リクルートは7月15日、「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2026」の結果を発表した。調査は2026年4月10日~4月21日、全国1万5,548人の宿泊旅行者を対象にインターネットで行われた。
総合満足度「香川県」が2年連続1位
総合満足度では、香川県が前年度に続き2年連続で1位を獲得した。2位は長崎県で、前年度3位から順位を上げた。3位には、前年度トップ10圏外だった岐阜県がトップ3にランクイン。ほか、長野県、宮城県、高知県、島根県も新たにトップ10入りした。中四国からは香川県、高知県、島根県の3県がランクイン。一方、北海道・首都圏・関西からのトップ10入りはなかった。
地元ならではのおいしい食べ物があった
石川県が2023年度以来の1位返り咲きとなった。「海鮮・魚介類」「寿司・回転寿司」「のどぐろ」などが多く挙がり、海の幸を中心とした食の魅力が評価された。2位は香川県で、「讃岐うどん」が回答の6割超を占め、地元ならではの食として強い支持を集めている。3位は宮崎県で、「チキン南蛮」を筆頭に、「地鶏・鶏料理」「宮崎牛」など、肉料理を中心に多様な名物が挙がった。ほか、新たにトップ10入りした富山県では「海鮮・魚介類」、島根県では「出雲そば」、愛媛県では「鯛めし」など、各県を代表する食に関する回答が目立った。
魅力のある特産品や土産物があった
1位は2年連続で沖縄県。「ちんすこう」「紅芋タルト」などの菓子類に加え、「シーサー」「琉球ガラス」「やちむん」などの工芸品、「海ぶどう」「雪塩・石垣の塩」「パイナップル」「泡盛」など、沖縄県ならではの特産品が幅広く挙がった。2位は石川県で、「酒・地酒・日本酒」「のどぐろ」「金箔製品」「九谷焼」「輪島塗」など、食と工芸の両面で多様な品目が評価された。3位は北海道で、北海道を代表する菓子類や「海鮮・魚介類」が挙がった。ほか、4位の福岡県では「明太子」や福岡銘菓、5位の香川県では「讃岐うどん」など、各道県ならではの品目が挙がった。
魅力的な宿泊施設があった
1位の沖縄県は、離島を含めたリゾートホテルやラグジュアリーホテルが多く挙がり、2位の大分県は、別府や由布院などの温泉地にある宿泊施設が支持を集めた。3位の山形県は、銀山・蔵王などの有名温泉宿の名前が目立つ。リゾートエリアや温泉地を有する県が上位に入った。新たにトップ10入りした群馬県では草津・伊香保をはじめとする温泉地の宿泊施設、静岡県では熱海・浜名湖・焼津などの温泉やリゾートホテル、三重県では伊勢志摩・鳥羽エリアのリゾートホテルや観光施設一体型の宿泊施設の名前が挙がった。
地元の人のホスピタリティを感じた
1位の沖縄県は、宿泊施設や飲食店、アクティビティなど、観光客と地元の人が接するさまざまな場面で、対応の良さや親しみやすさを感じたという声が多い。2位の山形県は、温泉地や宿泊施設での接客に加え、直売所や飲食店などでの会話を通じて、地元の人の温かさを感じたという声が多い。3位の青森県は新たにトップ10入りし、宿泊施設や観光施設に加え、道の駅、祭り、移動中の会話など、旅先での偶発的な交流も評価につながっている。
子どもが楽しめるスポットや施設・体験があった
1位の千葉県は、有名テーマパークを中心に、水族館や海・海水浴場、牧場などを推す声が多かった。2位の沖縄県は、水族館やビーチ、プールに加え、新たなテーマパークやマリンアクティビティなど、自然を生かした体験型スポットが目立つ。3位の福井県は新たにトップ3入りし、恐竜関連施設を挙げる人が多い。4位の大阪府は、有名テーマパークに加え、大阪・関西万博も挙がった。7位の北海道と10位の熊本県は新たにトップ10入りした。
若者が楽しめるスポットや施設・体験があった
1位の千葉県は、有名テーマパークを中心に、ショッピング施設や水族館、海などを推す声が多かった。2位の沖縄県は、マリンアクティビティや水族館、ビーチに加え、テーマパークや国際通りなど、自然体験からまち歩きまで幅広い。3位の大阪府も有名テーマパークが一番人気だが、2025年度は大阪・関西万博も挙がったほか、なんば・道頓堀、買い物、ライブ、スポーツ観戦など楽しみ方は多岐にわたる。7位には神奈川県が新たにランクインし、横浜・みなとみらい、中華街、箱根、江の島・鎌倉など、多様なスポットが挙がった。
大人が楽しめるスポットや施設・体験があった
1位の沖縄県は、海や水族館に加え、テーマパーク、国際通り、アメリカンビレッジ、居酒屋など、自然体験からまち歩きまで幅広い回答が挙がった。2位の千葉県はテーマパークが圧倒的に人気だが、水族館やショッピング施設、海、温泉、寺社なども見られた。3位の長崎県はテーマパークが最も多く、軍艦島、出島、グラバー園、教会など、歴史文化に関するスポットも目立つ。10位には香川県が新たにランクインし、金刀比羅宮をはじめとする神社仏閣のほか、水族館、公園、美術館、島めぐり、アート関連のスポットなどが挙がった。
ご当地ならではの体験・アクティビティが楽しめた
1位の沖縄県は、シュノーケリングやダイビングなどのマリンアクティビティが圧倒的に人気。テーマパークやクルーズ、島めぐりなども挙がった。2位の大分県は温泉が最も多く、地獄めぐりや露天風呂、足湯など、温泉地ならではの体験が支持された。3位の北海道は温泉を中心に、スキー・スノーボード、スポーツ観戦、クルーズ、乗馬など幅広い体験が見られた。新たにトップ10入りした青森県、長野県、愛媛県、岐阜県では、温泉のほか、祭り、りんご狩り、登山、サイクリング、鵜飼など、各県ならではの体験が挙がった。
現地で良い観光情報を入手できた
1位は沖縄県、2位は北海道、3位は長崎県。宿泊施設や観光案内所、駅、道の駅など、現地で直接得られた情報に関する回答が多い。特にホテルスタッフやガイド、タクシー運転手、地元の人など、人を介しておすすめの飲食店や観光スポットを知ったケースが多く見られた。パンフレットやチラシ、現地施設での案内に加え、地元ならではの旬な情報や旅先で役立つ具体的な情報が、満足につながっていることがうかがえる。
今後行きたい旅行先ランキング
今後行きたいと思う旅行先を3つまで挙げてもらったところ、1位は北海道、2位は沖縄県、3位は東京都となった。上位4都道府県は前年度と同じで、北海道と沖縄県が引き続き高い人気を維持している。トップ10の顔ぶれはおおむね前年度と同様だが、鹿児島県が新たにトップ10入りした。
地域らしさを実感できる体験が満足度向上につながる傾向
国内宿泊旅行実施率が伸び悩む中でも、満足度の高い地域では、食や土産物、体験などを通じて、旅行者が「その土地に来たからこそ」の価値を実感できることが、満足感につながる傾向がみられた。
総合満足度で2年連続1位となった香川県は、延べ宿泊旅行者数、旅行費用ともに前年度から増加した。旅行費用は全国平均よりも低く、比較的リーズナブルに楽しめることも魅力の1つ。また、「地元ならではのおいしい食べ物」で2位、「魅力のある特産品や土産物」で5位に入っており、うどんをはじめとした食や土産物など、地域らしさを感じられる要素が旅行者に伝わりやすいエリアなのかもしれない。2025年度は瀬戸内国際芸術祭も開催され、瀬戸内らしい景観や島々、アート、歴史文化と結び付いた体験も、旅行者の満足度を高めた可能性がある。石川県は総合満足度で4位、「地元ならではのおいしい食べ物」で1位、「魅力のある特産品や土産物」で2位に入り、海鮮や寿司、のどぐろ、地酒、金箔、和菓子、九谷焼など、石川県ならではの食や文化が高く評価されている。復興が進む中で、こうした地域の魅力が改めて旅行者の満足感につながった結果と言えそうだ。
「今回の結果からは、食や土産物、景観、文化など、地域に根差した魅力を旅の中で具体的に実感できることが、旅行者の満足度を高めていることが見えてきます。地域らしさは、そこに『ある』だけではなく、旅行者が旅の中で出会い、味わい、体験できる接点として届けられてこそ、旅先での満足感につながるのではないでしょうか」(JRC研究員 池内 摩耶氏)













