「お前は金持ちじゃないスネ夫だ」――。上阪隼人が、自身が演じる役柄のイメージについて吉田恵輔監督からかけられた印象的な言葉を明かした。人の痛みが理解できない少年役について、「環境に共感するのが一番難しかった」と役作りを振り返った。
上阪隼人の演技を吉田恵輔監督が絶賛「素晴らしかった」
映画『四月の余白』(6月26日全国公開)の完成披露舞台挨拶が8日に都内で行われ、一ノ瀬ワタル、夏帆、上阪隼人、山崎七海(※崎はたつさき)、吉田恵輔監督が登壇した。
映画『四月の余白』は、吉田監督自身が多感な時期に出会った非行少年や彼らを取り巻くコミュニティをモデルに、人の痛みも常識も理解できない少年たちと、そんな子供たちに本気でぶつかりながらも彼らに寄り添う大人の生々しいもがきを描いた作品。
映画初主演となる一ノ瀬が元半グレで現在は更生施設「みらいの里」寮長の西健吾役を演じ、中学校教師の草野冬子役を夏帆、暴力衝動が抑えられず問題行動を繰り返す澤海斗役を上阪、「みらいの里」で暮らす寮生・詩役を山崎が演じる。
人の痛みが理解できない不良少年の海斗を演じた上阪。この役を演じる上で心がけたことを聞かれると、「海斗を変化させてしまった周りの環境、人の痛みが分からないような少年に変えてしまった環境を考えながら演じるのがとても難しくて……それに共感するのが一番難しいと思ったところです」と説明した。
また、海斗役はオーディションで選ばれたが、吉田監督は「海斗のイメージって伝わりづらいじゃないですか。ザッツ不良みたいなことではない、コバンザメのヤバそうなやつ、というキャラクターで」と前置きしながら、「(上阪が)来たときに『いた!』『いるんだ!』と思って。『しかも、俺が想像していない天パだ!』と思って。芝居も素晴らしかった」と振り返った。
吉田監督とは数多く話し合いをしたそうで、上坂は「監督と最初にお会いしたとき、『お前は金持ちじゃないスネ夫だ』と言われて……」と当時を回顧。「『先輩の力を借りて威張っている、でもけんかは弱い、いいところは何もないやつだ』と言われて、それを意識して。でも少し見捨てられない少年っぽさも残しつつ演じました」と意識していたことを明かした。
なお、この日が初めての舞台挨拶だという上阪は、「人生で一番緊張しています」と率直な感想をこぼす場面もあった。
映画『四月の余白』ストーリー
元半グレで元受刑者の過去を背負う西健吾(一ノ瀬ワタル)は、海の見える地方都市で全寮制更生施設「みらいの里」を運営している。実体験を糧に道を踏み外しかけた子供たちに体当たりで向き合うが、体罰も辞さない更生方針は教育関係者から批判されていた。ある時、中学教師の冬子(夏帆)から手に負えない生徒の海斗(上阪隼人)と、鑑別所帰りの悠について相談を受ける。2人に会った西は、一瞬で海斗の狂気を見抜いた。
激しい家庭内暴力に疲れた母(占部房子)も息子を「みらいの里」に託すと決意するが、海斗は施設でも寮生とトラブルを起こして脱走。さらには傷害事件で逮捕されてしまった。西は海斗の父(篠原篤)から責め立てられた。若い頃、西にリンチされ、左脚に障害が残ったというのだ。記憶のない過去と向き合う西にできる贖罪は、海斗を更生させることだけ。「ひとは変われる」と信じて新たな取り組みに踏み出すがーー。








