
2025年12月、全20曲収録の超大作アルバム『ENSEMBLE』をリリースしたArakezuri。彼らは、3月から、「讃歌斉唱」と題した同作のリリースツアーを通して全国のライブハウスを巡り続けており、5月29日(金)には、渋谷CLUB QUATTROで東京公演を敢行した。チケットは見事ソールドアウト。「讃歌斉唱」というツアータイトルが象徴的なように、今回も彼らは、一人ひとりの「あんた」を讃える歌を全身全霊で送り届け、そして、一人ひとりの観客は、4人の渾身のメッセージをまっすぐ受け止めていた。今回も、4人が立つステージと同じくらい、一人ひとりの観客が立つフロアが輝いて見えた。以下、当日の模様を順を追ってレポートしていく。
白井竣馬(Vo)、石坂亮輔(Gt)、宇野智紀(Ba)、椿佑輔(Dr)がステージイン。ドラム前でグータッチした4人が豪快な一撃をかまし、瞬く間にフロアが熱く沸き立つ中、”陽は落ちても、星の真裏にて昇る”からライブが幕を開ける。一人ひとりの観客に向けて真摯に語りかけるように響く白井の歌を受け、観客が天高く拳を突き上げて応える。間奏では、熱烈にして流麗な石坂のギターソロが遺憾無く昂る。1曲目にして、フロアはさながらクライマックスの様相だ。
続いて、「あんたに!」向けて”ウルトラエール”を届ける。白井は、クアトロ名物の柱に向けて、「この柱があるから俺たちライブができてるわけですよ!」と感謝を伝えつつ、観客を巻き込みながら、「柱!」→「ありがとう!」のコール&レスポンスを何度も重ねていく。次に、椿が「まだまだでかい声出せますか! やるぞー!」と呼びかけ、”必然”へ。観客のシンガロングが盛大に響き渡り、宇野も椿も熱唱。続いて白井が、過去最高を更新する気合いを伝え、”ありふれた”へ。そして、「毎日毎日めんどくさいことばっかだけど、今日ぐらいはそんな気持ちも爆発させようぜー!」と呼びかけ、最新曲”タイギメイブン”へ繋ぐ。立て続けて、あんたの”主題歌”を披露。同曲の終盤、白井は、「あんたの人生の何かを変えられるような音楽、歌を歌いに来た。そうじゃなきゃロックバンドじゃない」「彩らせてくれよ!」と叫んだ。熱烈で、ひたむきな4人のライブパフォーマンスと相まって、その一つひとつの言葉が深く胸に響いた。
白井竣馬(Vo)

石坂亮輔(Gt)

宇野智紀(Ba)

椿佑輔(Dr)
そして、宇野のモータウンビート風のベースリフから”ラブレター”へ。軽快に跳ねるビートが心地よく、その上に重なる観客のクラップも非常に快活。次に、白井が、バンド活動を続ける上で多くの人を頼りにしていると告げた上で、「そんな人たちの頼りになりたい」と宣誓し、珠玉のバラード”月が綺麗だ”を披露。そして、バンドを続ける中では心が砕かれる瞬間もたくさんあることを明かした上で、「あんたとやったら、俺たちやったら、立ちはだかるものを越えられる気がする」「あんたのロックバンドにならしてくれよ」と呼びかけ、”時代”を披露。白井の「俺は、ライブハウスに、あんたに会いに来た!」という言葉が高らかに響くと、石坂、宇野、椿の熱演によりいっそうの力がこもる。なんてエモーショナルな展開なのだろう。
「あんたの歌を聴きに来たんですけど、まだまだ後半戦、歌えますか!」「お前こそがライブハウスのヒーローやからな!」という白井の呼びかけから、”ヒーロー”へ。続けて、「お前のおかげで俺たち!」という言葉を添えて”素晴らしい人生”を披露。”ダミダミ”、”RED”の2連打を通して、さらに熱く激的に極まってゆくフロア。
ここで白井が、「時間はかかりますけど、俺たちにも夢があるんで」「俺たちの人生、今から歌います」と前置きし、”あらすじ”を披露。2番Aメロでは歌詞を替え「世話になったQUATTROも今日もソールドアウト!」と叫び、また、〈いつか連れてくよ あの場所 最寄駅は九段下駅〉の一節を、まるで一人ひとりの観客と約束を結ぶように真摯に歌い届けてみせる。続けて、「だめでもともと、まずはやってみようぜ、一緒に!」と呼びかけた流れから”だめでもともと”へ。そしてここで、今年1月にZepp Shinjukuはソールドアウトをしているが、昨年もう少しのところでソールドアウトが叶わなかったSpotify O-EAST 公演に来年1月に再びチャレンジすること、また、大阪と名古屋で過去最大キャパシティの会場でワンマンライブを行うことを発表。愚直に、一歩ずつでも確かに前へ進んでいく、とても彼ららしい選択だ。

温かな拍手が会場全体から送られる中、いよいよライブはラストスパートへ。”キーホルダー”では、白井が「Arakezuriがついてるぞ!」と観客を激励し、”ドリーマービリーバー”では、観客が、この日を通して何度も更新されてきたピークをさらに更新する大きさのコールで4人の想いに応える。そして、”ピースオブケイク”では、「俺たちなら大丈夫」という深く輝かしい確信を共有してみせる。ついに迎えた本編ラストの曲は、彼らの新たな代表曲”シンガロング”。燦々としたライトによって照らし出された一人ひとりの観客が、4人の魂の熱演に特大シンガロングを重ねていく。

鮮やかな幕締めの後に実現したアンコールでは、少し前に誕生日を迎えた白井をサプライズで祝う一幕を経て、「誕生日、抱きしめてもらったんで、俺も抱きしめます」という言葉と共に”ホールドミータイト”を、そして、「俺たちらしく!」という高らかな呼びかけと共に”たいせつ”を披露。「ほんまに大切な音楽は、誰に何を言われても譲らんとこうな!」白井の言葉によって終幕と思いきや、急遽”クアトリーセンチュリー”を追加で披露。メンバーも観客も、最後の最後まで全身全霊で駆け抜けた圧巻の全23曲だった。
セットリスト
1. 陽は落ちても、星の真裏にて昇る
2. ウルトラエール
3. 必然
4. ありふれた
5. タイギメイブン
6. 主題歌
7. ラブレター
8. 月が綺麗だ
9. 時代
10. 蕾
11. ヒーロー
12. 素晴らしい人生
13. ダミダミ
14. RED
15. あらすじ
16. だめでもともと
17. キーホルダー
18. ドリーマービリーバー
19. ピースオブケイク
20. シンガロング
EN1. ホールドミータイト
EN2. たいせつ
EN3. クアトリーセンチュリー
<リリース情報>
Arakezuri
「ひだまり」
配信日:6月10日(水)
配信URL:https://nex-tone.lnk.to/Arakezuri_hidamari
<ライブ情報>
9th Anniv. Tour 9周年番狂せ
2027年1月10日(日)心斎橋BIGCAT
開場:16:45 / 開演:17:30
2027年1月15日(金)名古屋 Bottom Line
開場:18:15 / 開演:19:00
2027年1月31日(日)渋谷Spotify O-EAST
開場:16:45 / 開演:17:30
チケット料金 スタンディング 4400円(Dr別・整理番号付き)
チケットURL: https://eplus.jp/arakezuri/9th/
