JMDCと住友生命保険は5月29日、歩数の増加と健康状態、医療費などとの関連性を分析した「健康増進白書」を公表した。

  • プラス1,000歩がもたらす健康増進効果

    プラス1,000歩がもたらす健康増進効果

同白書は、JMDCの医療ビッグデータと同社のPHRサービス「Pep Up」から得られた客観的な歩数データ、さらにレセプトデータや健診データを紐づけて健診結果・入院回数・医療費を解析したもの。日常生活における歩数増加の重要性を客観的なエビデンスに基づいて捉えなおすことを目的としている。

調査では、1日の平均歩数が1,000歩以上増加した「歩数増加群」と、増加しなかった「歩数非増加群」に分け、性別や年齢の影響を調整したうえで比較分析を行った。

全体の傾向として、約1年間の経過に伴い、BMI、血圧、血糖値、脂質、肝機能検査といった主要な健診項目の平均値は加齢などにより悪化する傾向が認められた。しかし、歩数非増加群で多くの項目の悪化がみられたのに対し、歩数増加群ではBMI、収縮期・拡張期血圧、LDLコレステロール、空腹時血糖などの値に改善傾向が確認された。

1年後のBMI平均変化量は、歩数非増加群がプラス0.136であったのに対し、歩数増加群はマイナス0.035と低下方向に働き、健診値改善者の割合も歩数増加群のほうが高い水準となった。

  • 全体の1年後の健診値の平均変化

    全体の1年後の健診値の平均変化

  • 歩数非増加群と歩数増加群のBMI変化の比較

    歩数非増加群と歩数増加群のBMI変化の比較

また、入院リスクや医療費の観点からも歩数増加の有用性が示された。歩数増加群では平均入院回数と平均入院医療費がともに低い傾向にあり、特にがん・心筋梗塞・脳卒中の3大疾病に限定した場合、歩数増加群は歩数非増加群に比べて平均入院回数が43.2%少なく、平均入院医療費も42.6%少ないという顕著な差が確認できた。

  • 歩数非増加群と歩数増加群の入院リスクの比較

    歩数非増加群と歩数増加群の入院リスクの比較

同白書の分析から、1日の平均歩数が1,000歩以上増加することが、健診値の改善・3大疾病の入院回数・入院医療費の低減と関連する可能性が、大規模リアルワールドデータによって多角的に示された。