・中・高の金融教育を通して、みんながお金の知識を持つ社会にしたい」
「化学・物理を通して、エネルギーに困らない社会にしたい」
「メディアやビジネスを通して、伝統文化が現代と融合しながら継承される社会にしたい」
「まちづくりとAI・ITの連携を通して、遠くの人とつながって協働可能な社会にしたい」
「科学技術を通して、すべての生命体が生きていきやすい世界を創りたい」

高校生たちが熱く語った『つくりたい』未来社会は、どれも夢があり、希望に満ちていた。「OSAKA共創LAB」は、今回のキックオフイベントを皮切りにこれからも続いていく。最終的にどのような製品やサービスが社会実装されるのか、楽しみでならない。