帝国データバンクは、2026年7月9日に「上場企業の平均年間給与動向調査(2025年度決算)」の結果を発表した。調査対象は、2025年度決算期(2025年4月~2026年3月期)を迎え、有価証券報告書に「平均年間給与・従業員平均年齢・勤続年数」の記載がある上場企業。調査方法は、有価証券報告書の記載内容を基に集計したもの。

上場企業の平均年収は692.6万円、1,000万円超企業は最多235社

2025年度決算期の上場企業における平均年間給与は692.6万円で、前年度比3.2%増となった。増加額は21.5万円で、月換算では約1.8万円増加した。中央値は661.6万円だった。前年度から平均年間給与が増加した企業は76.8%に達し、最高水準となった。増加率では「(2.5%以上)5%未満」が25.2%で最多となり、「(5%以上)10%未満」や「10%以上」の企業も一定数を占めた。

  • 上場企業の平均年収

    上場企業の平均年収

平均給与別では、「600万円台」(939社)が最も多く、次いで「500万円台」(850社)、「700万円台」(677社)となった。一方、「1,000万円以上」の企業は235社となり、社数ベースで過去最多を更新。上場以降初めて平均給与が1000万円を超えた企業も51社となった。

  • 2025年度 平均給与レンジ

    2025年度 平均給与レンジ

製造業の平均年収は初の700万円台、海運業は1000万円超

産業別では、全産業で2003年度以降の集計分における過去最高額を更新した。

製造業の平均年間給与は702.6万円となり、初めて700万円台を突破。前年度から20.9万円増加した。非製造業は686.8万円で、前年度比21.8万円増となった。業界別で最も平均年間給与が高かったのは「海運業」(1120.1万円)で、全業界で唯一1000万円を超えた。続いて「証券、商品先物取引業」(962.1万円)、「保険業」(936万円)、「鉱業」(911.7万円)となった。また、前年度からの伸び率が最も高かったのは「ゴム製品(製造)」で、13.2%増の695.6万円となった。

  • 産業別の平均給与動向

    産業別の平均給与動向

東証プライムの平均年収は793.2万円、800万円台目前に

上場市場別では、「東証プライム」上場企業の平均年間給与が793.2万円で最も高かった。前年度から29.9万円増加し、増加率・増加額ともに全市場で最高となった。

「東証グロース」は648万円、「東証スタンダード」は615.6万円となり、東証全市場で平均年収が600万円を超えた。

  • 上場市場別 平均年間給与額推移

    上場市場別 平均年間給与額推移

賃上げ進む一方で企業間や世代間の格差も拡大

人手不足への対応などを背景に、上場企業では賃上げによって人材確保を進める動きが広がっている。2025年度の平均年間給与は過去最高となり、東証プライムでは平均800万円到達も視野に入る。一方で、利益を背景に賃上げを進める企業と、採用競争への対応を目的とした防衛的な賃上げを行う企業の二極化も進んでいる。

また、若手社員の初任給やベースアップが進む一方、40~50代以上を対象とした「黒字リストラ」など、中堅・管理職層が調整対象となるケースも見られる。今後は、初任給や平均給与額だけではなく、幅広い世代を含めた評価・報酬制度の再設計が必要な局面になっているとしている。