• 寝台特急のシーン (C)「友近サスペンス劇場II」製作委員会

    寝台特急のシーン (C)「友近サスペンス劇場II」製作委員会

物語序盤の中心となる寝台特急「はつゆき」の車内シーンには、茨城県筑西市の「ザ・ヒロサワ・シティ ユメノバ」に保存されている実際の車両が使われた。西井監督は、この場所を見つけた瞬間に「ここで絶対撮る」と確信したという。

「全国を探しても、あれだけ完璧にそろっているところはないです。ここで友近さんや芝さんが芝居するのを想像したら、ここしかないなと即決しました」(西井監督)

最高のロケーションに、芝は「あの当時は本当にこんな感じだったんだと思って、全部楽しみながらできましたね」、友近も「この中で演じられるんだと思ったら、ずっとワクワクしていました」とテンションが上がった状態で撮影に臨んだ。

  • (C)「友近サスペンス劇場II」製作委員会

    (C)「友近サスペンス劇場II」製作委員会

見た目は昔、作り方は最新 生成AIで“あの頃”を再現

1980年代のテレビドラマを思わせる映像の裏側では、最新の生成AI技術も積極的に使われた。

AIを活用したのは、当時の東京・銀座の街並み、海から昇る朝日の生成、駅には実際に存在しなかった柱を加えるといった加工。そして寝台列車が走る場面は、当初は鉄道模型を撮影する案もあったが、AIを用いることで、より狙いに近い表現が可能になった。

西井監督は、AIを活用したのは単に映像表現のためだけでなく、撮影スタッフの負担を減らす目的もあったと説明する。

「働き方改革で、カメラマンさんに少しでも長く寝てもらいたい。早起きをしなくてもできるところは、新しい技術で解決していこうと考えました。見た目は古いのですが、やっていることは実は新しいという、不思議な感覚です」

第1弾の頃のAIはほとんど使えないクオリティだったが、この2年で技術が劇的に進化。友近は、撮影時に「どうやって列車を走らせるんだろう」と疑問に思っていたそうで、完成映像を見て初めて加工の内容を知ることもあったそうだ。