鉄結会アイシークリニックは8月4日、手首をはじめとする部位にできるしこり「ガングリオン」に関する意識調査の結果を発表した。調査は2026年7月13日~7月22日、手首または指にしこり(ガングリオンを含む)の経験がある全国の20~60代の男女300名を対象にインターネットで行われた。
約6割が「何科を受診すべきかわからなかった」と回答
ガングリオンとは、関節包や腱鞘から発生する良性の腫瘤である。内部にゼリー状の粘液が溜まっており、手首の甲側に最も多く発生する。20~40代の女性に好発し、多くの場合は無症状だが、神経を圧迫すると痛みやしびれを引き起こすことがある。
6割以上の人が適切な受診先を把握しておらず、皮膚科と誤認している人も一定数存在した。ガングリオンは関節や腱に関連する疾患であるため、整形外科または形成外科が専門となるが、この認知が十分に浸透していない実態が明らかになった。
約7割が「保険適用を知らなかった」と回答
ガングリオンの治療は穿刺・手術ともに保険適用であるにもかかわらず、約7割が保険適用を認知していなかった。費用面の不安から治療を躊躇している人に対し、正確な費用情報の提供が重要であることが示唆される。
穿刺経験者の約半数が「1年以内に再発」を経験
穿刺(せんし)とは、注射針を刺してガングリオン内部のゼリー状の内容物を吸引・排出する治療法である。外来で短時間に行える簡便な方法だが、袋状の組織(嚢胞壁)が残るため再発率が高いという特徴がある。
今回の調査では、穿刺治療経験者の約半数が1年以内に再発を経験しており、合計すると約65%以上が再発を経験していることが分かった。
約4割が「再発しにくさ」を最重視
最も重視される点は「再発しにくさ」で約4割を占めた。一方、費用やダウンタイムを重視する方も一定数存在し、患者の優先順位に応じた治療法の提案が求められていることがわかる。
約6割が「見た目が気になった」
放置経験者の約6割が見た目の問題を、約3割が痛みやしびれなどの神経症状を経験していた。ガングリオンは良性腫瘤だが、放置により症状が悪化するケースもあるため、適切なタイミングでの受診が推奨される。
Q&Aで解説
同クリニックの高桑康太医師が解説している。
Q1. 手首のしこりは何科に行けばいい?
A. 整形外科または形成外科を受診する。
ガングリオンは関節包や腱鞘から発生する疾患のため、整形外科または形成外科が専門となる。本調査では約62%が「何科を受診すべきかわからなかった」と回答しており、認知度が低い実態が明らかとなった。皮膚科では対応できない場合があるため、手首や指のしこりは整形外科・形成外科への受診が勧められる。
Q2. ガングリオンは放置しても大丈夫?
A. 痛みやしびれがなければ経過観察も可能だが、症状がある場合は治療が必要。
ガングリオンは良性腫瘤であり、自然消退することもある。しかし、本調査では放置経験者の約31%が「痛みやしびれが出た」、約27%が「しこりが大きくなった」と回答した。神経を圧迫している場合は手のしびれや握力低下を引き起こすこともあるため、気になる症状があれば専門医の受診が推奨される。
Q3.ガングリオンの手術費用はいくら?保険は使える?
A. 保険適用で、3割負担の場合は約1~3万円程度。
ガングリオンの治療は穿刺・手術ともに保険適用となる。穿刺は約1,000~3,000円、手術切除は約10,000~30,000円(3割負担)が目安。正確な費用は病院によって異なる。
Q4. 穿刺と手術切除、どちらを選べばいい?
A. 再発を繰り返したくない場合は手術切除、手軽に試したい場合は穿刺。
本調査では穿刺経験者の約48%が「1年以内に再発した」と回答しており、穿刺の再発率の高さが示されている。一方、治療選択で重視する点として約38%が「再発しにくさ」を挙げており、根治性を求める声が多いことがわかった。「ダウンタイムや費用を優先するなら穿刺、根治性を優先するなら手術切除を選択されるとよいでしょう」(髙桑医師)
Q5.ガングリオンの手術後、仕事や運動はいつから可能?
A. デスクワークは数日後から、激しい運動は約1ヶ月後から可能
ガングリオンの手術切除は局所麻酔下で行われ、手術時間は約30~60分。抜糸までは約1~2週間で、その間は傷口を濡らさないよう注意が必要となる。デスクワークなどの軽作業は数日後から可能だが、手首に負担のかかる作業や激しいスポーツは約1ヶ月程度控えることが推奨される。




