7日、小池栄子主演の夏ドラマ『さよならノワール』(フジテレビ系、毎週火曜21:00~)がスタートする。

小池と言えば、6月27日まで『ムショラン三ツ星』(NHK総合)で主演を務めるなど、推しも押されもせぬ人気女優だが、グラビアアイドルとしてデビューしたことを覚えている人は多いだろう。さらにバラエティで次々に実績を残して『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)のMCを3度務める(※上戸彩に次ぐ女性2位)などテレビの売れっ子となっていた。

だからこそ女優としての出演には懐疑的な視線もあったが、それが変わりはじめたのは00年代中盤ごろ。05年の『大奥~華の乱』(フジ系)、06年の『嫌われ松子の一生』(TBS系)で立て続けに激しい役を演じて強烈な印象を与えていた。

ただ、実は同時期に業界内で評価を得ていたのが、07年放送の『山おんな壁おんな』(フジ系、FODで配信中)。小池の活躍とともに、令和の今、面白い作品としての魅力をドラマ解説者・木村隆志が掘り下げていく。

  • 『山おんな壁おんな』原作/高倉あつこ「山おんな壁おんな」(講談社イブニングKC所載)

    『山おんな壁おんな』原作/高倉あつこ「山おんな壁おんな」(講談社イブニングKC所載)

女性の胸をめぐるセクハラの数々

舞台は創業300年の歴史を持つ老舗百貨店の丸越デパート。「1日10万人が訪れるショッピングの一大テーマパーク」「1階フロアは女性の夢うずまくワンダーランドでバッグ売場が花形」という時代背景に19年間の変化を感じさせられる。

主人公は4年連続売上トップを誇るバッグ売場のエース・青柳恵美(伊東美咲)と、他店舗から異動してきた毬谷まりえ(深田恭子)の2人。さらに、本店の販売員とバッグメーカーの販売員との競争や連帯を含めた“OLのお仕事ドラマ”というベースで物語は進んでいく……のだが、「これでもか」というほど “女性の胸”がフィーチャーされた。

第1話開始早々、満員電車に乗った恵美が「何これ? やわらかい……」とつぶやき、痴漢と思いきや、まりえの胸が背中に当たっていたというシーンで2人は出会う。その後、まりえの豊満な胸のボタンがはち切れて飛んでしまうシーンが連続。恵美の口に入ってしまったり、接客中に飛んで胸の谷間を見せながら販売したり、泣いている幼児に胸をもまれたりなど、まりえの胸がちょっとした騒動を起こしていく。

令和の今見たら「セクハラ」と感じる描写が多く、たとえば第1話では、まりえの胸を見た女好きの社長御曹司・奥園雅之(及川光博)から「G(カップ)はあるな」と話しかけられた副部長・葛沼忠(温水洋一)が「お言葉ですがHでしょ」と返すシーンがあった。

続けて奥園が「あの子は僕が見つけたんだぞ。かわいいだろ」、葛沼が「さすがはお目が高い、胸が高い。揺れてますよ、Hカップが。Hって白菜くらいはあるんでしょうか」、奥園が「白菜? いや違うな。スイカだ。スイカが2つ」と話し、しかもこの会話を背後で恵美が聞いていた。

第2話でも恵美がまりえへのセクハラを部長の田村剛彦(谷原章介)に訴え、社員向けの「セクハラ防止に関する緊急ミーティング」が行われるシーンがあった。ただ、「セーフ」と「アウト」の基準に当時らしい甘さが見られるところが面白い。

もう1つ興味深かったのが、恵美がミスをしたまりえをバックヤードに呼び出し、「もっとプロ意識を持ちなさい」と言って泣かせてしまうシーン。すぐに「あなたにはいいところがたくさんあるんだから」などと励ましていたが、当時はハラスメントと言えばセクハラでパワハラはそこまで意識が高くなかった様子がうかがえる。