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放送が始まった後にも、作品は変化している。

初回放送後、SNSではGACKTの低く抑えたセリフ回しについて、「声が聞き取りにくい」という意見が寄せられた。GACKT自身もXでこの反響に触れ、調査した結果、自身の声が持つ周波数が生活音などと干渉しやすいことが分かったと説明している。

これを受け、その後の放送では音声に調整が施された。しかも視聴者から指摘が届いた時点で、次の放送分(第2話)の映像はすでに納品済みだったという。

牧野Pは「全部作業をもう一回やり直しました」と明かし、「見ていただいている視聴者の方にご不便をおかけしているなら、すぐに対応すべきと判断しました」と振り返る。

放送して終わりではなく、視聴者の反応を受けながら柔軟に作品をアップデートする。その姿勢は、本編だけにとどまらない。

SNSを使った宣伝などでも、現場のスタッフからさまざまなアイデアが寄せられているという。

「餅は餅屋というか、それぞれ専門のスタッフがいるから」と、それぞれのプロフェッショナルに任せることを重視。

「現場でいろいろなアイデアを出してもらって、僕は『それ、面白いじゃん!』とジャッジする。そういうアイデアが出てこないと始まらないですから。現場から上がってきたいいアイデアはどんどん吸収して、何でもやってみようという感じですね」

企画を組み立て、人を配置し、それぞれのプロフェッショナルに託す。そして、視聴者から反応が返ってくれば、完成したものにさえ柔軟に手を加える。

緻密に“設計”しながら、その図面には固執しない。そんな牧野Pのドラマ作りが、放送中も変化を続ける『ブラックトリック』を支えている。

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●牧野正
1967年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、92年にフジテレビジョン入社。これまで、『スタアの恋』『プライド』『エンジン』『HERO』シリーズ、『ガリレオ』シリーズ、『任侠ヘルパー』『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』『独身貴族』など、多くの連続ドラマをプロデュース。映画でも『HERO』『容疑者Xの献身』などにプロデューサーとして参加している。