今年のキャッチコピーは「芸人、出し尽くせ。」。そこには、挑戦する芸人たちの過酷さと、制作側の覚悟が反映されている。
黒田アナは予選を見て、「漫才をやってすぐコントというのは、着替えが大変とか、バタバタで汗をかくという物理的なこともあると思うんですけど、漫才からコントへの気持ちの切り替えが、素人からは想像がつかないようなメンタルの持っていき方なんだと、皆さんの表情を見ていて伝わってきました」と実感。
1本目がうまくいっても、2本目で失敗すれば終わる可能性がある。逆に、1本目で思うようにいかなくても、2本目で巻き返せるかもしれない。黒田アナは「常に極限の状態」と表現する。
宮森氏も「予選から1日に全く違う2つのネタを披露しないといけないのは、ものすごく過酷な大会」と語った上で、前回大会後のある光景を振り返る。
初代王者となったニッポンの社長と、優勝を争ったロングコートダディが、生放送後、ステージ裏でお互いの健闘をたたえ合い、涙を見せていたといい、「若手の頃から劇場でお互い切磋琢磨して、両方に取り組んできた2組が、決勝の場で最後に優勝をかけて戦った。その表情を見て、ものすごい重みと、そこに意味があったんだと感じました」(宮森氏)
だからこそ今年は、ネタの面白さだけでなく、二刀流にかける思いや、これまでの芸人人生も伝える演出を意識している。
「芸人さんの熱い思いも全国にお届けしたい。僕らも芸人さんのことを伝え尽くしたいという思いも込めて、『芸人、出し尽くせ。』というスローガンを掲げています」(宮森氏)
中屋敷氏も、漫才とコントの両方を扱うからこそ、「芸人さんそのものにちゃんと向き合わないといけない」と意識。漫才2本、コント2本ではなく、漫才とコントを1本ずつ見ることで、その芸人の幅や魅力がより伝わる。だからこそ、「密着担当のディレクターは、ネタに向き合うのはもちろんですが、芸人さんにリスペクトを持って向き合う必要があるんです」と力説した。
漫才とコントという別々の競技に点数をつける審査も、極めて難しい作業だ。宮森氏は「こんな無茶な審査を受けてくれる芸人さんが果たしているのか、というところからスタートしたので、審査員を務めてくださった皆さんには本当に感謝しかないです」と語っている。
立候補して参加する若手スタッフが続々
『ダブルインパクト』は、日本テレビと読売テレビの共同制作という点も特徴だ。
宮森氏は、読売テレビについて「『ytv漫才新人賞』など、演芸とずっと向き合ってこられて、芸人やネタへの向き合い方のノウハウがめちゃくちゃある」と捉え、その歴史と伝統を「勉強させてもらっています」と語る。
中屋敷氏は、読売テレビには演芸的なノウハウがある一方で、「テレビはお笑いファンだけでなく、老若男女の方々がお茶の間で見てくださるもの。日テレさんは、どんな方でも楽しめる番組を作るとか、初見の方には分かりにくいんじゃないかというケアに、ずっと向き合い続けている局さん」と信頼を置き、両社の強みで補完し合う体制が構築できているという。
2年目を迎えた今年は、2社の壁をあまり意識しなくなったといい、宮森氏は「どの会社であろうが1つの番組のスタッフという感じ」と表現。若手スタッフ同士が切磋琢磨することで、「視野が広がるし、お互い刺激を受け合っていい環境です」と、共同制作のプラスの作用が働いているそうだ。
宮森氏いわく「もはや番組スタッフの一員」という黒田アナも、若手スタッフの熱量を感じているといい、「後輩や同期にも、私の比ではないぐらいお笑い好きがいて、予選を見に足しげく会場に通っています。休憩時間に“全然知らなかったコンビがめちゃくちゃ面白かった”と話すのが何より楽しいんです。そういうスタッフの一員としてやらせてもらえているのは、すごくありがたいです」と充実感を語る。
この番組には「やらせてください」と立候補して入ってくる若手スタッフが多いのだそう。日テレ内ですれ違った宮森氏を追いかけて、爛々(らんらん)とした目で直訴してきた野心みなぎる若手ディレクターもいたそうだ。
新ルールの緊張感、二刀流に懸ける芸人たちの覚悟、そして局の垣根を越えたスタッフの熱量――これらが交錯する生放送で、2代目王者の座をつかむのは誰か。
●『アサヒビール スマドリ ダブルインパクト2026 漫才&コント二刀流No.1決定戦』
ファイナリスト:ななまがり、蛙亭、ダンビラムーチョ、TCクラクション、今夜も星が綺麗、滝音、ドンデコルテ、ビスケットブラザーズ
MC:かまいたち、橋本環奈
審査員:千原ジュニア(千原兄弟)、剛(中川家)、後藤輝基(フットボールアワー)、田中卓志(アンガールズ)、辻クラシック(ニッポンの社長)


