神奈川県横浜市・JR関内(かんない)駅を出ると、特別な存在感を放つ建物が見える。2026年春に開業したばかりの「OMO(おも)7横浜 by 星野リゾート」は、かつて横浜市庁舎行政棟として親しまれた名建築を活用した「レガシーホテル」。歴史と現代が交差する"新しい横浜"を体験してきた。

  • 「OMO7横浜 by 星野リゾート」(神奈川県横浜市)

    「OMO7横浜 by 星野リゾート」(神奈川県横浜市)

  • 市民に親しまれた旧横浜市庁舎行政棟の景観を継承

    市民に親しまれた旧横浜市庁舎行政棟の景観を継承

ホテルがあるのは、同じく旧横浜市庁舎跡地を活用し建設された大型複合街区「BASEGATE横浜関内」の中。横浜スタジアムも目の前だ。

  • 関内駅の目の前で、みなとみらいや横浜中華街などへも徒歩圏内

    関内駅の目の前で、みなとみらいや横浜中華街などへも徒歩圏内

ホテルブランドとしては、星野リゾートが"テンションあがる「街ナカ」ホテル"として展開する「OMO」。その中でもレストランなどを備えたフルサービスライン「OMO7」となる。

  • 「OMO(おも)」は全国に現在18施設を展開している

    「OMO(おも)」は全国に現在18施設を展開している

  • OMOの施設タイプ、サービスの幅によって数字が変わる

    OMOの施設タイプ、サービスの幅によって数字が変わる

コンセプトは「気分上々、ハマイズム」。横浜開港以来受け継がれてきた歴史と文化に現代の感覚や解釈を掛け合わせることで、新旧が融合した奥深い魅力を感じる新しい横浜体験を提案するという。

  • 「気分上々、ハマイズム」がコンセプト。"ハマイズム"とは、横浜のハマっ子が時代ごとに新旧を融合させ常に新しいものとして発信してきたエネルギーを表現したもの

    「気分上々、ハマイズム」がコンセプト。"ハマイズム"とは、横浜のハマっ子が時代ごとに新旧を融合させ常に新しいものとして発信してきたエネルギーを表現したもの

名建築を継承した「レガシーホテル」

旧横浜市庁舎は、横浜開港100周年記念事業として1959年に昭和を代表する建築家・村野藤吾氏の設計により竣工、60年以上にわたり横浜市政を支えてきた。市民に親しまれた旧市庁舎の景観を継承するため、行政棟を原位置に残し、観光の賑わいの拠点となるよう活用したのがこのホテルだ。

  • 日本の近代建築を支えた昭和を代表する建築家・村野藤吾氏

    日本の近代建築を支えた昭和を代表する建築家・村野藤吾氏

エントランスから広がるパブリックスペース「OMOベース」では、シンボリックな大階段が1階と2階をつなぐ。これは旧横浜市庁舎の象徴だった旧市民広間 大階段のデザインを継承し、再構築したものなのだそう。村野氏のデザインを象徴する、なめらかな曲線を描く手すりの一部も再活用。グリーンのレトロかわいい椅子は、旧市会棟本会議場の議員席を再利用している。

  • シンボリックな大階段は、旧横浜市庁舎の象徴だった旧市民広間 大階段のデザインを継承

    シンボリックな大階段は、旧横浜市庁舎の象徴だった旧市民広間 大階段のデザインを継承

  • 「手すりの名手」とも称された村野藤吾氏による、なめらかな曲線を描く手すり

    「手すりの名手」とも称された村野藤吾氏による、なめらかな曲線を描く手すり

  • ホテルロビーにある特徴的な円形照明は、村野藤吾氏が市会棟本会議場のために設計した円形のシーリングライトをモチーフに新たに製作されたのだとか

    ホテルロビーにある特徴的な円形照明は、村野藤吾氏が市会棟本会議場のために設計した円形のシーリングライトをモチーフに新たに製作されたのだとか

  • 旧市民広間で使われていたエレガントな大時計

    旧市民広間で使われていたエレガントな大時計

  • 2025年8月には戦後の建造物として初めて「横浜市認定歴史的建造物」に認定、「長きにわたり地域のシンボルであった旧横浜市庁舎行政棟の保全と活用により、新旧が融合した新たな都市のランドマークが形成される」点が評価されたという

    2025年8月には戦後の建造物として初めて「横浜市認定歴史的建造物」に認定、「長きにわたり地域のシンボルであった旧横浜市庁舎行政棟の保全と活用により、新旧が融合した新たな都市のランドマークが形成される」点が評価されたという

ホテルスタッフ「ご近所ガイド OMOレンジャー」による周辺のオリジナルマップは周辺散策の参考に。横浜で生まれた文化や歴史背景を知ることができる展示「ハマイズムコレクション」も見ごたえたっぷり。

  • "OMO"のかたちのベンチ

    "OMO"のかたちのベンチ

  • 「ご近所ガイド OMOレンジャー」によるホテル周辺のオリジナルマップは周辺散策のアイデアがいっぱい

    「ご近所ガイド OMOレンジャー」によるホテル周辺のオリジナルマップは周辺散策のアイデアがいっぱい

  • 横浜で生まれた文化や歴史背景を紹介する展示「ハマイズムコレクション」

    横浜で生まれた文化や歴史背景を紹介する展示「ハマイズムコレクション」

  • 横浜を知るためのさまざまなキーワードが

    横浜を知るためのさまざまなキーワードが

  • 滞在をより豊かにしてくれる建築の解説

    滞在をより豊かにしてくれる建築の解説

  • 大きな吹き抜けが開放的

    大きな吹き抜けが開放的

  • 2階ライブラリーラウンジに展示されているアートワークは、市民広間2階に展示されていたものを修復し移設したもの

    2階ライブラリーラウンジに展示されているアートワークは、市民広間2階に展示されていたものを修復し移設したもの

  • グリーンのレトロかわいい椅子は、旧市会棟本会議場の議員席を再利用したもの

    グリーンのレトロかわいい椅子は、旧市会棟本会議場の議員席を再利用したもの

  • 2階「OMOベーカリー」の壁に置かれたレリーフは、市長応接室エントランスに展示されていたものを当時のまま原位置保存している

    2階「OMOベーカリー」の壁に置かれたレリーフは、市長応接室エントランスに展示されていたものを当時のまま原位置保存している

  • 新たに制作されたタイルアート「このさきゆくさき」

    新たに制作されたタイルアート「このさきゆくさき」

「やぐら寝台」など個性豊かなレガシーカラーを基調とした客室

客室は全276室、広さ20m2〜73m2。宿泊料金は1泊1室3万6,000円~(2名利用時、食事別)。テーマカラーである赤・青・緑は、それぞれ旧横浜市庁舎内で使用されていた色を落とし込んでいるのだとか。赤は旧議長室の絨毯の色、青は旧市庁舎内の艶のある磁器質タイルの色、緑は旧市会棟本会議場の絨毯や議員席の色をイメージしている。

秘密基地のような高床式ベッド「やぐら寝台」にワクワクするのが、最大6名まで宿泊できる「やぐらスイート」。広々としたソファのリビングスペースと十分な高さのダイニングで、友人グループや家族で利用する際も同じ空間でゆったりと過ごせそうだ。

  • 「やぐらスイート」

    「やぐらスイート」

  • 階段下が収納に。さりげないイカリのマークもかわいい

    階段下が収納に。さりげないイカリのマークもかわいい

  • 広々したソファのリビングスペースと十分な高さのダイニング

    広々したソファのリビングスペースと十分な高さのダイニング

  • こちらの客室は旧市会棟本会議場の絨毯や議員席の色をイメージした緑色を基調としている

    こちらの客室は旧市会棟本会議場の絨毯や議員席の色をイメージした緑色を基調としている

  • 横浜スタジアムビューの客室も

    横浜スタジアムビューの客室も

  • 洗面台

    洗面台

  • バスルーム

    バスルーム

  • やぐら寝台

    やぐら寝台

  • OMOおなじみのコロンとしたおじゃみクッションも横浜仕様に

    OMOおなじみのコロンとしたおじゃみクッションも横浜仕様に

  • 着心地のいい滞在着(ズボンあり)

    着心地のいい滞在着(ズボンあり)

  • マグカップも横浜デザイン

    マグカップも横浜デザイン

最大4名定員の「かたりばルーム」は、中央のおこもりスペースとゆったりとくつろげるソファを備えた客室。 2名で広々と贅沢に過ごすのはもちろん、グループでテーブルを囲み語らいながら楽しむのもおすすめだそう。

  • 「かたりばルーム」は中央のおこもりスペースがかわいい

    「かたりばルーム」は中央のおこもりスペースがかわいい

  • こちらは旧議長室の絨毯の色をイメージした赤バージョンの客室

    こちらは旧議長室の絨毯の色をイメージした赤バージョンの客室

「OMOハウス」は、長期滞在にも便利なキッチンと洗濯機を備えた客室。やぐら寝台に4台のベッドを設え、広々としたダイニングでは食事や団らんを楽しむことができる。

  • 「OMOハウス」。この客室は旧市庁舎内の艶のある磁器質タイルの青色が基調

    「OMOハウス」。この客室は旧市庁舎内の艶のある磁器質タイルの青色が基調

  • やぐら寝台、下にはキッチン

    やぐら寝台、下にはキッチン

  • 広々としたダイニング

    広々としたダイニング

  • 洗濯機

    洗濯機

間近に横浜スタジアムを望むルーフトップテラス

ルーフトップテラス「HAMAKAZEテラス」(利用は宿泊者のみ)は、間近に横浜スタジアムを望む絶好のロケーションだ。見上げた屋上にある愛市の塔は建築を象徴するモニュメント。

  • ルーフトップテラス「HAMAKAZEテラス」

    ルーフトップテラス「HAMAKAZEテラス」

  • 横浜スタジアムを望むロケーション

    横浜スタジアムを望むロケーション

  • 「OMO7横浜 by 星野リゾート」構成

    「OMO7横浜 by 星野リゾート」構成

見るもののどこを切り取ってもエピソードがあるような空間で、ハマっ子に愛されてきた名建築の歴史と再活用の技をたっぷりと味わった滞在だった。

取材協力: 星野リゾート