ところでインタビューの終盤、本仮屋が「この記事が上がる頃には、もう終わっているかもしれないですけど…(笑)」と前置きして話してくれたのが、思いがけないトロンボーンとの「出会い直し」による、マイブームの兆しだった。

かつて、映画『スウィングガールズ』(04年)でトロンボーンを担当していた縁で、先日、自身のラジオ番組内の企画で、16年ぶりにトロンボーンに挑戦する一幕があった。

「『音が出た!』って思ったんですけど、番組のディレクターさんから、『せっかくだからお家に持って帰って練習したら?』って勧められて。普段だったら絶対に手に取らないのですが、今回はなんだか不思議な出会い直しをした感じがして、お言葉に甘えて、しばらくお借りすることにしました。だから今、家にトロンボーンがあるんです(笑)」

それから毎日30分、ただひたすら音階練習を続けているのだそう。

「曲にならないんですよ(笑)。ただ音階を吹いているだけなんですけど、それがすっごく楽しくて。映画を撮っていた当時は『みんなに迷惑かけないようにしなきゃ』と必死だったけど、いま大人になって再び手に取ってみると、音が出るだけでうれしいし、『あぁ、みんなと一緒に吹いた時はこうだったな』と感慨に浸ったりして。それが今のマイブームです(笑)」

楽譜が読めないため、ChatGPTを全面的に頼りにしながらも、たまに間違った指示を出されては、ChatGPT相手にケンカもしているのだとか。でも「それさえも楽しい」と笑う。

青春時代に懸命に吹いた楽器と、大人になって再びじっくりと向き合う時間。それは、本仮屋にとって、かけがえのないひと時になっているのかもしれない。

●本仮屋ユイカ
1987年生まれ、東京都出身。99年『わくわくサイエンス』(NHK)で芸能界デビュー。01年のドラマ『3年B組金八先生』(TBS)などの演技で注目を集め、05年NHK連続テレビ小説『ファイト』のヒロインに選ばれる。映画・ドラマのほか、『王様のブランチ』(TBS)で情報バラエティのMCも担当した。近年の出演作は『私の夫は冷蔵庫に眠っている』(テレビ東京)、『愛しい嘘~優しい闇~』『バツイチ2人は未定な関係~『ふつう』、やめます!編』『今日からヒットマン』(テレビ朝日)など。21年から「ゆいか」名義で歌手活動をスタート、現在は『ONE-J』(TBSラジオ)、『三菱地所レジデンス Sparkle Life』(TOKYO FM)のパーソナリティを担当、YouTube番組『ユイカのラジオ』も配信中。