滝行、池落ち、タケルの喜怒哀楽を表す水
――印象に残っているスタッフさんとの思い出はありますか?
西銘:一番お世話になったのは、第1・2話をはじめ、主要なお話を手がけられていた諸田敏監督ですね。
山本:いつも頭をかきながら「わかんない! わかんない!」と仰ってたね(笑)。
西銘:そうでした!懐かしい!諸田監督との思い出は、何度も「水」の中に落とされたことです。「次は諸田組だよ」と聞かされると、ロケ先のどこに水があるのか心配になって(笑)。諸田監督は「水は喜怒哀楽、人間の感情をすべて表現できるんだ」とよく話していました。川や池に落っこちたり、滝に打たれたりすることでタケルの喜怒哀楽を表現してくれていたんです。寒かったですが。
山本:お台場でロケをやったときも、寒い中でタケルがマコトに殴られて、海の中に落っこちたシーンを覚えています。
西銘:諸田監督の言葉は正しかったと思うし、信じていますけど、毎回とにかく寒かった!(笑)
山本:あとは坂本浩一監督のスピーディなアクション演出と、ナパームの「大爆発」も強烈だったね。
西銘:岩船山での撮影ですね。仮面ライダーゴーストの背後で大爆発が起きるカットで、僕たちは離れた場所に待機して観ていましたが、かなりの熱が伝わってくるんですよ。何mも離れていて、それでも熱いなって思うということは、あそこで爆発を背中に受けている高岩(成二/仮面ライダーゴースト・スーツアクター)さんは、果たして大丈夫なのか? って思っていました。
山本:火傷していないか心配するけど、無事なんだよね。
西銘:そういった高岩さんの姿を見て、プロは凄い! と思っていました。
山本:火花が連続してバチバチバチッ! て出て来る弾着とかも、びっくりしたね。
西銘:火花が走ってくる中を、よく逃げていましたね。その後に出演するドラマではまず経験できないこと。現場に入って「今日、爆発ですか。わかりました!」って軽~くリアクションできる場所って、なかなかないです(笑)。
――おふたりが「仮面ライダー」として役を演じたことは、後々のお仕事にどんな影響がありましたか?
西銘:1年以上もずっとゴースト/タケルを演じてきたので、新しいドラマの撮影をするとき、最初のころは「仮面ライダー」的な芝居が無意識に出てしまうことがありました。眼魂を構えるような「キレのある動き」って、日常生活を演じるなかだとおかしいんです。料理のお皿を「サッ!」と出したりして。
山本:それ、俺も言われたことがある!
西銘:「いま、ライダーが出ちゃってるよ」って(笑)。
山本:仮面ライダーの現場は、驚きや喜びなどの感情をわかりやすく伝えるために、クイックな動作をします。他の作品の撮影で、そういった動きを求められていないのに身体が自然に動いてしまって……。そこは意識して、演技の仕方を直しました。
西銘:なんといっても『仮面ライダーゴースト』という作品を1年間、Vシネマを含めると1年半もの間、様々な困難を乗り越えてやりとげることができた。こんな達成感を味わうことはなかなかありませんし、僕たちは本当に貴重な体験をさせてもらいました。『ゴースト』に携わった全ての方々にいまでも感謝しています。
10年前と変わらない『ゴースト』現場の関係性
――2021年には東映特撮ファンクラブ(TTFC)オリジナル作品『仮面ライダーセイバー×ゴースト』『仮面ライダースペクター×ブレイズ』で、タケルとマコトが再登場しました。久々に「仮面ライダー」の現場に戻ってきたときのお気持ちは?
西銘:久しぶりだからといって、何か改まった気持ちになるわけでもなく、何年も離れていた実家に戻ってきた、みたいなフラットな感覚でしたね。「ただいま~!」って(笑)。ただ、当時の助監督が立派な監督になられていたり、仲の良かったスタッフさんが現場を離れられていたり、5年の歳月ってすごいなあ……と改めて思いましたね。
山本:『仮面ライダーセイバー×ゴースト』『仮面ライダースペクター×ブレイズ』も、もう5年前なんですね。あのとき着ていたマコトの衣装は2015年当時と同じものでした。ブランクはありましたが、問題なく着られてよかったです。むしろ、以前よりもなじんでいたかも。
――最後におふたりから、作品としての『仮面ライダーゴースト』、そして仮面ライダーゴースト、仮面ライダースペクターを愛するファンのみなさんへメッセージをお願いします。
西銘:10年という節目を迎えた『仮面ライダーゴースト』ですけど、今日もぶっくんと写真撮影をしていたら、何かとちょっかいを出してきて。こういうところ、10年前と全然変わっていないんですよね。いま僕は28歳なので、当たり前ですけど仕事の現場では年齢に見合った対応をされます。でも『ゴースト』の空間に戻ってくると、高校生だったころと変わらない関係性が残っていて、それがなんとも心地いいんですね。
山本:わかります。何年経っても、俺にとっての駿はいつまでも18歳のまま。イジり方もまったく同じです(笑)。
西銘:こんな子どものような(笑)僕たちですけれど、ファンの方たちから「憧れのヒーロー」と思っていただけて、本当に感謝しています。どんなときでも、常に仮面ライダーが「味方」でいてくれるのは、とてもありがたいことだと痛感します。
山本:俺たち、ずっと「仮面ライダー俳優」という看板を背負わないといけないな、と常々思っています。これからも、仮面ライダーのイメージを崩すようなことはできないね。
西銘:ファンのみなさんには、いつまでも『仮面ライダーゴースト』を好きでいてほしいと思います。またどこかでお会いできる日が来るのを楽しみにしています!
■西銘駿(にしめ・しゅん)
1998年生まれ、沖縄県出身。2014年「第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。2015年に『仮面ライダーゴースト』の主役・天空寺タケル役で俳優デビュー。近年の出演作として、ドラマ『牙狼〈GARO〉ハガネを継ぐ者』(2024年)、ドラマ『Love Sea〜愛の居場所〜』(2025年)などがある。舞台『劇場版モノノ怪 前日譚~二首女~』(2026年5月11日より品川プリンスホテル ステラボールにて上演)への出演を控えるなど、幅広いジャンルで活躍中。■山本涼介(やまもと・りょうすけ)
1995年生まれ。奈良県出身。2009年、中学2年のとき「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のファイナリストに選ばれる。2015年『仮面ライダーゴースト』の仮面ライダースペクター/深海マコト役でレギュラー出演。『ただの恋愛なんかできっこない』(2025年)をはじめとするテレビドラマ、映画、舞台、CMなどで鮮烈な存在感を発揮する。
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