俳優・塩野瑛久が、これまで歩んできた道のりを振り返りながら、静かに現在地を見つめた。『獣電戦隊キョウリュウジャー』や大河ドラマ『光る君へ』で注目を集め、話題作への出演を重ねる一方で、その胸の内には「理想の自分」と向き合い続けてきた葛藤があるという。
日本映画専門チャンネルで5月20日からスタートする特集「2ヶ月連続 俳優 塩野瑛久のかがやき」で放送されるインタビュー番組の収録後、塩野が語ったのは、転機となった作品、「自分も誰かにとって、そういう存在でありたい」という俳優としての願いだった――。
「ヒモ役を演じたい」と言ったらヒモ役オファーが
デビューから近年の作品までを振り返るインタビューを終えた塩野は「とても緊張しました」と苦笑いしながら、「当時を振り返りながらインタビューを受けるのは、いろいろなことがフラッシュバックしすぎて、思考がまとまりませんでした(笑)」と本音を吐露。
それでも、「こういう道を歩んできたんだなということを知るいいきっかけになったと思います」と語り、改めて自身のキャリアを見つめ、「“こうなっていきたい”という理想の自分に向けて、葛藤しながら歩んできたのかなと思います」と実感を口にした。
今回の特集で放送される作品の中で特に印象的だと語るのは、2015年公開の主演映画『きっと いつの日か』。「 “この作品が今回放送されるんだ”という驚きが強いです。あの時の空気や気持ちが、ふわっと思い出されて、懐かしい匂いをかぐような心持ちでした」と表現する。
分岐点になった作品を聞かれると、スーパー戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』を挙げつつ、映画『チャチャ』にも強い思い入れがあるという。
「当時、インタビューで“ヒモ役を演じたい”と言っていたら、まさかのヒモ役でオファーをいただきました(笑)」という経緯が。撮影現場に入ると、「酒井麻衣監督とはドラマでご一緒したことがあり、酒井さんの作る世界観や、現場での立ち居振る舞いなどが印象的でした。また一緒に作り上げられることが楽しかったです」と大きな経験になったようだ。
ただ、撮影は楽しいことばかりではなかったようで、「上半身裸で水をかけられたり、コンクリートの上で転げ回らなければならなかったりしたので、つらさもありました(笑)」と付け加えた。
有村架純と夫婦役「説得力が必要でした」
6月19日に公開される映画『マジカル・シークレット・ツアー』では、有村架純演じる和歌子の夫・高志役を演じている。実話に着想を得た金密輸事件を題材に、犯罪とは無縁に見える女性たちが自分の手で人生を取り戻そうとする姿を描くエンタテインメント作品だ。
この役作りについては、「有村さんと夫婦であることの説得力が一番必要でした」という意識で、監督と対話を重ねたという。
撮影現場では「ひげをつけました」と照れ笑い。オールアップ時には「お花ではなく、金のなる木を頂きました」と、作品にちなんだプレゼントを受け取ったエピソードも明かした。

