マイナビは9月6日、高校生向けビジネスアイデアコンテスト「マイナビキャリア甲子園START in KYUSHU」の決勝大会を開催した。
「マイナビキャリア甲子園START」は、同社が2014年から開催する「マイナビキャリア甲子園」から新たに誕生した大会。高校生が地域の企業や課題について学び、地元の未来につながるビジネスアイデアを提案するもので、初年度は東海・九州の2地域で開催された。
九州大会の決勝には、書類審査と動画審査を勝ち抜いた6チームが出場。「地元企業のこれまでの取り組みを参考に、地域課題を解決するビジネスモデルを考えよ!」をテーマに、それぞれのアイデアを披露した。
審査では、「情報収集力」「テーマ分析力」「実現可能性」「持続可能性」「社会的影響力」「新規創造性」「教材理解」の7項目による一次評価と、審議後の総合印象評価を実施。藏裕介氏(株式会社麻生)、佐藤浩章氏(東京大学)、古川愛氏(TBSホールディングス)、小甲大輔氏(マイナビ)が審査員を務めた。
在来野菜、カメムシ、子ども食堂も ― 高校生が考えた6つの地域課題解決策
トップバッターの「キャットフライサイザー」(福岡市立福岡西陵高等学校)は、在来野菜の種を販売するカプセルトイ「タネトイ」を提案した。三池高菜やかつお菜、芥屋かぶなど、地域で受け継がれてきた在来野菜の知名度が低いことに着目。「何が出るか」という楽しさを加え、野菜に関心のなかった層との接点をつくる。
カプセルには、種のほか、育て方を記した「ミッションカード」と野菜からの「手紙」を同梱。ルルアークが運営する「ガチャガチャの森」の九州店舗から始め、将来的には全国や教育市場への展開を目指す。
「スプリングリンク」(福岡工業大学附属城東高等学校)は、果樹農家を悩ませるカメムシ被害に着目。麻生グループが企画・運営し、学生が農作業を支援する「麻生アグリチャレンジプログラム」を提案した。専門的な防除は農家とJAが担い、学生が周辺作業を支えることで、農業の人手不足とカメムシ被害の軽減を目指す。
「すんどぅ部」(大分県立大分上野丘高等学校)は、車を介して若者と高齢者をつなぐ「てんむす」を提案した。免許を返納したい高齢者と、価格面から車を所有しにくい若者の双方を支援し、「疑似孫」のような関係を築くプランだ。
高齢者が提供した車を若者に月額で貸し出し、若者は買い物代行などの生活支援を担う。高齢者からの依頼をアプリで公開し、対応した若者にはポイントを付与。麻生グループや大分バスとの連携を想定している。
「Nofear」(鹿児島実業高等学校)は、登下校時の見守り活動を支える「未来子ども安全基金」を提案。地域住民・学校・行政をつなぐ「地域安全コーディネーター」を配置し、危険箇所や見守り隊の欠員に対応することで、活動を継続できる仕組みを目指す。
「under the tree」(福岡工業大学附属城東高等学校)は、スーパーASOから子ども食堂へ廃棄予定の食材を提供し、店舗に寄付BOXを設置する地域循環モデルを提案。子ども食堂を家や学校に次ぐ「第三の居場所」とし、筑豊地域の子どもたちを支えることを目指す。
「4's」(福岡工業大学附属城東高等学校)は、老朽化した下水道管による道路陥没を防ぐ「インフラドック」を提案。ドローンやセンサーによる調査、AIによるリスク分析、エアモルタルによる補修を組み合わせ、飯塚市をモデルに予防保全の仕組みを構築する。
車を介して世代をつなぐ提案が優勝
6チームのプレゼンと審査を終え、結果発表に先立って審査員から出場者へねぎらいやアドバイスが送られた。準優勝には、「キャットフライサイザー」(福岡市立福岡西陵高等学校)が選ばれた。若い世代ならではの柔軟な発想やアイデア性が高く評価されたほか、単なる提案に留まらず、ソリューションの中に教育的な観点が入れられているところも評価ポイントになったという。
そして、見事優勝を勝ち取ったのは「すんどぅ部」。自分自身の課題意識を自身のものとしてしっかりと捉え、それを地域全体の課題に広げている点が評価されたほか、丁寧な情報収集や声を拾っているところもプラスとして評価。また、昨年「マイナビキャリア甲子園」に出場した経験も活かされ、プレゼン力や質疑の受け答えなども総合力として高く評価されての優勝となった。
なお、優勝チームにはトロフィーと旅行券20万円分、準優勝チームにはトロフィーと図書カード5万円分などが贈られた。




