HBAは4月25日、同社が推進するITを活用したGX(グリーントランスフォーメーション)実証事業の第一弾として、バイオマスとしての活用が期待される植物「ジャイアントミスカンサス(GM)」の初収穫を、北海道河東郡鹿追町の実証圃場にて実施した。

  • ジャイアントミスカンサス初収穫の様子

    HBAの実証圃場で行われたジャイアントミスカンサス初収穫の様子(出所:HBA)

次世代バイオマス資源として注目が集まる“GM”とは?

世界的なAI活用の拡大などを背景として、データセンターなどで消費される電力量は急速に増大している。一方で、環境意識の高まりからカーボンニュートラルに向けた取り組みは急務となっており、エネルギー面での変革が求められている。

そうした中、ITソリューション企業としてGX実現に向けたさまざまな取り組みを進めるHBAは、その実証事業の一環として、GMを活用したバイオマス資源の活用を目指しているという。日本名では「オギススキ」と呼ばれ自然雑種として国内に自生もしている多年生イネ科植物のGMは、1年で3~4mにまで成長するとされ、高いCO2吸収力や病虫害への耐性の高さ、約20年にわたって安定的な収量が期待できる点などの特徴から、すでに世界的に次世代型バイオマス資源として注目が集まっている。

  • ジャイアントミスカンサス(オギススキ)

    次世代バイオマス植物として期待されるジャイアントミスカンサス(オギススキ)(出所:HBA)

北海道を主要拠点とするHBAは、地方創生およびSDGsの取り組み実現に向けた包括連携協定を締結している北海道河東郡鹿追町を舞台に、このGMを活用したGX実証事業に着手。農業の未来創造や生涯雇用機会創出、地域の課題解決などを主目的とする同事業では、耕作放棄地などの未利用地でも安定した成長が期待できるGMの特徴を活かし、鹿追町の未利用地の活用を通じた省力的かつ持続可能な地域農業モデルの構築、および脱炭素社会の実現を目指しているとする。

初回収穫は成功、今後はロボットやドローンも活用予定

なお同社によると、2026年度は約7000m2(0.7ha)にわたる実証圃場でGMを栽培しており、初年度の収量はペレット換算で約10トンとのこと。収穫されたGMは、その後ペレットに加工され、ペレットストーブなどによる熱源活用の形でエネルギー利用まで実証が行われる予定だといい、農業ハウスでの熱源利用を行うことで、高付加価値の果物などの栽培を通じて新価値創造につなげていきたい考えだ。

  • GM栽培実証圃場

    ジャイアントミスカンサスが栽培されている実証圃場(出所:HBA)

  • 収穫されたGM

    収穫されたジャイアントミスカンサス(出所:HBA)

この一連の実証事業において、現場作業では内海ファームと協力しているといい、エネルギー利用およびペレット化には大成建設が技術協力を行っている。さらに今後はさらなるIT化を目指し、GMの栽培管理や生育・収穫支援、耕地管理、害獣監視などについて、HBAとして手掛けるAIやドローンをはじめとするロボットソリューションを段階的に導入していく計画だとしており、「草刈りロボット」やGMペレット化作業の無人実施に貢献する「集草ロボット」は、初回の収穫でも活躍したという。

  • 実証圃場の上空を飛行するドローン

    実証圃場の上空を飛行するドローン(出所:HBA)

  • 集草ロボット

    収穫に用いられた集草ロボット(出所:HBA)

HBAは今回の初収穫について、鹿追町という地で実現できたことも踏まえ、未来を見据えた新たな一次産業モデル創出へのスタートと位置付けているとのこと。また、実証事業を通じて得られた知見は、鹿追町を拠点とした“スマート農業”への展開にも活かしていく上、農業分野に限らずエネルギー、雇用創出、防災などといった地域社会の総合的な課題解決にも応用していくとしている。