1995年の放送開始から30年。市井の人々の人生に光を当て続けてきたフジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)が、第34回橋田賞を受賞した。10日、都内ホテルで開催された授賞式で、西村陽次郎チーフプロデューサーは、民放各局の編成からドキュメンタリー番組が減っていく中で「その流れにあらがうように」放送を続けてきた歩みを回顧。現在の好調を受け、「ドキュメンタリーの時代が来たんじゃないか」と期待を述べた。

  • 『ザ・ノンフィクション』西村陽次郎チーフプロデューサー

    『ザ・ノンフィクション』西村陽次郎チーフプロデューサー

脚本家・橋田壽賀子さんが理事を務めていた橋田文化財団が主催し、日本人の心や人と人とのふれあいを温かくとりあげた番組と人に贈られる同賞。『ザ・ノンフィクション』は「1995年の放送開始以来、30年にわたり市井の人々の人間模様に光を当て、長期にわたって密着取材することでその人生を掘り下げて描いてきました。多様な生き様を映し出すことで、社会に問いを投げかけ、視聴者の深い共感を集め続けてきた実績は賞賛に値します」と評価された。

西村氏は「30年という時間を振り返りますと、民放各局のタイムテーブルからドキュメンタリー番組というのが少しずつ消えていった歴史でもあると思います」と、テレビにおけるドキュメンタリー番組の置かれてきた状況を振り返りつつ、「そんな流れにあらがうように、日曜日の午後に毎週番組を放送し続けてまいりました」と強調。

近年は多くの視聴者から支持を集め、視聴率も好調な上、令和に入ってから始まった見逃し配信でも「人気バラエティ番組と肩を並べるような再生回数」になっていると明かした。

こうした反響を受けて「ようやくドキュメンタリーの時代が来たんじゃないかと、少しではありますが実感を抱いたところに、今回橋田賞という賞を頂きまして、もっともっと頑張れというエールだと思って受け止めております」と、受賞の意味をかみしめる。

最後に、「改めて、30年番組の歴史を紡いできた数多くのドキュメンタリー制作者と共に、今回の受賞を喜ぶとともに、引き続き変わらぬ姿勢でテレビドキュメンタリーを盛り上げていきたいと思います」と決意を述べ、感謝の言葉でスピーチを締めくくった。

司会のTBS・斎藤哲也氏は「浅草の人力車の車夫の回が大好きで、あの回があると注目しております(笑)」と、局の垣根を越えて番組のファンであることを伝えていた。

  • 斎藤哲也氏

    斎藤哲也氏

「第34回橋田賞」受賞作品・受賞者

■橋田賞
・連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)
・『わが家は楽し』(TBS)
・『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)
・『八月の声を運ぶ男』(NHK)
・小日向文世(俳優)
・佐藤浩市(俳優)
・小芝風花(俳優)
・今田美桜(俳優)
・竹内涼真(俳優)

■野村昭子賞
・岩崎加根子(俳優)

■橋田賞新人脚本賞
<一時間ドラマ部門・佳作>
・『コクーン』高橋由佳
・『愛或るほうへ』佐野あすか

<短編部門・入選作>
・『へりとわらし』朝比奈千鶴