声の仕事に向き合う上で、吉田にとって大きな転機となったのが、劇場アニメ『ルックバック』(2024年)だった。

それ以前にも声のオーディションを受けていたものの、なかなか合格できず、声の仕事を半ば諦めていた時期に出演が決まったのがこの作品。挑戦してきたのは、かわいらしいヒロインや明るい少女が多かったが、『ルックバック』では監督が吉田の地声に“陰”を感じたことが決め手になり、W主演に抜てきされたという。

もともと自身の声をあまり好きではなかったそうだが、作品を見た人たちから好意的な反応が寄せられたことで、「初めて自分の声をちょっと好きになれました」と変化が。今も声だけを聞くことには恥ずかしさや緊張があるものの、「皆さんがいいと言ってくださった声を使って、ナレーションなどができたらうれしいです」と、声の表現への意欲を語った。

  • コントを披露するガッポリ建設 (C)フジテレビ

    コントを披露するガッポリ建設 (C)フジテレビ

小堀の生き方に「面白そう」と興味

これまでのシリーズを含め、密着映像の中で、現実にはあり得ないようなミラクルを起こしてきた小堀。翻って吉田自身は、俳優として活動する中で、オーディションで役をつかむには実力だけでなく、作品や役との巡り合わせも大きいと感じている。『ルックバック』への出演や今回のナレーションも含め、仕事を始めてから「運」を実感する機会が増えたという。

一方で、自分の持っているものを努力とは別のところで失うことが怖いため、ギャンブルや運任せの勝負は苦手。パチンコや競馬も経験がなく、「別にやらなくていいかな」としながらも、運に身を委ねる小堀の生き方を見て、「そういうふうに生きるのも面白そう」と、自分とは対照的な人生に興味をのぞかせていた。

●吉田美月喜
2003年生まれ、東京都出身。18年に俳優デビューし、主な出演作に、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』、映画『メイヘムガールズ』『あつい胸さわぎ』『カムイのうた』など。24年公開の劇場アニメ『ルックバック』では、京本役として河合優実とダブル主演を務め、声優としても注目を集めた。今年は、映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』、オムニバス映画『GEMNIBUS vol.2』の一編「顔のない街」、舞台『リア王』などに出演。5月からファッション誌『non-no』の専属モデルも務め、俳優、声優、モデルと活動の幅を広げている。今後、映画『KARATEKA』、27年には連続テレビ小説『巡るスワン』に出演予定