友近とフィルムエストTVがプロデュースする“あの頃風”サスペンスドラマの第2弾『友近サスペンス劇場II 寝台特急「はつゆき」殺人事件』が、YouTubeチャンネル「フィルムエストTV」で公開され、8月1日時点で再生数は150万回を突破した。
今作では、企画・主演の友近演じるトラベルライターの黛京子とモグライダー・芝大輔演じる相棒のカメラマン・奥野茂が、寝台特急「はつゆき」に乗り合わせた同窓会ツアーの一行とともに、石川県七尾市の和倉温泉を目指す中で事件に遭遇。湯江タケユキ、西田尚美、NANA(MAX)、勝矢、内田慈、中村繁之、松居直美、ひがりゅうた(ありんくりん)という、友近が思い描いたキャストが“あの頃”の世界へ入り込んだ。
友近、芝、西井紘輝監督に、黛京子と奥野茂のコンビネーションや、この豪華出演者のキャスティング、撮影地となった能登・七尾市への思いを聞いた――。
黛京子と奥野茂は“帰ってくるホーム”
友近と芝は前作以降、シチュエーションコントやトーク番組などで顔を合わせる機会はあったものの、長時間にわたって芝居をすることはほとんどなかった。だが、第2弾の撮影に入ると、黛京子と奥野茂のコンビネーションは一瞬で戻ったという。
友近は「芝くんが一言しゃべると、“そうだ、そうだ”と思って、すぐツッコミを入れていました」といい、芝は「友近さんとはこの作品でつながっている感じがすごくあります。京子さんと奥野としてしゃべっている時間のほうが長い気がしますね(笑)」と笑う。2人にとって『友近サスペンス劇場』は、“帰ってくるホーム”のような作品になった。
芝自身、もともと2時間サスペンスを熱心に研究していたわけではないが、前作からあの雰囲気を完璧に演じきり、大きな反響を呼んだ。友近から芝への細かな演技指導もなかったが、衣装とメイクを整え、友近の黛京子姿を見た瞬間に「なるほど」と作品の世界観を理解できたそうだ。
そんな芝について、友近は「飲み込みが早い方で、再現度も高い。普段から自然に人物観察をしているんだと思います」と高く評価。西井監督も、モニター越しに見ていて「何作も続いているシリーズのような息の合い方」だと感じたという。
2人の場面は撮影の進行も速く、芝が「何回もやり直すことがなかったです」と明かすと、西井監督も「テイク数は少なかったですね。2回くらいでほぼOKを出していました」と証言した。
『友近サスペンス劇場』を立ち上げるにあたって、相棒役に芝を指名したのは友近。第2弾でも、この見事なキャスティング能力が存分に発揮されている。
NANA、松居直美ら第一候補が集結 友近の“特殊なキャスティング力”
今作のキャスティングで、特に早い段階からオファー希望を出していたのが、NANA(MAX)だ。友近は「かわいらしいけど、昭和の美人顔という要素もある」と説明。舞台経験もあり、本格的に芝居で共演したことはなかったものの、「あの感じで出るだろうなと思ったら、本当にドンピシャでした」とハマった。
西井監督は、友近が第1弾のストリッパー役に時東ぁみを指名した際、当初は意外に感じたものの、完成すると世界観にぴたりとはまったことを回想。今回のNANAについても同様で「友近さんの特殊能力ですね」と、そのキャスティング眼を絶賛した。
松居直美の演技も、強烈な印象を残した。友近は「あの世界観にぐっとのめり込むことができたし、視聴者の方もそうだったんじゃないかな」と語り、芝も「確かにすごかった」とうなずく。本人は世界観にマッチしているか不安そうにしていたというが、ミスさえも笑いに変わり、現場を盛り上げてくれた。
西井監督は、松居のセリフ回しについて、台本では普通の一行だった言葉が、想像しなかったリズムやテンポで出てきたと回想。「裏拍を取るようなお芝居」が印象的だったと振り返る。
内田慈には、「Theサスペンス顔をしてくれますから助かります」と感謝。西田尚美は出演の依頼に、「あの世界に入れるの、私?」と驚いたそうだが、西井監督によると撮影ではNGを出すこともなく、確かな演技を見せたそうだ。
出演者の中で唯一30代だった、芸人・ひがりゅうたについて、友近は「演技がうまい。役者の顔をしていました」と絶賛。西井監督も、年上の出演者たちに負けることなく、演じる年代を引き上げて世界観へなじんでいたと評価した。セリフのない場面や、場面をつなぐ部分の芝居では、中村繁之の経験値が光ったという。
この同窓会メンバーのキャストは、いずれも第一候補として思い描いた出演者たちのブッキングに成功し、友近は「本当に皆さんがいいんですよ」としみじみ。出演者が笑いをこらえられなくなる場面も多々あったそうで、事件が起きても旅の続行が決まり、「そうと決まれば観光だ!」と話を進める場面では、皆「ひどいことを言っている」と笑い続け、なかなか撮影が進まなかったそうだ。
能登での撮影では出演者たちが同じ場所に宿泊し、親睦を深めたが、友近はその輪にほとんど加わることができなかった。その理由は、タイトな撮影スケジュールの中で「セリフを覚えるのが大変すぎて! まぁ自分がやってることなんですよね(笑)」という友近。
クライマックスとなる七尾城跡の場面は、朝から夕方まで一日をかけて撮影。映像の中でも日差しや空の色が徐々に変化していったほどで、ここで長ゼリフを抱えながら演じ切った友近に、西井監督は「すごいなと改めて思いました」とプロ意識を称賛した。



