「私がお引き受けして良いものかどうかは、かなり時間をかけて熟考しました」――俳優の北川景子が、日本テレビ系大型特番『24時間テレビ49-愛は地球を救う-』(8月29日~30日)のスペシャルドラマ(29日21時すぎ)で主演を務めることが26日、発表された。
描かれるのは、喉頭がんにより声を失った音楽プロデューサー・つんく♂と、彼を支えてきた家族の実話をもとにした物語。トップクリエーターとしてではなく、夫、父として生きるつんく♂の姿を、妻・加奈子さんの目線から描き、北川が加奈子さんを演じる。脚本は岡田惠和氏が担当する。
声を失ったつんく♂と家族の“その後”を描く
つんく♂は、1990年代にロックバンド・シャ乱Qのボーカルとして活躍し、その後はモーニング娘。をはじめとするアーティストのプロデューサーとして音楽界をけん引してきた。
仕事を最優先する多忙な日々を送る中、加奈子さんと出会い、3人の子どもに恵まれたが、2014年、45歳の時に喉頭がんが発覚。生きるために声帯を全摘出し、アーティストにとってかけがえのない“声”を失った。
それでも手放せなかったものが、家族だった。声帯摘出から12年がたった現在も、つんく♂と家族は再発や新たな病への不安と隣り合わせで生活している。
本作では、がんの発覚や声帯摘出だけでなく、その後の約10年を家族がどのように生きてきたのかに焦点を当てる。「目の前の幸せは、当たり前に続くものではない」「目の前の幸せを、今、全力で一生懸命愛そう」というメッセージを込め、病と向き合いながら毎日を生きる家族の姿を描く。
北川景子、出演を「かなり時間をかけて熟考」
主人公の加奈子さんを演じる北川は、ドラマと『24時間テレビ』のスペシャルサポーターを同時に依頼されたことについて、「思いも寄らないことで驚きました」と率直な心境を明かす。
つんく♂夫妻とは面識がなかったことから、「私がお引き受けして良いものかどうかは、かなり時間をかけて熟考しました」と告白。その上で、「つんく♂さんご夫妻の築かれた温かいご家庭の雰囲気や、ご病気を経てさらに強くなったご夫婦の絆を、誠実に描くことができますよう願っています」と意気込んだ。
脚本から感じ取った加奈子さんの人物像については、「優しく温かい家庭のムードメーカー」と表現。「奥様のチャーミングなお人柄を再現できるよう努めます」と語っている。
「番組に携わる皆の思いが、少しでも皆様の心に残りましたら」
今年の『24時間テレビ』のテーマは、「わたしの家族の話~あなたは誰を想う?~」。
これまで同番組を夏の風物詩として見てきたという北川は、ここに出ていくタイプではないしなぁ……と正直に思いました」としながらも、テーマが「家族」であることに惹かれて出演を決めたという。
家族について、「心強い味方、よりどころ、あるいは悩みの種、縁が遠い存在など、人によって答えはさまざま」とした上で、「家族というのは簡単ではないものです」と指摘。「簡単ではないものをテーマとして取り上げ、24時間通してやってみる、という試みに私も真剣に向き合いたいと思いました」と話す。
ドラマでは、つんく♂一家が前を向き、自分たちらしく生きる姿を、可能な限り事実に基づいて描くという北川。「真摯に芝居と向き合い」と決意し、スペシャルサポーターとしての活動についても「番組に携わる皆の思いが、少しでも皆様の心に残りましたら幸いです」と呼びかけた。
「いのちをつなぐ がん募金」の支援訴える
北川は、今回のスペシャルドラマ主演に加え、『24時間テレビ49』のスペシャルサポーターにも就任する。
番組では、目的別募金「いのちをつなぐ がん募金」を実施。寄付金を、がん研究や啓発、患者支援など、がん対策に関わる活動へ役立てる。
北川はスペシャルドラマをはじめとする番組内の企画を通じて、がん対策に関わる支援を訴えていく。「ドラマと24時間テレビをシームレスにつないでいく目的」と聞いているそうで、「私たちの行いが社会を益するものになれましたら幸いです」と願った。
つんく♂「僕も家族も今もなお毎日病気と闘っています」
ドラマ化にあたり、つんく♂は「『治ってよかったね』とか、『今は元気で仕事バリバリやってます!』という、映画の結末のようにはいかないのが現実」とコメント。「僕も家族も今もなお毎日病気と闘っています」と、現在も続く日々を明かした。
自身の経験から伝えたいこととして、「検査結果より、自分で感じてる『なんだか調子悪い』ってサインの方が正しい」と強調。「どうぞ、休むことを恐れず、愛する家族や仲間のためにも、立ち止まる勇気を持ってください」とメッセージを送っている。
北川をはじめとする出演者には「出演してくれて本当にありがとう」と感謝。脚本を担当する岡田氏との再会も喜び、加奈子さんが「わ! 北川景子さんが演じるの? どうしよう、どうしよう」と、自分が演じるわけではないにもかかわらず緊張しているという家族の様子もユーモアを交えて紹介した。
「放映当日を家族みんなで楽しみにしています」と期待を寄せている。
岡田惠和「病という運命に、あきらめず一日一日を生きていく」
脚本を手掛ける岡田氏は、『24時間テレビ』のドラマについて、「ドラマだからこそ伝わることもある。それが24時間テレビという番組の中に、ずっとドラマがあることの意味だと思っています」と語る。
以前から一度は執筆してみたいと考えていたといい、ドラマ化を認めたつんく♂と加奈子さんに感謝。「そして、北川景子さんを思い切り書けたことも、脚本家としては幸せでした」と振り返った。
本作については、「どうしようもなくやってきてしまう病という運命に、悲しんだり嘆いたり、迷ったり、間違ったり、めげてしまったり、後悔したりしながらも、あきらめずに一日一日を生きていく、そんなドラマです」と説明。「多くの人の心に届くよう祈っております」とコメントした。
つんく♂が求めた「そこからの10年」
明石広人プロデューサーがドラマ化を提案した際、つんく♂から最初に伝えられたのは、「12年前のがん発覚~声帯全摘出~近大での発表」だけを描く作品にはしてほしくないという要望だった。
つんく♂は「そこからの10年、この10年で伝えたいこと、ドラマにするならそこが大事だと思う」と伝えたという。その言葉を受け、制作陣はつんく♂と加奈子さんに多くの話を聞き、家族が病とともに生きてきた歳月を物語の中心に据えた。
明石プロデューサーは、夫妻と家族、岡田氏、北川、今後発表されるキャストに加え、取材協力者や監修に携わる医師、専門家など、「本当にたくさんの人の“想い”が詰まったドラマになると思います」と話している。
『24時間テレビ49』は東京・両国国技館を会場に開催。総合司会を内村光良、羽鳥慎一、水卜麻美アナウンサー、チャリティーパートナーをSixTONES、山崎育三郎、芳根京子、チャリティーランナーを星野真里、チャリTシャツのスペシャルサポーターをちゃんみなが務める。
【編集部MEMO】
過去5回の『24時間テレビ』スペシャルドラマ
2025年『トットの欠落青春記』主演:芦田愛菜
2024年『欽ちゃんのスミちゃん ~萩本欽一を愛した女性~』主演:伊藤淳史
2023年『虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ』主演:道枝駿佑
2022年『無言館』主演:浅野忠信
2021年『生徒が人生をやり直せる学校』主演:平野紫耀



