「我慢することは苦ではないんです」――。モデル、タレント、プロ雀士、Mリーガーに加え、「国士無双LOVE」で歌手デビューを飾った岡田紗佳。いくつものフィールドで第一線を走り続ける彼女の強さは、かつて教え込まれた「我慢」から生まれていた。
中国で祖母と暮らした幼少期は、決して恵まれた環境ではなかった。節約を徹底する生活の中で育ち、言葉が通じず誰とも話せない経験もした。しかし、当時の日々を「全部つながっている」と振り返る岡田。モデル時代の過酷な撮影も、プロ雀士として耐え続ける対局も、その原点には、あの日に培われた忍耐力があった。
フォトエッセイ『おかぴーす! 今日も私は運がいい』(KADOKAWA)の刊行から約2年。今も変わらない「努力することを諦めたくない」という信念、ゲームで心を整える現実逃避、人間関係との向き合い方、そして仕事に迷った時の考え方まで。岡田紗佳を形作る原点を探った――。
『おかぴーす!』刊行から2年「ベースは変わっていない」
――2024年に出版したフォトエッセイ『おかぴーす! 今日も私は運がいい』を読ませていただいたのですが、ターニングポイントや普段は語られることのないプライベートのエピソードなど、大変興味深い内容でした。岡田さんにとってどのような一冊ですか?
みなさんの知らない私が、たくさん詰まっている本です。最近は、私自身も長い文章を読むことがあまりなくなったので、読みやすい本にしたいとずっと思っていました。
――刊行から約2年が経ちました。当時と今でご自身に変化はありますか?
ベースはあまり変わっていないと思います。改めて読んでみたら、違うところもあるかもしれないですけど。
――本では、おばあさんと暮らした幼少期についてもつづられています。当時の経験は、現在のご自身にどのようにつながっていますか?
祖母はかなりの節約家でした。トイレットペーパーも「2枚まで」と言われたり、電気のつけっぱなしは絶対に駄目、水も一回ずつ止めなさいと言われたりしていました。だから今、それを全部やらないことが気持ちいいんです(笑)。冷房をガンガンつけて涼しくするとか、そんなことが大人になって一番のぜいたくだなと感じます。アイスも2、3個買ったりとか(笑)。
――大人になっての反動は自分もすごく感じます(笑)。厳しい環境から得たものもありますか?
我慢することが苦ではなくなりました。子どもの時にできていたのに、大人になってできなくなるのはおかしいですから。モデルやグラビアの撮影は、ものすごく寒い時に薄着をしたり、暑い時に厚着をしたりします。でも、それは全然苦ではなかったです。特にモデル時代は、編集の方から「よく我慢できるね」と驚かれることもありました。
「我慢しかしていない」幼少期の経験がモデル、麻雀にも
――プロ雀士にとっても、忍耐力は求められそうですね。
我慢しかしていないですね。4分の3ぐらいはずっと我慢。ほとんど我慢です。一局を通して、我慢しかできずに終わることもあります。他の人の攻撃が激しくて、守りに入ったまま終わることもありますから。
――幼少期の経験が、現在の仕事にも生きているのですね。
本当に、子どもの時にいろいろ経験しておいて良かったと思います。中国で暮らしていた頃は言葉が分からず、誰とも話せなかったこともありました。いろいろな経験ができたことで、勉強も進んでできるようになりましたし、青学に入れたことも大きいです。青学に入っていなかったら、たぶんスカウトもされていなかった。そう考えると、全部つながっていますね。
――厳しい環境の中で、道から外れたくなることはなかったのですか?
外れられなかったんじゃないですか。厳しかったので、それすら許されなかった。その影響で、変な癖も染みついています。カウントダウンされるのが、すごく嫌いなんです。「3、2、1」と言われると、絶対に何かをしなければならない気持ちになるので(笑)。幼い頃は、「何秒以内に片付けなさい」と家でカウントダウンばかりされていました。時間も10分単位で決められて、「あと1分」と言われるような感じでした。その影響なのか、もたもたしている人を見るのはすごく嫌ですね。
――本では「好きよりも嫌いが原動力」と語っていましたね。現在の原動力は何ですか?
「負けたくない」に近いです。サボらずにやっていきたいですし、怠けたくない。徐々に人にお願いできる立場にもなってきましたが、自分でできることは全部、自分でやっていきたい。麻雀に限らず、努力することを諦めたくないですから。経験を重ねると、サボる方法をどんどん覚えていくと思うので、何事もサボらずにやっていきたいです。




