北海道を地盤とする独立系のIT企業・HBA(本社・札幌市)が、小樽市の地域子育て支援センター「おやこの集いの場」のネーミングライツ(施設命名権)を取得した。
新しい愛称は「HBA おやこよりみちるーむ とことこ」。HBAでは、子ども向けのデジタル講座の企画など、施設の運営面でも協力していくという。
遊びや授乳などにも利用できる大型商業施設内のスポット
「おやこの集いの場」は、小樽市内4カ所目の地域子育て支援センターとして2025年12月にオープンした。JR小樽築港駅に直結した大型商業施設「ウイングベイ小樽」の4階という、利便性のよさが最大の特徴。未就学児とその保護者であれば、無料で利用できる。
700平方メートルの広々とした館内は、滑り台や遊具、おもちゃなどで遊んだり、静かに絵本を読んだりするスペースに分かれている。授乳やおむつ交換も可能だ。
また、絵本の読み聞かせや親子向けの講座が定期的に開かれているほか、常駐するスタッフが子育ての相談にも対応している。
ウイングベイ小樽はスーパー、量販店、飲食店、シネコンなどが入る複合商業施設。ショッピングの途中にキッズスペースのように過ごす家族連れも多い。オープンして半年ほどだが、週末は入場制限がかかる日があるなど、順調に利用が伸びているという。
HBA社員が催しに参加するアイデアも
このたび小樽市が「おやこの集いの場」のネーミングライツスポンサーを公募したところ、同市の行政システムの開発・保守を長年担ってきたHBAが応募した。同社では社員の子育て支援や健康経営などに力を入れており、市の施策に共感したことが決め手になった。
愛称の「HBA おやこよりみちるーむ とことこ」には、「就学前の子どもたちも親しみやすい」「買い物のついでに気軽に立ち寄ってほしい」という思いを込めた。カラフルな配色のロゴは、多彩な機能があることやワクワク感を表現している。
ネーミングライツ料は年間80万円で、2026年7月から2031年6月末まで5年間の契約。料金は施設の運営費に充てられる。
HBAでは施設の運営面でも協力していく計画。クリスマスやハロウィンなどに催しを企画したり、ITやデジタルに触れられる子ども向け講座の開催したりといったアイデアが浮上している。
小樽市はさらなる官民連携に期待
新愛称としてのオープンに先立つ6月29日、小樽市役所でメディア向けの発表会が開かれ、小樽市長の迫俊哉氏とHBA 代表取締役執行役員社長の白幡一雄氏が出席した。
迫氏は「子育て世代から『親子で安心して遊べる場所や居場所がほしい』という声を受けて、『おやこの集いの場』を整備した。オープン後は市民以外の利用も増えていて、週末は札幌など市外からの利用者が6割になる日もある。新しい愛称が付いて、さらに多くの人に親しまれる施設になってほしい」とあいさつした。
「とことこ」と同じフロアには、こども家庭センターもあり、市の子育て支援機能が集約されている。「とことこ」の利用をきっかけに、市の事業の周知や利用につなげていきたい考えだ。
HBAにとって2例目のネーミングライツ
これに対して、HBAの白幡氏は「当社には小樽市在住の社員も多く、市の事業を応援するためにも命名権を取得した。たくさんの親子が利用するということで、HBAという社名を知ってもらうきっかけにもなる」などと抱負を語った。
同社にとって、ネーミングライツの取得は、北海道大学の学生食堂に続いて2つ目の施設。北大とはソーシャルアントレプレナーの育成といった人材育成の事業に発展している。また自治体とは、道東の鹿追町と地方創生やSDGsに関する包括連携協定を締結している。 「『社会課題解決企業』が当社の理念。さまざまな面で北海道を盛り上げていくことが、本業のITソリューションにもつながる」と、白幡氏は地域貢献のねらいを話していた。





