「朝の撮影は敵、夕方の撮影は仲間」のマコト兄ちゃん
――タケル、マコトを演じるにあたり、強く意識していたことはありますか?
西銘:撮影が始まってしばらくの間は、外での食事を可能な限り控えていました。ゴースト(幽体)のタケルは食事をしない設定だし、作中で「俺もご飯が食べたい」みたいなセリフを言っているから、食事をしている姿を関係者以外に見られないよう配慮していたんです。お腹が空いてたまらないときでも、コンビニでパンを買って急いで帰宅してから食べて(笑)。中盤あたりからは、(東映東京)撮影所の周辺ならそこまで人が多くないし、キャストのみんなでご飯を食べに行く機会もありましたね。でも、「タケルはゴーストである」ということは常に意識していました。
山本:俺は「普通の人間」という感覚でマコトを演じていましたけど、実はマコトってかなり複雑な生い立ちで……さらには自分のコピー態まで出てきて、後半に行くにつれて「あれ?」って(笑)。でも、普段の生活は自然体のままでやっていました。
西銘:マコト兄ちゃんといえば、テレビ放送の序盤はタケルと対立するポジションだったでしょ。そこからタケルがカノンちゃんを助けたことで、幼なじみのころの友情が甦る展開だったよね。2人がまだ対立している時期の撮影をしていたころ、映画『ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』(2015年)の撮影が同時進行で始まりました。映画ではすでにマコト兄ちゃんが仲間になっているのに、テレビの撮影ではいまだに敵対していて、演じているぶっくん(山本)は気持ちの切り替えが大変だったんじゃないかな。
山本:確かに、いまの自分の気持ちをどこに持っていけばいいのか、それをつかむのが難しかったかもしれない。今日は朝から(テレビで)タケルと戦って、日が暮れてから(映画で)味方になって、いまやっているのはどっちのマコトなのか? なんて。テレビ、映画、そして雑誌『てれびくん』(小学館)用のDVDと、ぜんぶマコトのキャラが違うから混乱することもありましたね。
西銘:マコト兄ちゃんは1年中レザーのライダースジャケットとパンツだから、それも大変そうだと思ってました。暑いと熱がこもるし、寒いと冷たいし……。
山本:身体にフィットして脚が上がりきらないから、敵と戦うときはパンチスタイルのアクションをつけてもらいました。冬の間はガンガン(撮影所の暖房器具)の前で衣装を温めて伸ばしてたなあ。
『仮面ライダーゴースト』を演じて「開眼!」した2人の特技
――『仮面ライダーゴースト』に出演したことによって”開眼”した、お2人の「特技」は?
西銘:早朝から撮影所に集合して、ロケバスでロケ地へ移動……という生活を1年間続けていたこともあり、その後、「結構ハード」と言われるドラマの現場でも大変に思うことはありませんでした。また、『ゴースト』で主演を務めさせていただいた経験から、現場でどう立ち振る舞えば周囲の雰囲気を良くできるか、といったスキルが高くなりましたね。
山本:俺は『ゴースト』で様々なイベントを経験して、たくさんのお客さんに見つめられるステージに立っても無駄な緊張をしなくなったかな。そういう意味で、『ゴースト』の1年間で培ったものは、いまも生きています。
西銘:あと、特技といえば「バスで座るとすぐ眠れる」こと! 撮影が忙しいときは、ロケバスで寝て睡眠時間を確保していたんですが、だんだん慣れてきて、座ればすぐに眠れる体になりました。
山本:で、俺はそんな駿を起こして遊んでいるという(笑)。
西銘:最悪でしょう(笑)。まあ、確かにみんな元気で、一晩くらい平気で寝ないでいたこともありましたね。
山本:『ゴースト』のレギュラーキャストはみんな元気で、撮影後もずっと遊んでいたね。楽屋にみんなで集まって、3時間くらいゲームをやっていて。
西銘:いま思えば、他の誰かから「早く帰れよ!」って言われかねないね(笑)。
山本:実際、早く帰れって言われていたよ(笑)。あのころは、もう帰っていいよと言われても、だら~っとしていた。それが何よりも楽しかったな。
――キャストの皆さんの仲の良さがうかがえるエピソードですね。個性豊かな『仮面ライダーゴースト』キャストですが、役柄とご本人のギャップが大きい方は?
西銘:だんぜん、御成役の柳喬之くんです。大天空寺の住職代理である御成はとてもハイテンションな役柄ですけど、役を離れたプライベートの柳くんは、意外すぎるほどマジメ。常識人なんです。
山本:そうなんだよね。
西銘:御成は横にいるとぜんぶ注目を持っていかれるほどキャラが立ちすぎている。役と普段のギャップの大きさで異彩を放っていました。
山本:アラン/仮面ライダーネクロムを演じた磯村(勇斗)くんもインパクトが強かったなあ。磯村くんは現場での立ち振る舞いが最高にカッコよかった。待ち時間も絶対に座ろうとせず、自分の出番じゃない現場を見ていたり。とても真面目で、勉強熱心でした。
