1,000円でも、ポイントでもいい。投資の始め方に決まりはない
——SNSでは「1,000円くらいの少額投資は意味がない」という声も見かけます。ちょる子さんはこれについてどう思われますか?
やってみることが一番大事なので、全然いいと思いますよ。もちろん、1,000円が10倍になったところで人生は変わりません。それでも、実際に買って初めて「増えた」「減った」が分かります。そこで成功体験を積めたら、少しずつ増額していけばいいじゃないですか。
私はめちゃくちゃケチなので、そもそも1,000円をバカにできないんですよ。1,000円でも、10%増えれば100円。たった100円と思うかもしれませんが、100円あれば水が買えますよね。100円をバカにする人は、100円に泣くと思っています。少額投資をバカにする声もありますが、そういう方はお金の重みを軽んじているだけなので、気にしないで大丈夫です。
——それでも、最初の一歩が怖い人はどうすればいいのでしょう。
今はポイントを使った投資もできるので、まずはそこからやってみたらいいと思います。ポイントなら、なくなっても痛くも痒くもないじゃないですか。
やっぱり、一生懸命働いた10万円、20万円が減っていくのは、普通にすごく辛いと思うんですよ。私だって嫌ですもん。だから「ポイントならいいか」と思えるところから、投資に対するハードルを自分のなかで少しずつ下げていけばいいと思います。
——SNSには「この株が熱い」という情報が毎日流れてきます。何を信じればいいのでしょうか?
人の意見は私も含め全部ノイズだと思っています。信じるならファクトだけ。もし、SNSで見るなら経済の指標です。例えば、FX系のアカウントをフォローしておくと、指標が出たときに「雇用統計がどうだった」といった情報が流れてきて、速報性が高いんですよ。 ニュースなら、日経新聞やブルームバーグ、ロイターのように主に一次情報を扱う経済ニュース専門のメディアがおすすめです。
——逆に、やめたほうがいいことはありますか?
人の真似です。その人と自分とでは、投資に使える金額も、いつまでに増やしたいかも違いますから、同じ動きをしても同じ結果になるとは限りません。発信している人は、私も含めてポジショントークをしています。だから、それを見て自分がどう思うかを大事にしてください。
あと、「自分にはわからないから」と思考を放棄するのも避けたほうがよいと思います。冷たく聞こえるかもしれませんが、株式市場は初心者だからといって忖度してくれるわけではありません。特に個別株はプロと戦うことになるので、自信がないうちはインデックス投資以外は、おすすめしません。
「自分が一番の投資先」失敗しないための、時間とお金の置き方
——ちょる子さんから見て、投資初心者がやってしまいがちな失敗を教えてください。
「乗り遅れるぞ」という気持ちで、盛り上がっている株に飛びついてしまうことです。こういうことは定期的に起こりますが、特に規模の小さい会社の株で頻発しています。会社が小さいと株価も動かしやすいので、SNSで意図的に盛り上げて、株価を操作しようとしている人もいるんです。だから、盛り上がっているから買う、というのは正直勧めません。
——ちょる子さんは、育休中に株式投資で資産1億円を築かれたそうですが、働きながらなど、忙しいなかで投資を続けるには、どのように時間を使えばよいのでしょうか?
まず、投資のゴールを決めることが大切です。1年で倍にしたい人と、20年後に2,000万円ほしい人とでは、取るべきリスクがまったく違います。
老後に向けてこつこつ増やしたいと考えるなら、インデックスの積み立てで十分です。一度設定してしまえば、毎日値動きを気にする必要はありません。
一方で、個別株をやりたいなら、毎日10分でいいので振り返りの時間は取ったほうがいいです。チャートを見るでも、ニュースを見るでも、その日に何があったかを確認する。それだけで違ってきます。
——投資をしていることは、家族に話したほうがいいのでしょうか?
話したほうがいいと思います。私も夫に、「株をやろうと思う」と決意表明のような形で伝えました。そうすると、「毎月これだけは投資に回したいから、その分の支出は見直そう」のように節約につながる会話がしやすくなりました。ライフプランや保険の話は絶対にすると思うので、その延長で伝えておくのがスムーズです。
——年代別に気をつけるべきことがあれば教えてください。
50代、60代の方は、退職金を一括投資しないことですね。まとまったお金を一度に入れてしまうと、減ったときに取り返すのが本当に大変なので、まずはご自身がリスクの取れる金額から始めてほしいです。
20代、30代の方は、まず生活費の防衛ですね。数か月分の生活費は現金で持っておいて、それとは別のお金で投資をする。その上で、人生はお金がすべてではないので、楽しいことにもちゃんとお金を使ったほうがいいと思います。
——少し投資の話から離れますが、ちょる子さんは著書で「副業より本業にフォーカスすべき」と書かれていますね。
「副業をしてはいけない」という話ではないんです。ただ、本業でしっかり結果を出して「自分は何ができる人間か」を言えるようになるほうが先だと思っていて。
私はもともと外資系の製薬会社にいて、そこからスタートアップに移りました。前職の看板を下ろしたとき、「じゃあ、あなたは何ができるの」と問われるわけです。そこで答えられるものがあるかどうかだな、と。
どの分野でもいいので、上位1%のものを3つ掛け合わせれば、唯一無二の人になれます。そこで成果を出せば、「私はこういうことをやってきました。次はいくら出しますか」と交渉もできる。そうやって自分の市場価値を高めていくのが、一番大事だと思っています。
——最後に、これから投資を始める人へメッセージをお願いします。
投資を始めたいという思いがあるならば、少額から始めてみることをおすすめします。ただ、お金はあくまでツールで、増やすこと自体が目的ではありません。だからこそ、自分が一番の投資先だということも忘れないでいてほしいです。



