酸辣湯麺(スーラータンメン)をはじめとする辛いメニューで人気を集める中国ラーメンチェーン「揚州商人」。辛いもの好きはもちろん、芸能人にもファンが多いことで知られている。そんな「揚州商人」からこの夏、販売休止となっていた伝説の一杯「牛肉のあっさり激辛ラーメン」が、「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」としてさらに進化し、待望の復活を果たした。

今回は、その一杯を全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が実際に味わい、その魅力をレポートする。

辛いもの好きが通う中国ラーメンチェーン「揚州商人」

「中国ラーメン」を掲げるチェーンとして、唯一無二の存在感を放つ「揚州商人」。

  • 「中国ラーメン」を掲げるラーメンチェーン「揚州商人」

    「中国ラーメン」を掲げるラーメンチェーン「揚州商人」

上海焼きそばや小籠包、担々麺など、本格中華を気軽に楽しめる店として知られているが、その中でもラーメン好きから圧倒的な支持を集めるのが「スーラータンメン(酸辣湯麺)」だ。

酸味と辛味が絶妙に調和したスープは、一度食べるとクセになる味わい。実際に揚州商人には「辛いメニュー目当て」の常連客も多く、辛味メニューは同店の大きな武器になっている。

そんな揚州商人の2026年夏メニューを見ると、その個性がよく分かる。メニューを開くとまず載っているのは「スーラー夏野菜カレー」「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」「冷しタンタン麺」の3商品。

なんと看板となる夏メニューがすべて辛さをテーマにしているのである。もちろん他にも冷やしメニューはあるが、「暑いからこそ辛いものを食べたい」という需要を真正面から狙う姿勢は実に揚州商人らしい。

伝説の激辛ラーメン「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」は、キレのある辛さと旨味が共存するオトナな一杯

その中でも注目したいのが、「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」(1,290円)だ。

  • 辛味レベル4、酸味レベル0の「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」(1,290円)

    辛味レベル4、酸味レベル0の「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」(1,290円)

このメニューは、かつて人気を博した「牛肉のあっさり激辛ラーメン」の進化版。近年は気候変動や原材料価格の高騰などの影響で、味の決め手となる希少な「黄金唐辛子」の調達が困難となり販売休止となっていた。しかし今回、独自ルートで黄金唐辛子を確保できたことで、ファン待望の復活を果たしたのである。

しかも具材は従来の牛肉から、箸でほろりと崩れる特大チャーシュー「大肉(タイルー)」へと進化。伝説のメニューが、さらに贅沢な一杯として帰ってきた。

まず驚くのは、その見た目だ。

透明感のある塩スープは実にあっさりとしていて、激辛ラーメンとは思えないほど上品。表面に浮かぶ黄色い唐辛子がなければ、あっさり塩ラーメンにしか見えない。

  • まるで"あっさり塩ラーメン"な「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」

    まるで"あっさり塩ラーメン"な「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」

しかし、一口すすった瞬間、その印象は一変する。

黄金唐辛子による鋭い辛さが一気に押し寄せる。かなり刺激的な辛さなのだが、不思議と嫌な後味が残らない。スッと立ち上がり、スッと消えていく。非常にキレがいいのである。

一般的な唐辛子には青臭さや重たい辛味が残るものも多いが、黄金唐辛子は雑味がなく、まっすぐでシャープな辛さ。その奥から華やかな香りが立ち上がり、辛味そのものがひとつの「香辛料」として完成されている印象を受ける。

  • すすった瞬間、ガツンと、それでいてキレのよい一杯

    すすった瞬間、ガツンと、それでいてキレのよい一杯

そして、この辛さが繊細な塩スープと実によく合う。

普通なら強烈な辛味はダシの旨味を覆い隠してしまうものだが、このラーメンではそうならない。黄金唐辛子は辛味だけが突出するのではなく、清湯スープの旨味をきちんと感じさせてくれる。辛さを楽しみながら、同時にスープの美味しさも味わえるのである。

具材の大肉(タイルー)は箸を入れるだけでほろほろと崩れるほど柔らかく、肉の旨味が口いっぱいに広がり、シャープな辛さをまろやかに包み込んでくれる。シンプルな醤油味ではなく、中華ならではの香りづけがしてあるのもポイントが高い。

辛さは通常でも十分に刺激的だが、さらに「激辛5倍」まで選択できるチャレンジシステムも用意されている。通常でも同店基準でかなりの辛さに設定されているため、多くの人はまず通常から試すことをおすすめしたい。激辛好きにとっては、自分の限界に挑戦できる遊び心のある仕掛けになっている。

ちなみに揚州商人は、タレントの後藤真希さんが通う店としても知られ、テレビなどでもたびたび話題になる人気チェーンだ。そうした話題性だけでなく、長年愛され続ける理由は、スーラータンメンをはじめとする「辛さ」と「旨味」のバランスを追求してきた技術力にある。

「大肉(タイルー)のあっさり激辛ラーメン」は黄金唐辛子の華やかな香り、透明な塩スープの繊細な旨味、そして柔らかな大肉が見事に調和した、実にオトナな激辛ラーメンだった。

揚州商人だからこそ実現できた、旨味・香り・辛さが高いレベルで共存する、夏だけの特別な一杯だ。

  • 揚州商人、夏だけの特別な一杯

    揚州商人、夏だけの特別な一杯