日本三大ラーメンのひとつ「喜多方ラーメン」は、福島を代表するご当地グルメ。いわき市在住の筆者にとっては、朝からでも食べられるあっさりした一杯というイメージがあります。そんな喜多方ラーメンの聖地に、チャーシューがたっぷり乗った「肉そば」があると聞き、さっそくお店へ向かいました。

■平日でも大行列! 喜多方ラーメンの名店「坂内食堂」

  • 喜多方ラーメンの聖地「坂内食堂」で“チャーシュー爆盛り”と噂の「肉そば」を実食レポ!

    すでにこの行列

「坂内食堂」は、1958年創業の喜多方ラーメンの老舗。福島県喜多方市内で行列が絶えない人気店です。同店をルーツとするチェーン「喜多方ラーメン 坂内」は、ご存じの方も多いかもしれません。4月の平日11時、店の前には噂どおりの行列ができていました。

なかには並ぶのを諦めて、引き返したり店を変えたりする人もちらほら。常連さんによると、これでも今日は少ない方とのこと。土日の行列具合が気になるところです。

坂内食堂の向かいには公園があり、お子さんを遊ばせながら順番を待つご家族もいました。

  • 小さなお子さんが飽きずに待てるのが嬉しいところ

    小さなお子さんが飽きずに待てるのが嬉しいところ

お客さんの回転が早いのか、覚悟していたより早いペースで行列が進んでいきます。周囲からは「支那そばにしよう」「ネギラーメンかな」という声が聞こえてきました。

支那そばもネギラーメンも気になりますが、今日の目的はあくまで肉そば。“チャーシュー爆盛り”とはどれほどなのか、期待がふくらみます。

20分ほどで、お店の入口にたどり着きました。

  • 入口ののれんを見たとたんにお腹が鳴った

    入口ののれんを見たとたんにお腹が鳴った

メニューボードには日本語と英語が並んでいます。

ネギラーメンのビジュアルも迫力がありますが、やっぱり肉そばのインパクトがすごい!

  • 海外からのゲストも多いのか、インバウンド仕様のメニューボード

    海外からのゲストも多いのか、インバウンド仕様のメニューボード

  • 左下がお目当ての肉そば(1250円)。基本の支那そば(900円)も気になるが……

    左下がお目当ての肉そば(1250円)。基本の支那そば(900円)も気になるが……

麺を覆うチャーシューのボリュームに、果たして食べ切れるのかという思いが一瞬よぎりつつ、見た目のインパクトにテンションは上がるばかり。これは絶対に食べたい!

「やはり、肉そば一択」と心に誓ったところで、入店の順番が回ってきました。

■チャーシューが麺を埋めつくす肉そば

店に入り、注文を待つ列の最後尾に並びます。坂内食堂は事前精算制で、お会計を済ませてから席に着くスタイル。店内は座敷とテーブル席があり、ラーメンを食べ終わったお客さんが次々と入れ替わっていきます。

  • ラーメンが次々にお客さんの前へ運ばれていく

    ラーメンが次々にお客さんの前へ運ばれていく

コップに水を汲んで待っていると、ほどなく席に案内されました。

喜多方ラーメンは、醤油ベースのスープと、多加水麺と呼ばれる水分の多いちぢれ麺が特徴とされます。もっとも、実際には店ごとに個性があり、味わいもさまざま。

そうこうするうちに、お目当ての肉そばが運ばれてきました。

  • 喜多方ラーメンの聖地「坂内食堂」で“チャーシュー爆盛り”と噂の「肉そば」を実食レポ!

    思わずおおっ、と唸りそうになるボリューム

メニューボードの写真そのまま、いや、それ以上かもしれません。麺を覆い隠すチャーシューの山。そのつややかな脂身が、食欲を刺激してきます。

  • あっさりながら滋味深い味わいのスープ

    あっさりながら滋味深い味わいのスープ

きれいに透き通った金色のスープ。何ベースなのかお店の方に伺うと、坂内食堂のラーメンは「塩ベースのとんこつスープ」とのこと。

とんこつを弱火でことこと、ダシが出るまでていねいに煮込んだ、濁りのないスープ。あっさりしているのにコクがあり、口に含むとじんわりとうまみが広がります。脂の重さはなく、後味はすっきり。思わず「もう一口」とレンゲが進みます。

実は喜多方には「朝ラー」と呼ばれる、朝食にラーメンを食べる文化があります。確かにこのスープなら、寝起きすぐでも飲めてしまうと納得。

  • 多加水麺の特徴のひとつがこの縮れ

    多加水麺の特徴のひとつがこの縮れ

麺は喜多方ラーメンの定番、つややかな多加水麺です。

口の中につるりと滑り込むような食感と、もちもちした歯ごたえ。噛むうち、小麦のほのかな甘みを感じます。

  • 箸が止まらなくなるチャーシュー

    箸が止まらなくなるチャーシュー

チャーシューは脂身と赤身のバランスがよく、口に入れるとほろりとほどけるやわらかさ。しつこさはなく、ほんのりとした醤油の風味がスープにほどよい変化を与えています。噛むほどにうまみがじんわりとあふれ、次の一枚へと箸が止まりません。

具はチャーシューのほかに、メンマと刻みネギ。たっぷりの肉の中で、ほどよいアクセントになっています。

テーブルに用意された調味料で、途中で味の変化も楽しめます。粗挽きとパウダー、2種類のコショウを少し振ると、すっきりしたスープに香りが立ち、印象がぐっと引き締まります。

  • 最後までおいしく飲み干しました

    最後までおいしく飲み干しました

チャーシューの量に不安を感じていたのが嘘のように、気づけば器は空っぽに。あの行列に並んだ甲斐があったと、しみじみ感じる一杯でした。

■また並びたい、また食べたい!

店を出る際にも、厨房ではラーメンが次々と仕上がり、店の前の行列も途切れる気配がありません。あの一杯を求めて人が集まる理由が、よくわかる光景です。

  • 手際の良さに見とれてしまう

    手際の良さに見とれてしまう

坂内食堂の肉そばは、しっかり噛んで味わいたくなる。チャーシューのうまみや多加水麺の食感を、じっくり楽しみたくなる。「どんなに行列が長くてもいいから、次回もあの肉そばを味わいたい」——そう思わせる、記憶に残る一杯でした。