――劇中、カコ(長谷川)がはっきりしないヨシオ(斎藤)に詰め寄る場面もありますが、お二人は恋愛において言葉で伝えることは大事だと思いますか?
リリー:なんかさ、男の人って、なるべくありきたりなセリフを言いたくないところがあるんですよね。
長谷川:でも女性は言わせたいんですよ。
リリー:そうなんですよ。だから結局、ベタなことを言う男に持っていかれがちなんですよね(笑)
長谷川:そうなんです。ベタなことを言う人って、大概どうなのかなって思うところもあるんですけど(笑)、言われるとうれしい。
リリー:やっぱり、それが分かっていても言われるとうれしいんですよね。女心は複雑ですよね。
これ、うちの親父も死ぬ前に遺言みたいに言っていたんですけど、「1+1が2なんて当たり前のことを言うのもバカらしいと思ってたけど、女には言わな分からん」って。
長谷川:深いですね。
リリー:「1+1=2だよ」って言わなきゃいけないんですよ。男からすると「そんな当たり前のことを言う必要ある?」と思うんだけど、女性はそこを聞きたいんですよね。
長谷川:でも「1+1は2じゃないんだよ」っていう美学も、男性側にはありますよね。
リリー:そうそう。
長谷川:女性からすると「はいはい」って感じなんですけど(笑)。本当は、「この人も1+1=2って分かっているんだけど、あえて『1+1=4』って言ってるんだな」って、もっと俯瞰して見られたらいいんでしょうね。
「愛してる」は“一生に一度”の言葉?
リリー:そうなんですよ。だから「愛してる」って言葉も同じで。日本における「愛してる」って、ものすごく特別な言葉じゃないですか。そもそも日本には、もともと今みたいな直接的な言い回しはなかったわけで。「I LOVE YOU」の日本語訳として「愛してる」という言葉が入ってきて、それがいつの間にか最上級の表現になった。本来は「一生に一度言うか言わないか」くらいの言葉だと思うんですよね。
長谷川:うんうん。
リリー:でも、頻繁に言っている人もいる。男から見ると、「そんなに言うか!?」って思っちゃうんだけど、女性はやっぱり、その「愛してる」に弱いんですよね。
長谷川:海外のドラマを観ていると、向こうの人って、正式に付き合う前の段階では、何人とデートしていても別に問題ないじゃないですか。でも「この人」と決めた時には、ちゃんと言葉にする。
そして、恋が深まったタイミングで男性が「I LOVE YOU」と言う。その瞬間を女性は待っているんだと思います。「ついに言ってくれた!」って。
リリー:でも日本人って、大人になると、言葉より先に行為が来ることが多いですよね。好きとか愛してるって言う前に、もうすでに関係が始まっていて。「俺たち付き合ってるよね?」みたいになる。
長谷川:確かに。
リリー:本当は、大人になっても言葉から始まる恋愛の方がいいのかなって思ったり。
長谷川:でも「愛してる」に関して言えば、2人の仲が深まった先にあるひとつのゴールというか。「愛してる」と言ってもらえる関係になったんだ、ということだと思うんです。最初から「愛してる」と言われたら、私はちょっと引いちゃいます(笑)
大人の恋は言葉か、キスか 「付き合ってください」が言えない問題
リリー:でも例えば、デートだけしている関係で、「付き合ってください」という言葉って、大人になるとなかなか出てこないじゃないですか。そうなると、やっぱりキスが先になったりする。
長谷川:うん。
リリー:でも、それって拒絶される場合もあるわけじゃないですか。
長谷川:「ちょっとちょっと! まだ私たち付き合ってないから」って。
リリー:でも、そのキスをしようとしている行為って、「付き合ってください」に近いものでもあるわけじゃないですか。「付き合ってください」って、いきなり食事のあとに言うのも、なんか青春っぽい感じになるし(笑)
長谷川:「ちょっとちょっと!」って口では言っても……っていう場合もあるじゃないですか。
リリー:本当ですか?
長谷川:とりあえず抗わないといけないというか。でも、それは単純に「まだ早い」ということなんじゃないですかね。気持ちはあるけど、まだそのタイミングじゃない。「私はそんなに簡単には落とせないわよ」っていう。
リリー:でも、そろそろ女性もその感覚は変えた方がいいんじゃないかなと思うんですよ。昔の女性誌で「キスはデート3回目かな」みたいな感覚があったじゃないですか。でも、それは昭和の話ですよ(笑)。だって、3回目のデートまでたどり着かなかったら、そこで終わっちゃうわけだから。
長谷川:いまだに言う人いますよね。
リリー:それって、自分が履いた下駄を脱げなくなっているみたいなものじゃないですか。
長谷川:履いた下駄が脱げなくなる(笑)
リリー:ベッドの上でも、その下駄を履いているみたいな(笑)
長谷川:それはやっぱり「安売りしたくない」みたいな、変なプライドなのかもしれないですね。
リリー:だったらそもそも、3回目じゃないとキスできない男と1回目のデートをしない方がよくないですか?
長谷川:でも女性ってやっぱり……。
リリー:この続きは、京子ちゃんのポッドキャストでいつかまた話しましょう(笑)


