俳優の本仮屋ユイカが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、21日・28日の2週にわたり放送される「私が踊り続けるわけ5 ~60歳 還暦のストリッパー物語~」。日本最高齢のストリッパー・星愛美さん(59)が還暦という大きな節目に向かって踊り続ける姿と、彼女を取り巻く人々を追った作品だ。
後編の大きなテーマのひとつが、愛美さん自身が「自分の終わり方」について思いを巡らせる姿。自分がいつかどこかで終止符を打つとしたら、それはどういう時なのか。がんや股関節の痛みと闘い、そんな問いをひとりで抱え踊り続ける愛美さんに、本仮屋の心は深く揺さぶられたという――。
全てを抱えて挑む還暦のステージ
日本最高齢、59歳のストリッパー・星愛美さんは、脚の痛みとがん再発への不安を抱えながら、何とか舞台に立ち続けてきた。胸にあるのは「還暦まで踊り続けたい」という強い思いだ。
劇場では若い踊り子たちが愛美さんの背中を追っていた。新人のゆう希さんは、愛美さんの指導の下、難しいパイプ椅子の演目に挑戦。自分だけの表現をつかもうとしていた。一方、リナさんは、病による休養を乗り越え、デビュー5周年のイベントで新たな演目に挑む。彼女もまた、愛美さんの生き方に強く引かれていた。
後輩の成長は、愛美さんに新たな覚悟を突きつける。彼女たちが成長すれば、いつか自分の出番はなくなっていく。だから自分も、それ以上の踊りを見せなければならない。60歳を前にしてなお、愛美さんは自らを追い込んでいた。
だが、がんの経過観察にも不安が残り、脚の痛みが再び襲う。体調も日によって揺れる日々…。そんな中、悲しい知らせが届く。余命宣告を受けながらも愛美さんの踊りを見るために、劇場に足を運び続けた同い年の女性ファン・ようこさんの訃報だった。同じ肺がんを抱え、励まし合ってきた2人。還暦のステージで再会を果たすことはかなわなかった。
全てを抱えて向かう還暦の舞台。人生の集大成とも言えるステージで、愛美さんは何を見せるのか…。
「私にもこういう気持ちがあっていいんだ」
「私は、女優になりたいと思った時に、家族から『女優さんは、どんなことも仕事の表現につながるし、長い期間できる仕事なんだよ』と教わったんです。だから私自身、『女優は、おばあちゃんになってもできるんだ』『チャンスがありさえすれば、自分が生きている限り、そして自分の情熱が続く限り、できる仕事なんだ』と思っていたので、『終わり』を考えたことがなかったんですよね」という本仮屋。そこには、愛美さんと同じく「板の上」に立ち続けてきた者としての共鳴がある。
「愛美さんが、自分でその終止符をどこに打つかを考えている。その覚悟と美学を目の当たりにして、改めてすごいなと思いました。愛美さんの中に、『これだけのステージができないのであれば、私はステージから降りる』という、見ている側にはわからないラインがきっとお有りなんだろうと。私は、ズルズルそのラインを下げて下げて下げて、どうにかずっと出ていたいなって思ってしまうタイプなので(笑)」
後編では、還暦を目前に控えた愛美さんが、後輩の踊り子たちとどう向き合うかも描かれる。リナさんやゆう希さんたちを「娘のように」慈しむ一方で「後輩はライバルでもある」と、現役ストリッパーとしての矜持を語る愛美さんの姿に、本仮屋は目を細めた。
「愛美さんの、今出てきている新人の人たちと同じ土俵で勝ちに行きたいというあの感じ、私はすごく好きだなと思いました(笑)。私も19歳からこのお仕事が始まって、最初は周りの大人たちが、なんとか私を良い方へ、良い方へと引っ張り上げてくれる時間があった。今は微力ながら、自分も引っ張る側に立たせてもらえることがありますが、それでもどこかで『私だって、引っ張られたい』という気持ちが湧き上がることもあって…(笑)。愛美さんですら、いまだにそういう境地なんだというのが分かって、私にもこういう気持ちがあっていいんだと思えました」
本仮屋が「後編の見どころのひとつ」として挙げるのが、イヴさん(62)という伝説の人物の登場だ。
「『1980年代、男性の視線を釘付けにしていた』というナレーションを読みながら、すごい原稿だなと思っていたのですが、当時の写真を見たら納得の美しさと説得力だったんです。一時代を築かれている方は、ずっと色褪せないし、今見ても惹きつけられる。女性としてのフェロモンの出方に、『うわっ!』とびっくりしました。しかもイヴさんは愛美さんよりさらにお歳が上の方なのに、いまでもあんなにきれいに足が回るなんて…!」


