SB19、新たな幕開けを告げる重要作『Wakas at Simula』必聴曲6選&最新曲レビュー

フィリピン発グループとして史上初のロラパルーザ出演を果たし、歴史にその名を刻んだP-POPの先駆者、SB19のサマーソニック初出演が迫ってきた。「終わりからの始まり」というタイトルどおり、新たなチャプターの幕開けを告げる作品となった今年3月リリースの最新アルバム『Wakas at Simula』──世界へ羽ばたく彼らの今を知り、ライブを120%堪能すべく、この重要作を今こそ掘り下げる。

SB19による2ndアルバム『Wakas at Simula』では、「与える木」からゴシック調の城のイメージ、再生や復活というテーマに至るまで、グループが紡ぎ続ける伝承(ロア)が世界観の構築において重要な役割を果たし続けている。グループがロラパルーザ級のステータスに到達した今、この最新作は新たな段階への移行として機能する「終わり」という概念を提示するとともに、自分たちを定義づける要素を失うことなくアイデンティティを再構築する方法を模索し続けてきた、グループとしての8年間の歩みも反映している。

ここではサマーソニックのセットリストでも中軸を担うであろう『Wakas at Simula』収録の必聴曲を紹介する。ぜひとも予習・復習に役立ててほしい。

「VISA」

アルバムの幕開けを飾る「VISA」は、作品全体のトーンを明確に決定づけている。世界の大舞台へとさらに一歩を踏み出すグループにとって、移動やアクセスという現実性に焦点を当てたこのトラックは、どこか皮肉なニュアンスを帯びて響く。強烈なメロディック・フックと鋭いテーマを組み合わせ、渡航ビザの申請という現実的な題材に楽曲を定着させている。一見シンプルに聴こえるかもしれないが、ブラジルのバイレやフィリピンの伝統的な民俗音楽といったあらゆる種類のエレクトロニック・ミュージックを融合させる、カオティックなポップソングライティングにおける彼らの才能が、フィリピン人としての実体験と結びつくことで、このリードシングルに力強いスタートをもたらし、これまでのリリースの中でも最も効果的な楽曲のひとつに仕上がっている。

「Emoji feat. JOLIN」

アップテンポなリズムとクラブ即戦力のビートで構成された「Emoji」は、テーマとしての雄大さ、そしてAメロ・サビ(ヴァース・コーラス)を多用したカオティックなポップ構造によって活気づいており、繰り返し聴くことに適している。さらに、”C-POPの女王”JOLINを迎えつつ、SB19も互角の立場を保っている。SB19と”JOLINの掛け合いがエネルギーを一定に保ち、双方が互いのパフォーマンスを高め合っている。その結果はストレートかつ効果的であり、勢いを殺すことなく瞬時に響いてくる。

「Everblack」

アルバムのサウンド表現が最も大きく拡張されているのはこの楽曲だ。「Everblack」は、SF的な質感、プレイボーイ・カルティを彷彿とさせる重厚なラップパート、そしてトラヴィス・スコット風のオートチューン要素を経由しながら、より攻撃的なトラップの影響を響かせる。ハイファッションへの言及やスタイル化された声のエフェクトが、その鋭さに拍車をかけている。インスピレーション源となった音楽への直接的なオマージュを感じさせつつも、アルバムの中でも際立つスリリングで野心的な挑戦を試みている。

「Toyfriend feat. BE:FIRST」

SB19は「Toyfriend」で、より遊び心あふれるセクシーなトーンへとギアを切り替える。序盤からベースラインのグルーヴが押し寄せ、トラックはR&Bの質感を強調しながら、両グループが軽やかにパートを交わし合う。日本のBE:FIRSTが楽曲のダイナミクスにさらなる層を加え、より洗練されたポップ・サウンドへと押し上げている。明らかに他の楽曲とは異なるテイストではあるが、グループはそれを自在に乗りこなしている。

「Memories」

トラックリストの2曲目で、危機の時代を楽観主義によって捉え直すグループの手腕を探求している。「Memories」は、特に先行きが不透明な時期において、グループをひとつに繋ぎ止める絆に焦点を当てている。トラップとポップが融合したプロダクションは、上昇していくハイハットやライザー効果音を通じてグループの優れたボーカル力を鮮やかに活かし、マキシマリスト的なビルドアップも聴かせつつ、スマートな余韻を残す仕上がりを見せる。派手なEDM風のシンセサイザーであれ、パブロとステルのハーモニーであれ、本楽曲は控えめながらも確かな存在感を示している。

「Wakas」

アルバムのアウトロである本楽曲は、始まりという概念へと再び引き戻す前に「終わり」を締めくくる。前作からの延長線上にあるこのトラックは、SB19の強みであるヴォーカルハーモニーを存分に活かしており、パブロ、ジャスティン、ケンが最高域のファルセットを響かせながら、一体感のある美しい展開を見せる。見事に決まったヴォーカルハーモニーがじっくりと響き渡り、スケール感のあるビルドアップとともに、アルバムを締めくくるにふさわしい奥行きと余韻をもたらしている。

From Rolling Stone Philippines

さらに、ロラパルーザで世界初披露された最新シングル「LAWELESS」も必聴だ。

同曲の〈Livin' Lawless is my priority(無法に生きることが俺の最優先)〉〈No boxes can hold the Gods(神を縛る檻なんてない)〉といった強烈なリリックには、既存の業界ルールを打ち破り、自らの手で頂点へ登り詰めるという強い意志が込められている。その姿勢は、ヤギを中心に据えたシングルのカバーアートにも反映。これは音楽界の「G.O.A.T.(Greatest of All Time=史上最高)」というダブルミーニングでもあり、世界舞台への本格進出という重要な局面に掲げられた「LAWELESS」を通じて、SB19はその圧倒的な存在感を鮮烈に刻みつけた。

そして勢いそのままに、P-POPの王者がサマーソニックに登場する。世界のポップシーンで快進撃を続ける彼らのパフォーマンスは、間違いなく今年のハイライトとなるはず。フィリピンからグローバルへと駆け上がるSB19の現在地を、ぜひその目で目撃してほしい。

【関連記事】SB19大いに語る──フィリピンから世界へ、新章突入した5人組の現在地

SUMMER SONIC 2026

2026年8月14日(金)・15日(土)・16日(日)

東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ

大阪会場:万博記念公園

※SB19は8月14日(金)大阪会場、15日(土)東京会場に出演

公式サイト:https://www.summersonic.com/

チケット購入:https://www.summersonic.com/tickets/tokyo/

SB19

『Wakas at Simula | ワカス・アット・シムラ』

配信中

再生:https://smji.lnk.to/SB19LAWLESSRS

【国内盤(完全生産限定盤)】

2026年8月5日(水)リリース

¥4,620(税込)

2枚組CD 歌詞・対訳付

日本盤のみのボーナス・トラック2曲収録

スペシャル36PフォトZINE(雑誌)封入

フォトカード [限定盤ver.](全5種のうち1種ランダム封入)

購入:https://smji.lnk.to/SB19WakasatSimulaJPNCDLimitedAWRRS

【国内盤(通常盤)】

¥3,520(税込) 2枚組CD

歌詞・対訳付

日本盤のみのボーナス・トラック2曲収録

初回仕様:フォトカード [通常盤ver.](全5種のうち1種ランダム封入)

※完全生産限定盤と通常盤のフォトカードのデザインは異なります。

購入:https://smji.lnk.to/SB19WakasatSimulaJPNCDAWRS

ZINE(完全生産限定盤に封入)

最新シングル「LAWLESS」

配信中:https://smji.lnk.to/SB19LAWLESSRS

タワーレコード渋谷店限定POP-UP STORE

『SB19 x TOWER RECORDS SHIBUYA Wakas at Simula POP UP』

Tシャツやフード付きタオル、アクリルスタンド、アクリルチャーム、ぷくぷくシール、フォンタブ&ストラップセットなど、本POP-UP限定のオリジナルグッ

ズを多数展開

詳細:https://towershibuya.jp/news/2026/08/05/232828

SB19ファンミーティング

"I WaS THERE" THANKSGIVING FANMEET 2026

2026年8月18日(火)KT Zepp Yokohama 

開場:18:00/開演:19:00

チケット購入:https://eplus.jp/sb19/