ARGは、やり方を誤れば「本当に起きた事故なのでは」「本当の流出なのでは」と誤認され、炎上につながる危うさを持つ。今回は公共性のある地上波が絡むため、特に慎重に作業した。
販売用の台本には表紙に「これはARGのために作られたものです」と注釈を明記するほか、SNSで発信する画像や投稿にもガイドラインを策定し、「これはフィクションです」「これはゲームです」「#ARG」といった表示を必須に。専用ドメインによる情報管理の徹底も図っている。
ARG市場が徐々に盛り上がり、プレイヤーも作り手も増えてきた今、事故や実在のトラブルに見せかけて関心を集める手法は、むしろジャンル全体への信頼を損なうおそれがあることから、「最初はフィクションだと分かっていても、中のクリエイティブによって本当らしさを積み上げていくことのほうが、深い没入につながると思っています」と意識している。
社内から複数の企画案、他局から興味も
ドラマ×ARGという掛け合わせに初めて挑んだ岩崎氏は「難しいなと思いましたが、やってみて面白かったです」と手応えを口にする。今回は台本というアイテムを起点にしたが、他の媒体や導線でARGを作っていくことも「全然できると思いました」と可能性を感じたようだ。
また改めて、「映像をふんだんに使ってリアリティと没入感を出していく作品を、これからも作っていきたいと思いました」と意欲。前回の『503号室の郵便物』の展開後から日テレ局内より様々な企画案が舞い込んでおり、「Minibreak.」ブランドとしてはすでに今後の具体的な構想がいくつか進んでいるという。
さらに、他局からも興味を持って話を聞きに来た人がいたのだそう。「いろんな局でARGが絡んだ番組コンテンツが次々にできて盛り上がっていったほうが、ARGの市場としてもいいことだと思うので、その中で自分たちの色を出していければ」と、業界全体の活性化に期待を示した。

