──「夫婦別姓」という制度については賛否あり、ドラマ発表当初はタイトルが先行してしまい、正直、SNSではハレーションもあったと思います。ですが、矢島さんは、「社会的なテーマを説教臭くなく物語に溶かす」手法がお得意で、ドラマを観れば、そんな政治色はないということが明確になります。このあたりについてはどう思われていましたか。
これについては、心配していませんでした。全スタッフの共通認識として、政治に対する想いというよりは、人間模様や家族について、誠や明日香、そして第7話から(亡くなった前妻との)娘の音花というキャラに語らせているだけでして、制度そのものについては、ご覧になる皆さん次第だと思っております。そしておっしゃっていただいた通り、説教臭いのは僕の作風ではなく、単なる家族間の話としてセリフや物語作りをしています。
──「家族」といえば、東京マハロの20周年記念公演舞台『可もなく不可もない戦争』(6月2日まで、東京・本多劇場)も「家族」を題材にされていますね。
そうですね(笑)。実は舞台の方は、私の家族がモデルなんです。僕の人生で起きた家族の壮絶なる5年間の出来事を、2時間に短縮した舞台で、ご覧になる方は信じられないでしょうけど、本当に起きた実話を基にしています。戦争というものは今も世界のどこかで行われていますが、東京の片隅のたった5人の家族の中でも、とんでもない戦争が起きているよといったお話でして。たまたま『家族』というテーマで『夫婦別姓刑事』とかぶってしまっていますね(笑)
──実話だったんですね(笑)。では、『夫婦別姓刑事』のほうの「家族」は今後、どうなっていくのでしょうか? そして、縦軸にある「消しゴム事件」の行方は?
これは秋元さんとも話していたのですが、1話から7話まではコメディでいきたいと。そして8話からガラッと雰囲気が変わります。8話では、明日香の過去が描かれますし、音花が一緒に住み始めましたが、当然うまく行くわけがないんです。それがどう再生し、また別れて、そこからどうまた再生していくか、といった家族のあり方みたいなところが描かれていきます。
また「消しゴム事件」に関しましては、それほどでもないのですが、セリフでも少し伏線があったりして。さらに監督が狙って、伏線めいた仕掛けもしていらっしゃいます。
──では、FODなどでもう一度、全話見直すと、考察もできる…?
そうしていただくのもうれしいですね(笑)。とにかく、今後8話からガラリと変わる雰囲気、そこから一気にラストへ向かっていく物語を楽しんでご覧いただけますと、うれしく思います。




