『ポツンと一軒家』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で紹介されたのは、晴れた日には富士山まで見渡せる、標高約600メートルの山の上。群馬県の山中で暮らす元シェフ夫婦を訪ねた放送回が、個人全体で先週の6位から順位を一つ上げ、5位に入った。
住人は66歳の柳さんと、52歳の妻・由美子さん。かつて馬牧場の管理棟として使われていたログハウスに、2年前に移り住んだ。柳さんは37歳のときに足の指が切断寸前となる難病・バージャー病を患い、その後は東日本大震災の影響で、経営していた東京・南青山のイタリアンレストランなどを閉じることになった経歴の持ち主だ。
暮らしぶりで目を引くのは、水道のない生活。井戸の修理には約1000万円かかるといい、2日に1回は麓の水くみ場へ通い、風呂は麓の銭湯で済ませる。由美子さんは高崎市の実家と行き来する二拠点生活を続けているそうだ。
それでも夫婦の話題の中心は、これからの挑戦だった。1キロ離れた畑では、県の実証事業として病気に強いワイン用のぶどうを栽培中。将来は使われなくなった厩舎を醸造所へ作り替え、レストランを併設する構想も語られる。人生を何度も立て直してきた柳さんが由美子さんとともに山の上で描く夢に、見ているこちらまで前向きになれるような放送だった。